薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブ原生代45 薪は足りたのか?シーズン2

2018年―2019年シーズンが終わった。

まだ寒い夜があるかもしれないが、この春はおそらくもう焚くことはないだろう。

いや、焚きたくて仕方がない時もあるけど、こういうことはメリハリが肝心だ。

やがて来る暖かい(そして暑い)季節をたっぷり堪能しつつ、来シーズンを待ち焦がれるのだ。

うん、そうしよう。

 

というわけで、先日、今シーズン最後の焚き付けを行った。

 

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最後ということで、おそらく乾燥しているはずのコナラとクヌギをダブルで使って、贅沢な薪タイムを過ごした。

いまだ、ほとんど焚いた経験もないコナラとクヌギ

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最後の贅沢、と思ってガツンと焚いたら、圧倒的なその火力に部屋が暑くなりすぎた(笑)。

4月にコナラとクヌギのダブル焚きは、あからさまにオーバースペックだった。

暑すぎる部屋で、晩酌のお供はたらの芽の天ぷらだ。
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ビールがうまかった。 

 

さて、シーズンの終了を宣言したということは、今シーズンに使用した薪の量を把握する恒例の企画、「薪は足りたのか?」をお送りしよう。

 

今シーズンは、暖冬傾向だったので消費量が少ないか、と思ったけど、3月に思いの外たくさん焚いた気がする。

 

まず、この針葉樹薪棚。
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杉とヒノキ中心の2立米。

クヌギのボケ薪も一部含まれていたが、それを年内に綺麗に焚きつくした。

 

そしてこの急造仮設薪棚。
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前後2列ある。
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これが全部で2立米弱。

樹種はクヌギのボケ薪がメインだ。

ボロボロになったボケ薪が粉を吹いたりして、あんまりきれいなものではなかったけど、まあまあ暖かく焚けた。

こいつらを焚き終わったあたりで2月が終わった。

 

「やれやれ、これでこの冬も終わりかな?あんまり焚かなかったなぁ」と思ったものの、そこから油断していたら結構3月が寒くて、もう少し薪が必要だった。

で、この薪棚に手をつけ始めた。
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シーズンの終了を宣言した時、ここまで減っていた。
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ちなみにこの薪棚のうち、↓の赤丸で囲った部分はあとで補充した薪なので、実際はこの場所にあった薪も焚いた。
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だから、3月にもかなり薪を消費したことになると思う。ちなみにここの薪棚の樹種はヒノキと名も分からない雑木と、そして、一部ボケていないクヌギも焚いちゃった。

 

つまり、赤と青で囲った以下の部分の薪が、3月と4月に焚いた薪、ということになる。
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1立米以上はあるだろう。クヌギは恐ろしく澳が長持ちした。いつか、クヌギのことを詳しくレポートできる日も来るだろうけど、ほんの十本程度のクヌギの薪では、何かを語るには時期尚早だろう。

 

ともあれ、これら消費した薪を全て足すと5立米くらいになるだろうか。

 

去年はこんな感じだった。薪ストーブ始生代103 薪は足りたのか? - 薪ストーブクロニクル

歴史的な寒い冬、6立米の薪を焚いた。

 

今年は暖冬傾向でだいたい5立米。

 

まあ、こんなものかな。

 

焚き終わった炉内に残っていた灰で、わらびのあくぬきをした。
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また半年後。

来シーズンはどんな樹種の薪をどれくらい焚くのだろうか。

 

 

オフグリッド入門⑤ 電子レンジのない世界、太陽でライトを灯すソネングラス

電子レンジとテレビを手離す

先日書いたことだが、電気代を削減するために、電子レンジを要る人に譲って、テレビも基本的には観ない、ということが家族会議で決まった。

オフグリッド入門④ 電子レンジとテレビを手離す - 薪ストーブクロニクル

 

電子レンジはすでにお嫁に行った。3月末のことだ。

テレビは、映画などを観るために置いてあるが、コード類は全て抜いてしまった。

せっかくBSであの伝説の朝ドラ「おしん」の再放送が始まったというのに、観られないわけだ(笑)。

 

さて、それから半月。

いや、まだ半月なんだけど、ついこの間来た某電力会社からの電気代の請求書を見てびっくりした。

なんと3月分が2000円だったのに、4月は1300円まで急下降しているじゃないか。

 

1ヶ月の使用電力量は55kwとこの家に住み出してから最低の数値を叩き出した。

 

なんと、電子レンジ恐るべし。単純に比較はできないが、24時間動き続けている冷蔵庫と同じくらい電力を消費していたということか。

確かに、その便利さは半端ではない。

温めや解凍など、手間がかかる調理作業の時間を劇的に減らしてくれるし、忙しい朝も、電子レンジさえあればなんとかなることが多かった。

クックパッドに載っているレシピなど、電子レンジの無い家庭では作れるものがないんじゃないかというくらい、電子レンジの登場頻度が高く、巷では電子レンジでチンすることは「レンチン」で通るほど定着している。

極論すれば、調理器具が一切なくても電子レンジさえあれば三度の飯に困らない、というのが我々が生きているこの現代社会なのだ(笑)。

 

そしてすべての便利なものには、その便利さの対価を支払わなくてはいけない、という側面がある。

まず、電子レンジは「超便利」だけど、「超おいしく」はない。

便利さを追求する過程で、手間をかけてこそたどり着ける本当のおいしさを完全に放棄してしまっているように、個人的には思う。

まあ、味覚に関しては絶対的な基準があるわけではないので、それはさて置こう。

電子レンジがその便利さの対価として支払わなくてはいけないものは・・・。

 

電気代だ。

 

なーんだ。当たり前ですね(笑)。

 

しかし、考えてみれば、日本中で毎日毎日電子レンジが延々と使われているわけだ。

もちろん、我が家でも頻度はともかく、毎日使っていた。

便利で時短で、使うのが当たり前だから、みんな使っている。

無い生活なんて考えられない?

意外となくてもいけるかもしれない、それを実験してみている。

 

そして、半月でいきなり結果が出た。

 

いやーさすが電子レンジ。

 

なにも、節電自慢がしたいわけではない。

ただ、ライフラインを権力に委ねたくないだけだ。

電気を、ガスを、水道を、なんとか、毎日普通に楽しく暮らしながら、自分の手に取り戻したいぞ、と思う。すこしでも依存度を減らしていく過程で、色んなことが見えてくるはずだ。

大袈裟に言えば、今始めている節電が、徐々にライフラインの自立に繋がり、それがやがてオフグリッドな暮らしへと繋がっていくだろう。

 

ソネングラス登場

さて、そんな中、面白いアイテムを見つけた。

南アフリカ共和国で作られているソネングラスというものだ。

詳しくは↓

ソネングラスジャパン公式サイト – ソネングラスジャパン公式ウェブサイト

 

簡単に言えば太陽光で充電するランプのようなものだ。しかし、製品の考え方にいたく共感して、ひとつ注文してみることにした。

 

家に届いた瞬間から早速充電。
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晴れの日に1日充電すれば、12時間点灯するらしい。かなりの性能だ。
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夕方の数時間、なるべく太陽と垂直になるように充電して、その日の夜に早速使ってみた。
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瓶のなかに何か入れるのがトレンドのようなので(笑)、カエルのフィギュアを入れて点灯してみた。

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想像以上に明るかった。

 

これは一人1台持っていれば、夜に電灯をつける頻度が激減するんじゃなかろうか。

読書灯に最高だし、防水なので入浴にも使える。

普段から夜の灯りは暗めなので、特別灯りが必要なとき以外は、これひとつで夜を過ごすことも可能だ。

というか、トイレに行くにも燭台を持っていくみたいな感じがまるで19世紀に戻ったみたいで、ワクワクしている自分を発見した(笑)。

 

とにかく、この未知数の能力を秘めているであろうランプと、電子レンジの無い生活でいったいどれくらい電力会社の電気への依存を減らせるだろうか?

 

現状で、電子レンジは完全に手放し、テレビはほぼ全く観ていない。

 

我が家の電化製品は冷蔵庫、洗濯機、掃除機(使用頻度低い)そしてラジオやオーディオ類だけだ。

太陽光の力を借りて電灯もなるべく使わないようにしたら、いったいどれくらい節電できるだろうか。

 

さらなる実験がスタートだ。

誰かの思惑になんて踊らされるなよな

全てのものごとには誰かの思惑が隠れている。

テレビにおけるニュースのチョイスやコメント一つとっても、巨大な企業の思惑を無視することはできない。

戦争だって、ほとんど思惑の塊のようなものだ。ただ単にお金儲けの手段に人殺しを利用しているにすぎない。

気候変動すら、そこには思惑が見え隠れてしているかに思える。

 

しかし、全ては浅はかで、豆粒のようなものにすぎない。

思惑のほとんどは金儲けに帰着する。

金儲けの行き着く先は、遅かれ早かれ、そしてどれだけ美辞麗句で覆い隠したとしても、やがてエントロピーが増大して破滅に至るだけだ。

これってたぶん、それなりにきちんと歴史を勉強したら誰でも分かることなんじゃないかと、偉そうにもおもっちまうわけで。

 

さて、そんな思惑にまみれ、思惑で溢れかえったこの世界にも、誰の思惑とも無縁の物が存在している。

その一つが薪ストーブの炎だ(ってやたら大袈裟な事を散々並べといて、それが言いたかったのかい)。

 

薪ストーブの炎の形は、融通無碍だ。

誰の思惑に縛られることもなく、そのときの薪と空気の加減に応じつつ、それに縛られることもなく、自由に形を変えていく。

 

空に浮かぶ雲のようだ。

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今日の空は春霞か。雲の占める割合も多い。

 

またある日の空にはマグリットが描いたようなちょっと変な形の雲。

その春の呆れるくらい青い空に幾何学的な線を引いては消えていくボーイングエアバス

鳥があちこちで鳴き、山の緑の中に絵の具が飛び散ったようにピンク色の山桜が点在している。

 

薪ストーブの世界は、もちろん人為的な、そして工業的な側面も多分にあるんだけど、それでも、薪を集めて割るという極めて原始的な作業も、その炎の移ろいも、なんとなく融通無碍な世界に通じている気がする。

誰の思惑とも関係なく、ただ自分の部屋を暖めるというささやかすぎる目的のためにひたすら汗をかき、労働する。

鳥が巣を作ったり、蜂が花の蜜を集めるのと変わらない、シンプルな活動だ。

自分が一寸の虫になったかのような、仏教的な境地。

もちろん、雑念だらけの僕にはまだまだ遠い道のりだけど、それでも、そんな仏教的な、ニルバーナ的な境地に少し通じるような気がする薪作りのそんなところに、尽きせぬ魅力を感じる。

 

誰かの思惑のために、誰かの金儲けのために踊らされて、スポイルされる人生を送るくらいなら歯を全部抜いた方がましだ、っていう歌が昔ありましたね(笑)。

 

さ、今日も帰って薪を割ろうっと。

薪ストーブ原生代44 椎、欅、榎、桜、そして樫の玉切り

ムスカリが咲いている。

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というか、このブドウのような目立つ花、ムスカリというらしい。知らなかった(笑)。

ここのところ、砂金に取り付かれたガリンペイロのようにコナラ集めに取り付かれていたので、その他の樹種にあまり触手を伸ばしてこなかった(樫は別だ)。

 

とにかくコナラだ、コナラ。コナラを持ってこい。コナラ以外は薪じゃねえ、みたいな不遜な態度でコナラ集めに狂っていたわけだ。

しかし、このほど、薪棚を一面コナラで埋め尽くすプロジェクトが完成して、コナラ病が落ち着いた。
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まあこの前面で2.5立米ほどなので、たいした量ではないけど、それでも薪棚全面がコナラだとなかなか壮観だ。

 

さて、コナラ病が落ち着いてみると、他の職種にもまた目が向くようになってきた。

 

なんと、人間とは現金なものだ。

 

で、そんな折りに入手できたのが、椎、欅、榎、桜、樫の各種原木だ。
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午後から雨が降るというので、午前中にせっせと玉切りをした。f:id:akagestoves:20190414210430j:image

樫はおなじみ、硬くて重い人気の樹種。ビッグスリーの一角だ。

だが、それ以外の樹種は久しぶりに貰ってきた気がする。

 

①椎

まず、椎(しい)。

椎については、僕の愛読しているこのブログでよく登場する樹種だ。この記事に詳しい。薪の火持ち検証【椎】ツブラジイ - 薪ブログ

椎についてここまで熱く語る男が他にどこにいるだろうか、いやいない(反語)。

代表的な椎が三種類ある、ということまで書いてある。しかし、僕が貰ってきた椎は、たぶん椎だろう、ぐらいで、詳しいことは不明。樫に似ていて「やった、樫だ」と思ったら、伐って持ってみると「あれ、軽い」「なんだ椎か」という「ぬか喜びの椎」で通っている。

熱い思い入れがなくてごめんなさい、firewoodblogさん。

乾燥が早くて、取り回しが楽という、すばらしい長所もあるので、侮りがたい。・・・だぞ!

 

②欅

次に欅(けやき)。

欅は比重も高くずっしりと重い。

と記憶していた。

かつては割りにくい樹種の代表選手だというイメージから、欅の薪割りを恐れもした。

昔こんな記事も書いてた。

薪ストーブ前史・総集編⑤「けやきは割りにくい?」 - 薪ストーブクロニクル

めっちゃ懐かしい、思い出の樹種だ。

しかし、重いイメージだった欅だが、ここのところ散々樫やコナラばかり運んでいたせいで、「あれ、こんなもんか」という肩透かしな重さだった。もちろん重いことは重いのだけど。

そして割りにくいかどうか、結局よく実感できていないので、今回またじっくり薪割りをして、欅の割りにくさの度合いをアップデートしたいと思っている。

 

③榎

榎(えのき)。

ヨノミ、ともいうらしい。

よく古い集落に榎の巨木がどーんと生えていたりする。

少し神聖なイメージがある。

そして、前持って帰ってきたときはえらく割りにくかったイメージもある。

少しだけだが、今回もいただけたので、肩を痛めない程度に薪割りを頑張ろう。

 

④桜

さて、久々の桜田淳子

じゃなくて久々の桜だ。

桜も、薪集め初期の頃に結構割って楽しんでいた、思い出の樹種だ。とても懐かしい。

こんな風に集めて割って、

薪ストーブ前史⑭桜の原木をもらう - 薪ストーブクロニクル

こんな感じでなくなった(笑)。

薪ストーブ始生代88 桜薪、全滅す - 薪ストーブクロニクル

 

今回も結構な量の桜だ。といってもソメイヨシノではなく、ウワミズ桜とミズメ桜だ。

これ、桜と言ってもいいのだろうか。

樹皮は完全に桜だが、ウワミズ桜はブラシみたいな変わったな花しか咲かないし、ミズメ桜に関しては樹皮が似ているだけで、実際は桜ではない。しかも、サロンパスの匂いがする変なやつなのだ。

まあ、いいや。

とにかく、割るのが楽であることを祈るだけだ。

 

それと、お馴染みの樫の木。

 

それらをひたすら玉切りした。

 

桜と椎は山小屋の塀にに置いてきた。
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欅、榎、樫はトラックに積んで、家の薪場に運び込んだ。
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毎日ぼちぼちとは割っているので、あと少しで全部割り終えるかなーと思っていたが、玉のおかわりだ。
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ふむ、またぼちぼち割っていこう。


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薪ストーブ原生代43 エネルギー垂れ流しと薪のパワー

薪ストーブの季節が終わろうとしている。

あと少し、焚いたり焚かなかったり、という日々がしばらくは続くはずだ。

しかし、やがては季節が変わり、薪を焚かなくなる。うーん。色々思うことがある。

 

ちなみに、季節の移り変わりを感じさせる画像を一枚。
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これは雪男が運転をしているところ...

ではなく、うちの犬と車で花見をしているところだ(笑)。

 

さて、本題に戻ろう。

この時期は、薪のエネルギーのありがたさを特に実感する。

なぜかと言うと、焚かない日は薪エネルギーを利用できず、ガスや電気をいかに垂れ流して使っているかを痛感せずにはいられないからだ。

 

不完全とはいえ、オフグリッドな生活を始めると、日々のエネルギー消費に敏感になる。

ガスや電気や水は、無料ではないけれど、普通に使っていてもさほど高くないので、以前はさほどその消費に意識が向かなかった。

しかし、自分でエネルギーを創るとなるとそうはいかない。

 

夜に温かいお風呂に入るためには、一日たっぷりの太陽が屋根に載せた温水器に燦々と降り注ぐ必要がある。

真冬に暖かい部屋でぬくぬくと過ごすためには、木を伐って玉切りし、斧で割って棚で1年以上乾燥させる、という途方もない労力がかかる。

 

無駄遣いなんて、考えられない。

エネルギーは大切に使うのが、当たり前になる。

 

そして以前の暮らしを省みて、なんとエネルギーを垂れ流していたんだろう、と忸怩たる思いにかられる。

 

何が言いたいか?

 

いまさらエコでもないだろう。

 

ただひたすた単純に、自分で作り出したエネルギーで暮らすことに魅了を感じる。

なんつう充実感。

 

おそらくこれが「生きる」ということなのだろう。そんな大袈裟な気持ちになる。

 

無尽蔵にあるものに、誰もありがたみなど感じない。

そして、当たり前だけど、電気もガスも水も、無尽蔵にあるようだけど、実際は無尽蔵なわけがない。

 

やっぱりエネルギーを垂れ流す暮らしはどこかで破綻を来すだろう。まあ、それはいい。

それより、自分で作り出したエネルギーを大切に使いながら暮らすことは、言いようもなく魅了的だ。

 

さて、そこで我らがオフグリッド生活のフラッグシップ、薪ストーブの登場だ。

薪ストーブで作り出せるエネルギーってなんぼのもんじゃい。暖房だけやろ?って突っ込まれそうだが、焚かない日が出てきて始めて、こんなに薪エネルギーの恩恵を受けてたのかーと思いを新たにしたわけだ。

つまり、電気とガスの両方の仕事を薪ストーブに担ってもらっていたのだ。

 

まず、当然のように湯沸かし。

そして、電子レンジの代わりに蒸し器を天板に置いての、ごはんやおかずの温め。

そして、汁物やカレー、ゆで卵にゆで野菜などのガス調理の代わりまで。

ガスを全く使わずに晩ごはんができる日もあったのに、ストーブを焚かないこんな夜は、あれもこれも全部ガスをゴーゴー使って調理せざるを得ない(電子レンジはもうないからね)。

 

ガスが悪いというより、こんなにもガスをじゃぶじゃぶ使って調理してたんだーと思ってしまったのだ。まるで稲垣えみ子さんのように。

 

プロパンガスに入っているガスはどこからきてるんだろうか。

と、調べてみたら、サウジアラビアUAEからの輸入で全体の6割を占めているらしい。

わざわざそんなところから冷やして液化させてタンカーでえっちらおっちら運んでくるわけだ。

なんと贅沢な。本来は無尽蔵に使えるわけがない。

我が家の薪なんて、軽トラで5分の場所から伐り出してくる。近さだけなら、ダントツだ(笑)。

 

でも、暖かくなれば、どのみち薪ストーブは使えない。

あと少し。

なんとも寂しい。

 

しかし、春の暖かさは大歓迎だ。

贅沢なプロパンガスを大切に使いつつ、春の陽気の中で薪割りにいそしもう。

薪ストーブ原生代42 焚かない夜がやってきた

今シーズンは10月の終わりごろに初焚きをした。

薪ストーブ原生代⑯ 馴らし焚き - 薪ストーブクロニクル

薪の消費量を懸念して遅焚きを目指したのだが、11月に足を踏み入れるまで我慢できなかった。

 

さて、それからというもの、暖冬暖冬と世間が騒ぐなかでも着実に毎晩薪をくべ続け、極寒の時期は当然朝も焚いて、のんびり休みの日は24時間焚き続けた。

焚けない特別な事情がない限り、初焚きからこのかた、夜の焚き付けをしなかったことは一度もなかった。f:id:akagestoves:20190406114416j:image

しかし、念願だったコナラの薪割りもほぼ終わり、四月の遅れてきた寒波をくぐり抜けた先に、春が来ていた。f:id:akagestoves:20190406114544j:image

桜の花が少しずつ咲き始め、夜でも室温は19℃。ついに焚かない夜がやってきたのだ。

お風呂上がりにストーブが着いていなくても、震えるほど寒くはなくなった。

とはいえ、「花冷え」なんて言葉もある。もちろん、まだ冷える晩もあろうから、まだ焚くことはあるだろう。シーズン終了を宣言するのはまだまだ先になると思う。

しかし、焚かない夜がやって来たというのは、かなり大きな事実だ。

 

その焚かない夜が来る前の晩には、受け口薪を焚いた。
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受け口、つまり、木を伐倒するときに倒す方向に向けて切る部分のことだ。
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ゆで卵のようだ。
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この受け口を作ってから、後ろから追い口をチェーンソーで入れて木を倒すのだが、その時に出たこの受け口が薪に良さそうだったので持って帰って来た。

 

ちなみにこの受け口はプロの林業家が切ったもの。これくらい迷いのない受け口が作れるようになりたいものだ。f:id:akagestoves:20190406115329j:image

それを燃やす。

燃やす。

実によく燃えた。

 

この時も、天板には、その薪エネルギーを惜しむかのように大量のなべやかん
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いやー本当にありがたかった天板ライフ。

このエネルギーがこれからしばらく使えないと思うと、悲しい。

おそらく5月から10月は焚かないだろうから、約半年間のお別れ。

 

名残を惜しみつつ、あと少し、焚くときはその一日一日を大切に焚いていきたい。

薪ストーブ原生代41 コナラの薪割り。コナラの薪棚。

4月に入ってまもなく、寒波襲来。

雪解けを楽しんでいたはずの山は、またしても真っ白に。
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思わぬ雪で、仕事が休みになった。

神の恵みだ。

 

さて、コナラ病にかかり、まるで取りつかれたようにコナラを集めまくっていたこの数ヶ月。

とはいえ、我が家の周辺ではコナラはあまり見かけないので貴重な樹種ではある。

おいそれとは手に入らなかった。

 

人間誰しも無い物ねだりが悲しい性だ。

なかなか無いとわかれば、なおのこと欲しくなる。

で、かき集めた。

それだけに飽きたらず、ひとつの薪棚の壁一面をコナラで埋め尽くしてみたいという、薪ストーブユーザーにしか理解できないであろう、無邪気な願望に取りつかれた。

今回埋め尽くすのは、真ん中の薪棚、通称「薪棚1号機」
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ちらっとみると埋まっているように見えるが、それは奥の列。今回コナラで埋めるのはその薪棚の前列部分だ。

 

見えている部分さえコナラならいいのだ。なんせ見栄っ張りなもので。

 

で、割っては積む、という作業に没頭したいところだが、いかんせん、晴れの日の休みが全然なかったので、仕事終わりや出勤前にこつこつ割った。
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さらにこつこつ。
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あと一息こつこつ。
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いよいよラストスパートこつこつ。
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何?後ろの列の薪とかぶって分かりにくい?

 

では、どんな感じて増えていったか、ラインを引いてみよう。

 

①こつこつ。

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②こつこつ。
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③こつこつ。
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④こつこつ。
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見事にコナラで埋め尽くすことができた。

なお、薪棚1号機は左右の壁面の建屋強度に問題がみられたので、左右と真ん中を井桁積みにして、壁にかかる力を分散させることにした。
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井桁にすることで、空気の通りも良くなるし、乾燥も早まるだろう、知らんけど。

 

久しぶりの晴れた休みかと思いきや、午後から時雨れてきたが、もうやけくそで、濡れながら玉切り作業に移行した。f:id:akagestoves:20190402160509j:image

クヌギ、コナラ、樫のビッグ3揃い踏みの玉。

若干杉桧が混じっているのはご愛敬。

 

その他、細い腕薪はそのまま積んでおいた。
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いやーよく働いた。

玉切りと薪割りと薪運び。

しばらく薪活はしなくていいぞ。

というか、これから夏野菜の畑活が忙しくなるので、ぜひとも薪活に目処をつけておきたかったのだ。

終わってよかった。

 

おまけ

我が家の愛猫の水飲み器の台を、コナラで作った。
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アンニュイな表情からは、気に入っているのかいないのか、よく分からないけど、まあいいや。

 

いかに季節外れの寒波が襲来したとはいえ、薪ストーブシーズンもいくらなんでもあとわずかだろう。

シーズン終了宣言が出たら、今年の薪の消費量、つまり薪が足りたのか、という反省会をする予定だ。

 

それまで、今シーズンはあと少ししかない薪ストーブの温もりを思う存分楽しみたいと思う。