FISKARS X25偏愛②フィスカースの斧頭と専用砥石について
昨日のつづき。
「②斧頭がまるでフライパンのテフロンコーティングのように保護されてるなんて、どうせ長持ちしないに決まってる」
という不満について。フィスカースの斧頭はカーボン鋼という素材でできている。錆びないようにコーティングしてあるようで、扱いはとても楽だ。テフロンのフライパンは、テフロンが剥げるとそこで寿命が来てしまうが、この斧は専用の砥石を使用することで、すぐに切れ味が戻る。うかつに触るとスパッと手を切るくらい鋭利なので注意されたい。
必ずグローブをしながら使用すること。
ちなみにこのフィスカース専用砥石だが、格安なうえに、素人でも簡単に研ぐことができるので、何度も研いで長くつかえるというわけだ。
上に②で書いたような不満は、言いがかりだったようだ。
ただし、昨日も書いたように柄の部分につかわれているグラスファイバーというものは一般的に経年劣化すると言われているので、一生物とは言えないかもしれない。
実際にこれからパカパカと薪割りを続けてみて、このフィスカースの斧がどれくらいの耐久性能を持っているのか、確かめていきたい。
まあ、ただ、この価格の斧に一生つかえる、という耐久性を望むのは酷というものかも知れない。
FISKARS X25偏愛①やっぱりグレンスフォシュの方がいい?
①柄が木製じゃないなんて邪道だ。
②斧頭がまるでフライパンのテフロンコーティングのように保護されてるなんて、どうせ長持ちしないに決まってる。
③だいいち、オレンジと黒という色の組み合わせが斧っぽくない。
フィンランド製のハイテク斧、フィスカースに対して、購入前に思っていたこと。というか、もしスウェーデン製の有名斧を買うとしたら、フィスカースを諦める口実としてこんなことを考えそうだな、と自己分析をしてみる。
しかし、前にも書いたように、高い斧を購入しても、ミスヒットを繰り返して柄の部分にヒビがいくという悲劇がネット上で書き込まれていた。それなら、とりあえず斧使いがうまくなるまで、この堅牢なグラスファイバー製の斧を使いまくってやろうじゃないか!
というわけで、上に挙げた不満のうち、①は、とりあえず上手くなるまでの条件付きでクリア。
でもそもそもグラスファイバーってなんじゃほい。
グラスファイバー・・・日本語に直すと「ガラスの繊維」。ガラスを溶かして引っ張って繊維状にしたものだそうだ。主にプラスチックに混ぜて、グラスファイバー強化プラスチックとして、様々な物に加工される。通常のプラスチックでは得られないほどの強度を持つ軽量な素材になるそうだ。
ただ、もちろん、木と違って経年劣化はある。だから、一生物ではない。それは確かだ。フィスカースで斧というものをしっかり経験できたら、いつか一生物と言われる斧を手にしてみたいものだ。
つづく
薪ストーブ前史⑬カラカラの広葉樹の薪割り
瑞々しさゼロ。
半割りにしたままカラカラに乾燥させられた広葉樹をチェーンソーで40㎝の長さにカットして、割っていく。使用する斧はもちろん、フィスカース社のX25だ。ガンガン割っていく、といいたいところだが、これがなかなか気持ちよく割れてくれない。
乾いてヒビのはいったラインでしか割れないので、画板の様な四角くくて薄っぺらの薪が次々出来上がっていく。これはいかん。こんな画板(がばん)みたいな薪ではカッコ悪い!よく燃えそうだけどカッコ悪い。
画板薪①
画板薪②
このまま、画用紙を置いて写生に出かけられそうじゃないか。
まあ、そんな画板薪までしなくても、ある程度細くなると、カラカラに乾いたものでも繊維に逆らって割ることができたので、おおよそ薪らしい姿に割り終えることができた。
↑これはまだもらった木を半分くらい割ったときに撮ったもの。これで1立米くらいはありそう。
こんな乾いた焚きやすい木をもらえてすごく幸運でうれしい、のだが、水分を含んだ、いかにも薪割りをしている、という気持ちが味わえる木を割りたいという欲が出てきた。斬り倒したばかりの広葉樹は、パッカーンと気持ちよく割れてくれるらしい。
ここまでまとまった薪割りは
①大量の針葉樹の玉
②300㌔の栗の原木1本
③カラカラの広葉樹(樹種不明)の80㎝の半割りたくさん
という具合で、まだまともな広葉樹は栗の木1本しか薪割りしていないのだ。なんとなく消化不良で、仕事中に薪割りのことを妄想するようになってきてしまった。あー!薪割りしたい!
厚かましい話だが、どこかで、切ったばかりの原木が手に入らないかなー。
リンカーンの斧の逸話について考える
「もし木を切るのに8時間与えられたら、斧を研ぐのに6時間使うだろう」
斧使いや薪割りの業界?では有名なこの格言。
アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンの言葉だ。
これは一般的には、
「何事も始める前の準備が大切だ」
という意味の格言として知られているが、実際に木の伐採現場に当てはめてみるとどうなるだろうか?
なんとなく、斧を6時間も研いでから木を切り始めたのでは、いくら鋭利な斧に研げたとしても作業の効率が悪いんじゃないかと思うが…
実際、ネット上でも、六時間はいくらなんでも長すぎるとか、リンカーンは頭がおかしいんじゃないかとか、結構ボロカスに書かれてたりするが、たぶんそういうことではないのだろう。
例えばチェーンソーで切るなら、木を切りながら頻繁に目立てをするので、チェーンソーの実働時間が2時間ぐらいということも十分考えられる。5分切ったら15分目立て、ということを繰り返してみたら、ものすごく効率がいいかもしれない。
まあ、これは極端だとしても、チェーンソーは使用前と使用後にきちんと目立てをしておくと、いつだってきちんと応えてくれる。
単純に斧やチェーンソーを使うとき、余裕がなかったり準備がいい加減だと、効率が悪かったり、ろくなことが起きなかったりするものだ。
なにごとも余裕をもって。特に斧やチェーンソーみたいな非日常のものを使うときはなおさら。
まあ、そういうことにしておこう。
薪ストーブ前史⑫結局もらってきた、ロング半割木材
厚かましく、下さいと言ってみたが、どうも仕事が忙しすぎて切ったり割ったりする時間がなかったらしい。
二つ返事でオッケーをいただいた。
その喫茶店でもらった、ちょっと変わった荷姿の原木、というか木。
正確に言うともらった木は半割りばかりではない。
4等分、いや6等分になっているものもあった。
この画像では分かりにくいが、長さはだいたい80㎝。半分にカットすればちょうど40㎝の薪になるという、至れり尽くせりな木だ。しかも、どうやって割ったのか、半割りや、4等分、6等分、といった細かく割られた物がある。画像で見えるだろうか。
しかし、こんな長い木をどうやって半割にしたんだろう?薪割り機ならできるんかい?
この木、この状態のまま一年以上放置されたらしく、すでに中までほぼ乾燥している。
実際に割った木の内部の含水率を測ると、おおむね15~16%という理想的な数字になっていた。
つまり、割った端からいますぐにでも焚ける薪になっていくということだ。
これはちょっとしたフィーバーではないか!
惜しいのは、すぐに焚けたとしても、肝心の薪ストーブはまだないということ。
なんといってもまだ薪ストーブ導入前の話(薪ストーブ前史)なのだ。
乾燥の必要がないという安心感も手伝ってしばらく積み上げていたが、重い腰をあげて、チェーンソーを手にした。
カラカラに乾いているので、チェーンソーを入れると、ものすごくささくれた断面になって切れていく。
あれ、切りにくいな。
あんまり気持ちのいい切れ方ではない。堅いから、チェーンソーの刃もすぐに磨耗する。毎日目立てる。
とにかく暇を見つけてはコツコツ玉切りしたのだった。
薪ストーブ前史⑪薪長80㎝の半割り?木材
お蕎麦屋さんから針葉樹もらったり、そんなんばっかりで恐縮だが、また別の知り合いの喫茶店に薪ストーブユーザーがいる。
そこでは冬の営業のときに薪ストーブを焚いて温かい店内で珈琲が飲めるのだが、何故かいつまで経っても割られない木が店先に置かれていた。長さ80㎝。かなり硬そうな広葉樹だ。
しかし丸い原木ではなく、半割りだったり1/3に割ってあったり、とにかく大きく割られている。
いくら割られているとはいえ、80㎝の長さの太い木を薪とは呼べないだろうし、そもそもそんなに長い薪が入る薪ストーブは今のところ聞いたことがない。
つまり、この巨大な半割りはまだチェーンソーで半分にカットした上で、さらに数回斧で割らないと、ストーブに入るサイズにならないくらい巨大な木なのだ。
↑長さ80㎝。こうやってチェーンソーで半分に切るとちょうどいい長さに。
それが30~40本ほど店先に置かれている。しかもいつまで経っても割られる気配がない。
心配になって店の方に聞いてみると、仕事がいそがしくて、チェーンソーで切ったり薪割りをしている余裕が一切ないまま気がついたら何年か経過していたそうだ。
ここで一般の人なら、そうですか、それは大変ですね、となるのだろうが、世の中の木が全て薪に見えている僕は、厚かましくも、
「僕がもらって切ってもいいですか?」
と、聞いていた。
いや、確かに薪欲しさ、というのもあるが、このまま木が薪になることも叶わず朽ちていくのをみるのは辛すぎる。という気持ちも強くあった。
まあ、とはいえ厚かましすぎるので、まさか本当にもらえるとは思っていなかった。
薪ストーブ音楽館①「セゴビアの芸術」
寒い冬の夜。薪ストーブが煌々と燃える部屋にテレビは似合わない。
もちろん、部屋を暗くして静かに薪がはぜる音に耳を傾けるのも素晴らしい。
しかし、時には炎のぬくもりを感じながら、じっくりと音楽を聴いてみるのもいい。
そんな、薪ストーブを傍らに置いて聴きたい音楽を紹介する「薪ストーブ音楽館」。今回はこの一枚。
まだ薪ストーブも持っていないので、薪ストーブに合う音楽とかそんな趣旨のことを言える立場ではないが、それでもとりあえずこのアルバムを真っ先に挙げたいと思う。。
というのも、火のともった薪ストーブを前にして、一番始めに聴きたいと長い間温め続けている一枚だからだ。
アコースティックなサウンドの極致ともいえる、ガットギターの等身大の音像が、真の芸術家と言えるクラシックギターの御大セゴビアによって余すところなく表現されている。
テクニックをひけらかすことなく、自然な木の共鳴による生の音がとにかく心地よい。このアルバムが薪ストーブに合わなければ、もう無音で過ごすしかないのではなかろうか。薪ストーブとセゴビアのギター。いまから楽しみで仕方がない。