薪ストーブ始生代74 最高傑作誕生か。薪ストーブプリン
薪ストーブクッキングも板についてきた。
年末年始のおもてなし用に薪ストーブでプリンを作った。
美味しそうな巨大プリン。
その顛末を見ていこう。
事の発端は、クリスマスに使った生クリームが残ってしまい、何か薪ストーブを使って美味しいものを作れないか、調べていたことだ。
気楽に、プリンなんかいいんじゃないの?という感じで調べていたら、オーブンの温度は低め、しかも、耐熱皿を2重にして、下の皿には焦げないように常に水が入っていないとダメなのだそうだ。
これはなかなか製法が複雑だ。
こんなのって薪ストーブでできんの?
まあ、やってみました。
原液を作って、型に入れ、その下にはもう一枚少し大きめの耐熱皿を敷く。その中に水とタオルを入れて二枚まとめて薪ストーブの中にイン!
温度が高いと全体が固まる前に焦げる恐れがあるので、空気量を少なくした。
そして、炉内を懐中電灯で照らしながら、常に状態をチェックする。
レシピには薪ストーブで何分焼く、なんてことは当然書いてないので(普通のオーブンなら40分だった)、完全に手探りだ。
20分もしたら、全体がいい色になってきたので、取り出した。
いい感じだ。
お皿に乗せて試食。
むむ。
普通のプリンとは全く違う味だ。
食べたことのないプリン。
どこが違うかというと、ものすごくスモーキーなのだ。
大人の味わい。絶対に洋酒(スコッチなど)に合うはずだ。
年末年始、色んな人に食べてもらったが、軒並み高評価だった。
また作ろう(主に奥さんが)。
冬野菜の異常な価格高騰と、サニーレタスの収穫
秋に延々と降り続いた長雨の影響で、種まきの時期が遅れた冬野菜は、本来なら収穫のピークを迎えるはずのこの時期になってもほとんど採れない。
そのため、スーパーやデパートの野菜売り場では、とんでもない値段のついた野菜を見かけることになる。
僕も正月にフラりと出掛けて見た野菜の値段に驚愕した。
旬の時期にほうれん草や春菊が一袋400円もするなんて、ちょっとえぐい。うちの畑にも春菊以外の葉物野菜は、ほんの小さいのしかないので、おなじようなものだ。
ブロッコリーは599円もした。うちのやつらは、三度に渡る台風の脅威に耐え抜いて、なんとかある程度の収穫をすることができた。
そして、中でも最も開いた口が塞がらなかったのが、サニーレタスの値段だ。
小さめのサニーレタスがなんと699円だ。つまり約700円。
700円といえば相当色んな物が買えるぞ。わりといいお刺身が買えるし、安めのビールの6缶パックだって買える。バス代の安いスリランカでは国の最北端から最南端まで移動しても交通費は700円ぐらいかもしれない。
‥‥‥
話がそれたが、その大不作のサニーレタス。
我が家でも初代のリーフレタスは台風でいじけてしまい、大きくならなかったのだが、台風の後に植えた、赤い葉のサニーレタスはじわりじわりと大きくなってきた。
鶏糞が効いたのだろうか。
ちょうど美味しいロースハムが手に入ったので、採れたてのサニーレタスと一緒にパンにはさんで、ハムサンドを作ろうと思って収穫してきた(ああ、やっと本題に入った)。
葉は小さめだが、パリッとしていてやたらと瑞々しい美味しいサニーレタスだった。
この冬は、農家にとっては受難としか言いようがない状況が続いている。
土の恵みに感謝し、このわずかなサニーレタスを、大切にありがたくいただいた。
(本題に入ったと思ったらあっさりと終わってしもた(笑))
薪ストーブ始生代73 薪棚の定点観測④
12月1日に手付かずの薪棚(喫茶店薪と呼んでいる)の薪を焚き始め、それからその薪棚が空になるまでは、他の薪棚に一切手をつけずに焚いたらどれくらいでなくなるか、という定点観測企画、いよいよオーラスだ。
三度目の薪補充をした簡易薪棚が今度も、おおよそ一週間で空になった。その後、どうなったか?
まず参考までに、焚く条件として、
A.使用機種はネスターマーティンS33
B.夜は毎晩6時ごろから焚き始める。
C.寝るときも大きめの薪を詰めこんで、朝まで燠が残るようにする。
D.朝焚くのは週に4日ほど。
E.24時間焚いたのは月に3回ほどだけ。
F.使う薪は過乾燥ぎみの広葉樹。おそらくナラ。時にボケ薪も含まれる。
といった条件だ。
分かりやすいように、もう一度時系列順に並べ直して最後までの経緯をおさらいしよう。
①これが12月1日に焚き始める直前のまっさらな喫茶店薪の薪棚。
②12月7日の朝までに、そのうちのこれだけを焚いた↓
約1/4減ったというところか
③続いて12月14日、これだけが焚かれた↓
ここまででおそよ半分だ
④さらに12月21日、きっちり3週間でここまで焚いた↓
7割以上は焚いたな
⑤そしてなんと大晦日のお昼に残りの全てを焚き尽くした↓
見事にすっからかんだ。
久しぶりにこの部屋の窓が全部見えた(笑)。
この薪棚、 横幅・高さ・奥行きがそれぞれ約2.5m×約1m×0.4mなので計算上はきっかり1立米あった。
シーズンが始まる前の見立てでは、
「少なくとも2ヶ月は持つだろうと考えている。ひょっとすると甘いかもしれないが‥」
なんてブログに書いていた。
あ、甘い。
甘ーーーーい!
甘すぎた。
見立ての半分じゃ。気持ちいいくらいに、12月の最後の日に最後の一本がなくなった。
薪ストーブの洗礼を受けたということだ。
そう、薪ストーブは思い通りにならないもの。
薪はこれくらい持つかな、なんて都合よく考えていても、こっちの思い通りにはいってくれないのだ。
洗礼を受けたと同時に、ようやく薪ストーブユーザーの端くれに加わることができたようにも思う。
ここまでがうまく行きすぎていたのだ。
思い通りにいかないこと、壁にぶち当たること。
これこそ、薪ストーブを導入するにあたって楽しみにしていたことだ。
思いのほか早く無くなった、喫茶店薪。
もっとも重厚な薪の壁を形成していた喫茶店薪。頼りにしていた主力たちは、いともあっさり煙突から消えていった。
そして、このタイミングで正月を迎えたわけだ。正月から焚くのは桜薪だ。
薪ストーブ始生代23 薪は足りるのか②~桜の薪の棚 - 薪ストーブクロニクル
桜の薪は、割り面も綺麗なので、新年を迎えるには申し分のない薪だと思う。
さて、どれくらいもつのだろうか?
そして、薪は足りるのか?
薪ストーブ始生代72 隠れボケ玉
年末にこんな記事を書いている。
大量に入手したくぬぎの木には、立ち枯れしていたり、元々倒れて時間が経っていたものなどの中には、木の中の繊維がボケてしまってカスカスになっている「ボケ玉」やそれを割ってできる「ボケ薪」がある、という話だった。
なんとなくボケ玉は置いていると、じじむさいので早く割ってしまいたかった。で、15玉くらいあったと思うけど、一通り割ってしまった。
それで、さて、これからムチムチの上物のくぬぎを薪割りしてやろうと、パカパカ斧を振り下ろしていると、上物と思っていたものの中にも、隠れボケ玉が出てきた。
こんな感じで、反対側の割り面からは分からないものもあったりする。この玉の真ん中あたりでボケエリアが終わっているということだろう。
両面とも、少しだけ中心がやられているものもあり、バリエーションは豊富だ(笑)。
お隣さんの綺麗な断面と比べると、ほんの少し中心がボケている。
まあ、当然贅沢は言えないので、この隠れボケ玉もありがたく割らせていただきます!
縦の断面図。
なんとなく、これはこれで美しい断面だとも思う。
薪棚1号機に積んでいく。
この薪棚1号機には、ボケ薪や針葉樹、正体不明の薪や丸い腕薪などを積んでいった。奥行きが90㎝あって、前後に2列積めるのだがあっという間に前後両方とも8割がた埋まってしまった。
まだまだ割るべき玉が大量にある、というか、入手した綺麗なくぬぎの玉はまだ全く積んでいない。
早急に薪棚を増築せねば!
薪ストーブ始生代71 フィスカースでくぬぎを割る
ここのところ、総集編ばかりでお茶を濁していたが、正月休みも終わり、久しぶりに新ネタの更新である。
とはいえ、この正月も色々と薪活をしていたので、ネタは色々たまっている。
それではいってみよう。
このところ、何トンあるのか分からないくらい、たくさんのくぬぎを入手した。
集めて玉切りするので精一杯で、なかなかまとまった薪割りの時間が取れずにいた。
しかし、乾燥していない伐りたてのくぬぎの薪割りなんて、したいに決まっている。
今までさんざん割ってきたのは、そのほとんどがカラカラに乾燥してしまった広葉樹の玉で、薪割りに本当に苦労した。
乾燥すると割りにくくなるとは聞いているので、ぜひ生木を割ってみたいのだ。
というわけで、くぬぎの玉だ。
見逃しようもない、縦縞にくっきり入った樹皮の特徴。
カブトムシやクワガタが大好きな、樹液のすえた臭いが少しだけ鼻をつく。
フィスカースのIsoCoreハンマー斧をとりあえず一発、二発と振り降ろしたところで、「ああそうだ、直径を計っておこう」と思い付く。
直径は30㎝。
ハンマー斧の2回分の打撃の痕がくっきりと残っている。
狙いを定めたため、力が弱めになってしまって一気に真っ二つとはいかなかった。
そして3発目。
よいこらせっと。
斧はど真ん中を打ち抜く。
はい真っ二つ。
繊維が真っ直ぐで、実に美しい。
このあと、何個も割ってみたのだが、それ以前に割っていたヤブニッケイや椎の木のように繊維が絡みつくこともなく、筋に入ると不思議なくらい気持ちよく割れてくれる。
はっきり言って、割りやすい。
割っていて気持ちがいい。
調子に乗ってどんどん割っていった。
くぬぎは素晴らしい薪になると言われる。
まず第一に火持ちがいいからだそうだ。
そして、もうひとつ、割りやすくて薪作りが容易であることも、いい薪の条件と言えるのではないだろうか。
同じく薪の王様と言われるコナラなんかは、きちんと割ったことがないので比べようがないが、薪割りをするとバックリとして重厚な割り味が楽しめるそうだ。
くぬぎは繊維が真っ直ぐで素直だ。
大量にあるので、割りやすいのは大歓迎だ。どんどん割っていこう。
薪ストーブ始生代・総集編⑧「薪ストーブクッキングpart2」
1.焼きマシュマロ
やりそうでやらなかった、薪ストーブマシュマロ。
たまたま輸入食材店でマシュマロの見切り品があったので、来客があったときの余興に、と思ってひとつ購入してみた。
なんか妙にでかいマシュマロだなぁ、と思ってよく見るとMade in USA。
「ロッキーマウンテン・マシュマロ」なる品名がつけられた、どぎつい香りを発する巨マシュマロだった。
で、来客のとき、早速やってみた。
ピザを焼いた後だったので、ほとんど燠しか残っていない炉内。
ちゃんと焼けるかな、と思ったが、そんなに燠に近づけなくてもしっかり香ばしく焦げ目がつき、食べてみると焼きカラメルのようなサックリした食感も楽しめて、意外なくらい美味しいものだった。
よく、焼いたマシュマロをクラッカーなどに挟んだりする食べ方の紹介を見たりするが、クラッカーなどで挟むと、マシュマロ自体の変化した食感に気づきにくいので、そのまま食べるのもおすすめだ。
さて、その来客の方で、焼きマシュマロをして楽しんでいるときに不在だった人がいた。せっかくなので後でひとりで焼いてみてください、ということになって、その方が炉内にマシュマロを突っ込んでおられたのだが、なぜか悲鳴のようなものが聞こえて振り返ると、マシュマロがメラメラと炎をあげて燃えていた。
どうやら燠に近づけすぎたようだ。
マシュマロは意外と容易く発火するので、室内で焼きマシュマロをするときは、注意してください(笑)。
ちなみに結構勢いよく燃えていたので息を吹きかけたくらいでは消せなかった。
あまりに衝撃の展開に、画像を撮り忘れたのが悔やまれる。
2.薪ストーブでパンを焼く
何回も焼いた薪ストーブピザは、いつもとても美味しくて、また食べたいなぁという気持ちになるのだが、パンは焼いたことがなかった。
とある深夜、いつものように薪ストーブピザを作ったあとでピザ生地とトマトソースが残ったので、奥さんがトマトソースとベーコンを巻き込んだパンをおもむろに焼き始めた。
炉内はすでに燠だけになっており、ピザ用の台の上にパンを置いて焼いたら、下の方がやや焦げ始めたので、生焼けかもしれないけど、とりあえず取り出して次の日まで置いておいた(らしい。というのも、僕はお酒の飲みすぎで早々に寝てしまって、この辺りのくだりは知らないからだ(笑))
さて、次の日、生焼けかもしれないと不安に思いながら切ってみると、中までしっかり火が通っている。
パッと見は美味しそうだ。
で、実際の味はどうだったかというと、普段焼いているホームベーカリーのパンとは比べ物にならないくらい美味しかった。
薪火で焼いたパンは、ここまで美味しくなるのか、とかなり驚いた。
さらにその次の日も残りを食べたのだが、いつまで経ってもパンの美味しさは変わらなかった。
焼き立てではないパンにここまで感動することはなかなかないと思う。
いろんなバリエーションのパンを焼いてみたい。
3.リンゴのカスタードタルトを焼く
おいしい生クリームが手に入ったので、リンゴのタルトを(奥さんが)作ることになった。
せっかくなので、オーブンレンジではなく薪ストーブで焼いてみようということになった。
タルト生地から手作りだ。
うちの奥さんがせっせと作っていて気づいたらここまで出来ていた(笑)。
さて、ストーブの炉内に充分な燠をためて、温めておく。
そこに耐熱ガラスにすっぽり入れたタルトを置く。
サイズがギリギリだったので焦った。これより大きい耐熱皿は入れられないな。
で、もちろんドアを閉めて、しばらく様子を見る。
普通のオーブンだと40分ぐらい焼くみたいだが、薪ストーブはなんせ熱量が比べ物にならないくらい高い。
20分ぐらいで、いい感じに焼き目がついてきた。逆に言えば、時々チェックしないでレシピ通りの時間で焼いていたら、黒こげになっていた可能性もある。
この辺は、慣れだろう。
完成したタルト。
生クリーム仕立てのカスタードが絶妙だった。
せっかくなので、薪ストーブの炎を見ながらいただく。
夜なのでスコッチウイスキーと一緒に食べた。うまいに決まってますね(笑)。
4.薪ストーブの天板で遊ぶ
ネスターマーティンS33は、重量150kg。
中型ストーブの部類に入る。
大型のものと比べると、天板はそれほど広いわけではない。
しかし、ご覧の通り、大きめの鍋や土鍋も含めて5つも、鍋ややかんを乗せることができる。
これはある日の晩御飯の準備をしているときの状況だ。
上から見るとこんな感じ。
まさしく、所せましだ。
やかん二つは湯沸かし。
寸胴鍋は加湿。
蓋のついた鍋は晩ごはんのおかずだ。
えっ?撮影用(ブログ用)にそこら辺の鍋や土鍋を適当に置いただけじゃないのかって?
そ、そんな馬鹿な・・・
では鍋の蓋を開けてみよう。
鍋の蓋、オープン!
ほら、味のしゅんだ二日目のおでんと、水から置いておくだけで絶品の湯豆腐だ。
そろそろ食べ頃かもしれない。
湯豆腐には、畑で採ってきたネギとおろし生姜、そして自家製の柚子ポン酢をたっぷりかけていただく。
お酒は、加湿用の寸胴鍋のなかに銚子をいれて燗にした熱燗が素晴らしくマッチした。
天板は楽しい。
常に使い放題の熱源を手にしているようなものだ。
そこで温めた料理は、電子レンジで温めたものよりずっと美味しく感じるし、電気代もゼロだ。
冷やご飯も天板で蒸して温めるし、味噌汁やおでんなんかはお手のもの。
今度は栗を焼いてみようと画策中。
ところで、鋳物製の薪ストーブは天板があまり熱くならないので、お湯がグラグラ沸かない、という事が薪ストーブ選びの時にいつも気になっていた。
天板が熱くならないと、上に書いたような天板ライフは送れないんじゃなかろうか、と。
実際どうだったかというと、半分当たっていて半分は外れていた。
普通の鋳物の天板部分だけでもお湯は熱々になるし(お茶を入れたりするなら熱すぎるくらいに熱くなる)、煮物は結構しっかり温まる。
そういう意味では、鋳物製の薪ストーブでもしっかり天板を利用できる。
しかし、やはり鋳物部分は温まるのにも時間がかかるし、野菜を蒸したり、フライパンを置いてソーセージを焼いたり、とまあそんなことをするのはちょっと難しく感じる。
できなくはないけど、ちょっと辛気くさいのだ。
スローライフとはいえ、あまり時間がかかりすぎては興ざめだ。
だから、天板をフル活用したい向きには、やはり天板がシングル構造の薪ストーブや、鋼鉄製の薪ストーブ、もしくはクッキングトップ的なものがついていて高温調理可能なものがおすすめだと思う。
なくてもいいけど、あるとなんとなく楽しい。とても嬉しい。高温になる天板はそんな存在だ。
天板で遊ぶのに最適な薪ストーブを少しだけ紹介する。
まず、鋼鉄製の薪ストーブは例外なく熱くなるようだ。
シングル構造の鋳物製の薪ストーブでは、コンツーラのヤンソンやドブレの700SLなどがある。たぶんもっと色々あると思う。
そして、シングル構造ではないけど、クッキングトップ的なものがついている(もしくは)薪ストーブはヨツールのF500、あとハースストーンのストーブなんかも高温になるクッキングトップがつけられる。
国産のアグニなんかも、バリバリの天板コンシャスな薪ストーブだ。
もちろん、我らがネスターマーティンもBトップ仕様にすれば、夢の天板ライフが約束される(笑)。
忘れてはいけないのは(まあ誰も忘れないとは思うけど)、天板で遊ぶなら、ウォーミングシェルフまである、アンコールやディファイアントがなんといっても一番楽しそうだ。
これだけは悔しいけど、否定しようのない事実だと思う。しらんけど。
薪ストーブ始生代・総集編⑦「茶畑山での作業が一通り終わった」
1.巨木の根本を玉切りしていく
茶畑山での作業も大詰めだ。
今回は山の斜面からユンボで広場に引きずり出された倒木の中でも、最も太い木の根本の玉切り作業だ。
2本の太い幹が重なっている根っこの部分だ。始めは、2本が根本で結合されているのだと思っていたが、実際に切ってみると1本ずつ切り落とすことができた。
太い方は、チェーンソーの35㎝のバーが向こうまで届かない太さだ。40㎝くらいあるだろう。
そして残っている細い方も30㎝弱はあるだろう。
切り落としたときのゴロン、という転がり方に少し恐怖心が芽生える。
やれやれ、足元に転がったら、足指を骨折しかなねないぜ。
太い方に続いて、細い方もスパッと切り落とす。
見事に2本がくっつきあったまま大きくなっていったのだろう。断面が美しい。
太い方をさらにもう1回玉切りする。
バーが届かないので、両サイドから何度も慎重に刃を入れていく。
そして、また恐怖のゴロン。
根本に近づくにつれて、直径も重さも増し増しになっていく。
ここまで切ったところで、太さ的にもそして下で支えている土台の都合もあって、一旦このまま置いておくとこになった。
おそらくここからは、両サイドから切っても刃が届かない恐れもあって危険なので、玉にせず、少しずつサクにして切っていくことにしよう。
半円や扇型の破片を切り出して、少しずつ薪にしていけばいい。
さて、あとは広場に残った切り残した普通の原木(といってもかなりデカイが‥)をジャッキで持ち上げて楽々玉切りだ。
はい真っ二つ。
これだけの太さと重さの玉なら、かなりの量の薪が作れるだろう。
こういうものを見ると、早く薪割りがしたくてたまらなくなる。
さて、茶畑山での作業はあと本当に少し。
細くて長い、枝類の処理と、斜面に残ったごん太の原木の処理だ。
2.焚き付け作りも同時進行
倒木には、太い幹もあるが、当然のように細くて長い枝が非常にたくさんある。
太い幹と比べると、細かい作業になるのだが、それでも焚き付けや腕薪として立派に燃やせるのだから、そのまま打ち捨てるのはしのびない。
利用できるものはすべてしっかり利用するのだ。
さて、広場に残った枝類は現在こんな感じだ。
それなりに太い枝もあるが、嫌になっちゃうくらい細かい枝もちらほら。これらを玉切り用の馬に乗せて、サクサク切っていく。
太いものはそのまま腕薪に、細いものは焚き付け用だ。
これはうちの奥さんが作業をしたもの。
これを見ていると、昔食べた「小枝」というチョコレート菓子を思い出した。
どんどん切っては、一輪車で運んで、広島の一角に積んでいく。
更に切っては積んでいく。
まだまだ積んで積んで積みまくる。
いやはや、日もとっぷり暮れてきて、ぐったり疲れた。この場所に木をかためたので、それ以外の場所は、ほとんど片付けた。
きれいに何もない。
あとは、最後に残った一番奥の斜面の長尺の原木だけだ。
3.斜面の倒木を玉切り
茶畑山を片付けていて、最後の最後まで残った原木。
傾いたくぬぎを斬り倒して120㎝~160㎝の長さに切った状態で放置していた。
いかんせん、木自体が太めで、重く、しかも足場の悪い斜面に転がっていて、動かしにくかったのだ。
軽トラではアクセスできない、少し遠目の場所にあったのも、後回しになった要因だ。
まあ、とにかく40㎝の長さに玉切りして、広場まで持って降りよう。
これはちょっと分かりにくいが、上からチェーンソーを入れて、転がしたもの。
ここに下からチェーンソーを突っ込んで、いわゆる「突っ込み切り」というのをする。
地面についた原木を上からそのまま切り落とすと、刃が土を切ることになってしまう。
さりとて、ジャッキであげるには、短い、そして足場も悪い。それに仮にジャッキで上げても、原木も短くて、つんのめるような上がり方しかしない。
ここはひとつ、教科書にしている「薪ストーブは燃えているか」のblogで覚えた、玉切りの方法を試してみよう。
チェーンソーは土を切ると、あっという間に刃こぼれをする。
しかし、原木がものすごく重いと、持ち上げるのすら困難だ。
ある程度長さがあれば、ティンバー
ジャッキで上げればいいが、今回はそれもやりにくい。
「突っ込み切り」は見えない場所にバーを文字通り「突っ込んで」上に切り上げるので、慣れないうちは結構怖い。
しかし気がついた斜面に、くぬぎの玉川上水、ではなくて、くぬぎの玉がゴロゴロ出来上がっていた。
斜面の下から見上げるとこんな感じ。
自画自賛だけど、なんかちょっといい絵だ(笑)。
斜面から切り出してきた玉は全部でこれだけ。40玉弱くらいだろう。
ああ、腰、いた。
4.茶畑山での作業が一段落した
10月23日に日本を襲った台風。
その、強風は僕の住む集落に、過去に40年、村人たちにもあまり記憶がないほどの被害をもたらした。
山で、神社で、畑で、木が何十本、何百本と倒れた。
そのうちのほんの一部だが、切って薪として有効活用させてもらえることになったので、あちこちに出向いて木を切っている。
そのなかでも、最大級の規模なのが、茶畑山のくぬぎの倒木の片付け作業だ。
この間、ずっとブログに書き続けてきたが、とりあえず今回が完結編だ。
いろんな場所に運んだり置いたりしたので、全体の量がいまいち、よくわからない。
現在集まった木の全体像を載せてみる。
まずは、上の斜面から次々と倒木が倒れこんでいた広場。ここはいまこんな状態だ。
細めの枝も全て馬で切った。
一番太い根っこの部分だけ、宿題として残ったが、それ以外は全て玉にした。
しかどこから這い出してくるのか、まだどんどん増える枝類。
と、斜面から切り出してきた40玉も奥に見える。
この場所は、2ヶ月前はこんな様子だったのだ。
あちこちに倒木が倒れ、
混沌としていた。
そこから毎週末、そして平日の午前中も晴れていれば出向いてひたすら片付けていた。
そして、ここまですっきりきれいになった。
やれやれ。
しかし、倒れていたたくさんの木を思うと、ずいぶん玉の量が少ないような気がするかもしれない。
実は頃合いの大きさの玉は全て別の場所に運んだのだ。
まずは第二薪場。
ここには相当の量の玉を運び込んだ。
こんな感じで積み上げて。
2列になっていて、この後ろにはさらに、
後列がこうなっている。
いやはや、相当のボリュームだ。
そして、ボケ玉も多数。
実際にはこの倍の量のボケ玉をここに運び込んでいる。
さらに、自宅にも運んだ。
圧巻のくぬぎ玉の壁だ。
このような壁は、ベルリンの壁同様、早急になくしてしまわないと駄目だ。早速薪割りを開始しよう。
さて、1ヶ月半以上かけて、これだけの玉が集まった。茶畑山での作業はこれで一応安心。年を越せる。
しかし、まだ、あちこちで声をかけてもらっている。神社にもまだ大量の倒木がある。
これだけの台風の被害はそうそうないし、また、あって欲しくもないので、今は可能な限り木を集めようと思う。
おまけ:薪活で筋トレ
11月から1ヶ月半ほど、くぬぎの倒木を片付けて玉切りして薪場に運ぶ、という作業をしていた。
まあ、ハードと言えばハードだったが、なにせ喉から手が出るほど欲しかった薪がうなるほどあるのだ。
テンションがあがったまま、毎週のように山へ通い、せっせと作業をした。
始めの頃は、あまりの膨大な倒木の量と、その倒れた場所のややこしさに、
「果たして作業が終わる日は来るのだろうか」
と真剣に心配したりしたのだが、週に3回、多いときは週4で通いつめ、気がつくとほぼ作業は完了した。
そして、1ヶ月半ぶりに体重計(体組成計)に乗って驚いた。
毎晩、お腹がすくので、結構好き放題食べていたのだが、明らかに減量して、身体が変化しているのだ。
特に奥さんの変わりっぷりが驚きだった。
<僕>
体重 マイナス1.8kg
体脂肪率 マイナス2.7%
骨格筋率 プラス2.5%
<奥さん>
体重 マイナス1.5kg
体脂肪率 マイナス6.7%
骨格筋率 プラス5.2%
うーむ。すごい。
体重こそ、それほど落ちていないものの、体脂肪率がガクッと落ちて、筋肉量が明らかに増えている。
身体が変化していることが数字にはっきり表れてるじゃないか。
うーむ。すごい。
これから5トンだか10トンだか分からないが、怒濤の薪割りが始まる。
しかも、あと3ヶ所、別の場所で木の片付けがまだ控えている(といっても、全て村内だが)。
この数字を維持しつつ、さらに身体を鍛え上げ、その勢いで心も鍛練したい。
薪割りは、邪念が消えて、精神が整う気がする。きっと薪割りセラピー的な効果もあるに違いない。
どんどん割ろう。