おすすめ薪ストーブメーカーランキングベスト30その②~世界各国の個性豊かな薪ストーブたち~
昨日に引き続き、独断と偏見に満ちた薪ストーブランキングの第二段。
早速20位から11位を発表していこう。
第20位 GLANCE(ヘルゴン社)
このランキング唯一の、南欧スペインからのランクインとなったヘルゴン社。
そもそも平均気温が比較的高い南ヨーロッパに位置するスペインは、太陽と情熱のラテン国家であることからも分かるように(?)、あまり薪ストーブという印象はないが、このヘルゴンというメーカーは、実に良質の薪ストーブを作っていることでよく知られている。特に鋳物の質には定評がある。
有名なところでは、アメリカのソープストーンを使った薪ストーブ会社「ハースストーン」の鋳物や耐熱ガラスも大西洋を越えてこのヘルゴン社が作っている。
実際、まだ薪ストーブについて何も知らなかった頃、知り合いの家にあったハースストーンのガラスに「HERGON」と書かれてあったのでてっきりストーブ自体がヘルゴンというメーカーの物だと勘違いした記憶がある。
さてそんなヘルゴンの薪ストーブ、GLANCE(グランス)は天板と側面の印象的なデザインが最大の特徴だ。特に側面のスリットの隙間から炎が見えるデザインは実に秀逸だと言わざるを得ない。
横のスリット部分の隙間から炎が見えるのが画像で分かるだろうか。鋳物のスリットとガラスを組み合わせるなんて、他のストーブでは見たことがない!地味だけど本当にユニークなデザインだ。
鋳物の質も高く、非常に良いストーブであることは間違いなさそうだ。
コスパ ☆☆☆☆
デザイン☆☆☆☆
機能性 ☆☆☆☆
さて、もっとオーソドックスなデザインの薪ストーブを希望なら、このE30シリーズはどうだろうか。
ま四角のガラスからじっくり炎を堪能できる、クラシックなデザインだ。こちらもヘルゴンの鋳物の質の高さが自慢だ。サイズ別に3種類のタイプがあり、それぞれE30-S,E30-M,E30-Lという名前がついている。
余談だけど、モルソーの7110に形がよく似ている。
↑モルソー7110CB。
薪ストーブについて色々調べていて気がついたのだが、ヘルゴンやモルソーなどにあるこの手のテレビジョン型薪ストーブは結構色んなメーカーが出している定番のスタイルのようだ。
ネスターマーティンのS33も基本的な部分は似ているし、フランスのアンヴィクタというストーブメーカーのモデナという機種も真四角のガラス窓が特徴だ。やはり、炎そのものをじっくり観賞したいという需要が多いのだろうか。
第19位 コーヴェ2(チャーンウッド社)
イングランド南部の海洋に浮かぶ島、ワイト島で生まれたチャーンウッドの薪ストーブ。1972年からストーブの製造を始めた、わりと新しい薪ストーブ会社だ。ワイト島は1970年に、60万人の観客を動員した史上最大の音楽イベントの舞台でもある。
さて、そんな
チャーンウッドの薪ストーブ、主力機はCOVE(コーヴェ)シリーズ。中でもコーヴェ2という中ぐらいのサイズのストーブが人気だ。
緩やかに湾曲した正面のガラスと縦長のシンプルなデザインが特徴だ。椅子に腰掛けたとき、ちょうど目線の高さに炎が来るように計算されているらしい。生産が始まったのが2005年と非常に新しい機種だが、オーソドックスなデザインと、手頃な価格で日本でも人気の高い機種と言える。
立ち上がりの早い鋼鉄製薪ストーブがメインなので天板が熱くなり、お湯が沸きやすいのも嬉しい。
コスパ ☆☆☆☆☆
デザイン☆☆☆
機能性 ☆☆☆☆
横長の薪ストーブが好みならアイランドシリーズ(ISLAND)がおすすめだ。
なぜ、海岸に据えられているかは不明だ(笑)。
観音開きの正面ドアは使いやすく、シンプルで使いやすい人気のデザインだと思う。それを飽きの来ないデザインだと思うか、物足りないと思うかはその人の好みだ。クセのないストーブが好みならきっと好きになるんじゃないかな、想像だけど。
鋳物製じゃないのも、好き嫌いが分かれるところだと思うが、とにかくコスパに優れていると思う。お手軽にクラシックストーブを導入したい人は要チェックだ。
第18位 フェデラルコンベクションヒーター(ダッチウエスト社)
世界で初めて触媒式薪ストーブを完成させた、歴史に名を刻む薪ストーブ会社だ。現在でも、日本の薪ストーブ業界のシェアの一角を占める著名なブランドとして君臨している。
ダッチウエストの触媒式薪ストーブの代表格フェデラルコンベクションヒーターは、しかしながらなかなか扱いが難しいことで有名だ。
実際にこの薪ストーブが置かれたモデルハウスで遊んでいた時も、なかなかうまく燃やすことができなかった。そして、持ってはいけないところを持ってしまって火傷してしまった。素人が説明もなく焚いてもうまく焚けない、そういうストーブだと思った。
函館の薪ストーブ屋さんのファイヤーピットさんのブログ「燠壺日記」にも「悩めるフェデラルコンベクション」というシリーズで、このストーブの難しさが綴られていた。悩めるフェデラルコンベクション 1 | 函館の薪ストーブ屋 ファイヤピット 熾壺日記
そして好みが分かれる独特のデザイン。『伝統』という看板をこれほどビシビシ感じさせてくれるストーブもまた珍しい。このデザイン、好きな人はめっぽう好きだし、苦手な人は徹底的に苦手。しかし薪ストーブは趣味性が非常に強いものだ。これくらいアクが強くていいんじゃないかと思う。ダンパー操作がうまくできるかは、自信がないが‥
コスパ ☆☆☆☆
デザイン☆☆☆
機能性 ☆☆☆☆☆(使いこなせれば)
触媒方式の薪ストーブを使いこなす自信のない人は、独自のクリーンバーン方式(リーンバーンという)を備えたエンライトをチョイスするといいだろう。
デザイン的にもアクが弱めで万人受けしやすく、使いこなすのも難しくない。炎もよく見える。エンライトスモール、ミディアム、ラージの三種類から選べる。
フェデラルコンベクションは薪ストーブの歴史に名を刻んだ名機だけに、避けて通るわけにはいかない。好き嫌いを越えて、歴史など色んなことを加味するともっと上位に来てもよいのでは、という意見もあろうかと思う。ただ、個人的には、うまく焚けなかった過去の体験と、そのアクの強いデザインと、炎を観賞するガラスがやや小さいのが気になって、この順位になった。
第17位 スカゲンSKAGEN(ハンターストーブ)
イギリス発のマルチフューエルストーブである。いきなりマルチフューエルとか言われてもよく分からないので調べてみると、「薪以外にも、石炭、コークス、マメタンなど様々なものを燃料にすることができるストーブ」とのこと。
石炭などを焚く機会はそれほどないかも知れないが、マメタンなどはホームセンターでも販売しているので使えたら便利だ。特に住宅地での使用を考えている人には嬉しい。なぜかというと、マメタンを燃やしても、煙や匂いがほとんど出ないからだ。ご近所からの目が気になる場合、薪を燃やすより気が楽だ。
下の画像は、ハンターストーブでマメタンを燃やしているところ。
また、背面と側面は対流式で表面が高温にならないのに、ストーブトップだけ輻射式になっていて、お湯がグツグツ沸いてくれるのも実にありがたい。
パーツを極力減らして、メンテナンスも容易であるうえ、価格もお手頃で、小型のストーブなのに40㎝の薪が入る、と申し分のない薪ストーブだと思う。
日本のユーザーが望むことがきっちりクリアされている、痒いところに手が届きまくりの薪ストーブだ。ちなみに鋳物製ではなく鋼鉄製である。
面白味を求める人にはちょっとデザインが物足りないかもしれないが、性能は申し分なさそうだ。機能重視の人は要チェックだ。
コスパ ☆☆☆☆
デザイン☆☆☆
機能性 ☆☆☆☆☆
第16位 トリニティー(ウォーターフォード社)
ウォーターフォード社は、なんと1776年創業の鋳物会社だ。最古参のメーカーのひとつではなかろうか?
お国はアイルランド。
アイルランドでジャガイモ飢饉が起こるのが、1845年。大量の移民がアメリカへと渡ることになり、アイルランド系の大統領としてケネディ大統領が誕生する下地になったりするのだが、そんなアイルランド史に残る大事件が起こる50年以上前に創業されたというのは、本当に驚くべきことだ。
デザインを見ればよく分かるが、非常に伝統的な姿をしている。いい意味で、100年くらい前からデザインがそのままで、白黒の古い映画にもこのまま登場しそうだ。
クリーンバーンで55㎝までの長さの薪が入り、サイドローディングもできる、普通に使いやすい機能とレトロなデザインの融合が逆に新しい。堅牢なつくりで長持ちする、とのことだが、ホウロウ仕上げのものは結構高くて60万円くらいするみたいだ。クラシカルなストーブが好きな人にはたまらないデザインだと思う。
名前のトリニティーTrinityは、アイルランドの首都ダブリンにあるトリニティーカレッジから来ているのだろうか?
コスパ ☆☆☆
デザイン☆☆☆☆
機能性 ☆☆☆☆
過剰なデザインのものはひとつもなく、他のラインナップも伝統に忠実な姿をしているように思う。シガータイプのニューダブリンもとてもクラシカルな、素敵な薪ストーブだ。
どうでもいいけど、なぜガラス窓の下にドイツの高級車、ベンツのようなマークがあるのだろうか‥
ウォーターフォード社の日本語版の公式ホームページは見つからなかった。日本には本格的には入ってきていないのだろうか?
歴史と伝統息づくアイルランドの薪ストーブ。ぜひ一度生で見てみたいものだ。
第15位 みにくいアヒルの子(スキャン社)
ついに北欧のメーカーが登場。
デンマークには素敵な薪ストーブメーカーがいくつもあるが、このスキャンも、その一つだ。世界中がオイルショックに揺れていた1978年に、化石燃料を必要としない暖房器具を、という理念のもと誕生した。
デンマーク第2の島フュン島にあるクロッグ・イヴァーセン社という会社が製造販売をしている。
スキャンはモダンタイプの薪ストーブを多く揃えているが、クラシックな横型のストーブもいくつかある。その中でもカルト的な人気を誇っていたのが、写真にあるCI-1G CB、通称「みにくいアヒルの子」である。細長いボディが特徴のシガータイプの薪ストーブだ。小型ながら長い薪が入り、ゆっくりが燃焼するのが特徴で、最近の住宅性能の高い家ならこれくらい小型でも充分温まるのではないかと言われている。
各メーカーそれぞれシガータイプ薪ストーブを作っているが、そんなシガータイプの決定版とでもいうべきストーブであった。
「あった」と過去形なのは、どうやらこのストーブは廃盤になってしまったようなのだ。
そしてスキャンにはもうひとつアンデルセンストーブと呼ばれている、代表的なクラシックストーブがある。
SCAN ANDERSEN(アンデルセン10)。
サイズ毎に、ANDERSEN4、ANDERSEN8など色々な大きさがある。無駄を廃した極めてシンプルなデザインは、どんな部屋にも調和する柔軟性があり、長く愛される薪ストーブになるだろう、と思っていたのだが、このANDERSENシリーズもどうやら、近いうちに廃盤になってしまうようだ。スキャンのカタログには、在庫がなくなり次第販売終了、という寂しい文字が書いてある。時代は確実にモダンストーブへと移っているということなのだろうか?
この次に紹介するスキャンサーム社の薪ストーブを調べていると、さらにその感覚が強まった。
コスパ ☆☆☆☆
デザイン☆☆☆☆
機能性 ☆☆☆☆
ちなみにスキャンのモダンストーブはこんな感じだ。
正面だけでなく、側面にもガラスがはめ込んであり、炎をじっくり観賞できる、高品質な薪ストーブとのこと。
58-6CBという、スターウォーズに出てくるロボットのような名前がついている。
第14位 ターン(スキャンサーム社)
スキャンに続いて、スキャンサーム。名前が被っているが、特に意味はない。偶然並んだだけだ(笑)。
ドイツが誇る薪ストーブ会社スキャンサーム。人呼んで「世界一のモダン薪ストーブメーカー」。
世界一と言われるだけあってそのモダンぶりは突き抜けている。
たとえばこのturn(ターン)という機種。ちょっと普通の薪ストーブでは考えられないような形をしている。そして名前からも想像がつく通り、360°回転してどこからでも炎を眺める事ができる。回転する薪ストーブ自体は他のメーカーにもあるが、その機能性とこのデザインを融合させてしまうところがスキャンサームのすごいところだと思う。
ユニークな姿の機種が多いので他のものも見てみよう。
例えばこのgate(ゲート)。
いやー、凄いなぁ。縦型の薪ストーブはたくさんあるが、こんなストーブは見たことがない。薪ストックを完璧にデザインに融合してしまっている。
右下にはウォールナット製の引き出しがついていて、着火材などをしまっておける。
他にもこんなストーブも。これはelements(エレメンツ)という機種だ。
見るからにユニークな形と薪ストックの配置が楽しい。しかし、この薪ストーブの真骨頂はパーツの組み合わせで様々な形に姿を変える、という奇抜すぎるコンセプトにある。
例えば同じストーブでもこんな風に配置できる。
さらに、こんな風にすっきり縦長にもできる。
おいおい、こんなのありかよ。
とても同一のストーブとは思えない・・・。
「 世界一のモダン薪ストーブメーカー」の看板に偽りはなさそうだ。
もちろん、これだけのストーブだから、80万から100万円前後と価格もそれ相応だ。ちょっと手が出ないという人も多いと思う。しかし、今まで薪ストーブに全く関心がなかった人でさえ、釘付けにするであろう、スキャンサーム。
新しい薪ストーブユーザーを増やすに違いない。
コスパ ☆☆☆
デザイン☆☆☆☆☆
機能性 ☆☆☆☆
第13位 AGNI-C(岡本)
突然こんなに素敵なデザインの薪ストーブが登場したことにかなり衝撃を受けた。
メイドインジャパンである。
岐阜県の鍛冶屋、岡本はなんと1560年創業という、超がつく老舗だ。バリバリの戦国時代に創業した岡本が作る国産薪ストーブ、AGNI-C(アグニC)である。
一つ小さいクラスのAGNI-CC(アグニCC)というストーブもある。ドアを右開きか左開きか選べたり、ストーブトップに違いがあったりと、細かい部分では色々異なるが、基本デザインは同じだ。
さてこのAGNI、どんなストーブかというと、ハイブリッドな燃焼方式なのである。ハイブリッド、つまり触媒とクリーンバーンの両方の燃焼方式をもち、2次、3次燃焼によってどんどん煙をクリーンにしていくのだ。
触媒はダッチウエストの丸い触媒を使っている。しかも2個同時に!
これは燃焼効率的には非常に期待できる。しかし、交換するときは、ただでさえ値段の高い触媒を2個同時に交換なので、出費も2倍だ。ちょっとつらいですね‥
とはいえ交換時に下取りサービスもあるらしいので、実際にはそれほど出費はかさまないという噂もある。
天板のデザインも超ユニーク。銀色の丸い部分では高温調理も可能だ。お湯もグラグラ沸く。触媒の交換費用なんて気にならないぐらい、機能的でチャーミングな薪ストーブだと思う。
コスパ ☆☆☆
デザイン☆☆☆☆
機能性 ☆☆☆☆☆
さて、AGNIにはこんなかわいい機種もある。アグニヒュッテという小型の薪ストーブが2016年にラインナップに加わった。
うーむ。うーーむ。
なんという素敵なデザイン!星を6つあげたいくらい好きな形だ(あくまでも個人的な好みだが)。
ヒュッテとは山小屋という意味だそうだが、山小屋だけでなく、高気密の最新の住宅でも自然にフィットしそうな、仔犬のような薪ストーブだ。本気でこの機種を導入しようかと迷ったりもした。
こんな素敵なウォーミングシェルフまでオプションでつけられるんですぜ。
ワンワン、欲しいワン。
第12位モンドール(アンヴィクタ社)
1924年にフランスのシャンパーニュ地方で誕生したアンヴィクタ社の薪ストーブ。
ついに革命の国、おフランスの薪ストーブの登場である。さすがはパリコレの国、フランス。信じられないほど斬新なデザインのストーブがずらりと並ぶ。
個性的な薪ストーブに出会いたい人はぜひチェックしてみてほしい。いままの薪ストーブ観がガラリと変わるはずだ。
そんな斬新なデザイン豊富なアンヴィクタのラインナップの中で、日本人に人気があるのは、やや不思議な形をしたモンドールという機種。
なんとこの薪ストーブ、古代インドをコンセプトにしたのだそうだ。
なるほど、言われてみればエキゾチックな雰囲気を感じるデザインだ。非常に珍しい楕円形の筒型になっていて、天板には謎の突起が‥。これがあるので、トップが熱くなりすぎず、煮込み料理がコトコト作れるとのこと。お湯も少し時間はかかるが、ちゃんと沸くらしい。
42万円と値段は比較的高くはない。個性的過ぎないけれど、他にはない独特のデザインと言える。
コスパ ☆☆☆☆
デザイン☆☆☆☆☆
機能性 ☆☆☆
他にも個性豊かなストーブが色々あるので紹介していく。まずはこのストーブ。
ガヤ・アルドワズという名前のこのストーブ。一見すると埋め込み式暖炉のようだか、実は普通の薪ストーブである。
部屋に置かれるとこんな感じ。
なんかすごいね。洗練され過ぎて、普通の部屋には置けないかも。
薪は最大70㎝までの長さのものが入るようだ。すごいね。炉がでかすぎるね。
72万円と価格も相応だ。しかしデザインのセンスは抜群。存在感も圧倒的だ。
アンヴィクタには他にもこんなストーブがある。炎を見るガラスがあり得ない形のオラクル。
そしてここまでやるか、という究極の鋳物技術を見せつけるガヤ・フィーユ。
ため息が出るようなストーブだ。14位で紹介したスキャンサームも意匠を凝らした圧倒的なデザインだったが、アンヴィクタの薪ストーブはそれとは全く違う切り口で斬新さを出していると思う。
あえて言えば、スキャンサームはモダンストーブの方向に突き抜けていて、アンヴィクタはクラシカルな方向に突き抜けている。
こうして見ていくと、本当に薪ストーブの世界は奥深いなと、ちょっと怖くなる。
第11位 ケープコッド(トラビス・インダストリーズ社)
Googleで「ケープコッド」と検索をかけると、薪ストーブではなくて、「ケープコッド・クックオフ」という東京ディズニーシーのレストランの情報がどびゃーっと出てくる。世間の大多数の人たちにとっては、カーボンニュートラルな暖房器具より、ウォルトディズニーの夢の国の方が関心が高いのである。
それはともかく、アメリカ製の薪ストーブ「ケープコッド」の話である。
このストーブは「世界一クリーンな薪ストーブ」と形容される。煙突から排出される排煙微粒子が世界最小値を記録しているということなので、「世界一」という客観的な評価は確かにできる。ただし、これは同一条件でということなのだろうから、湿った薪で焚いたり、空気を絞りすぎれば、クリーンではない煙が排出されるのは当然の事だ。
しかもクリーンなだけでなく、燃費もとてもいいとのことだ。
薪は一度投入すると、12時間もの連続燃焼が可能であり、輻射と対流を組み合わせた温めかたも、ハイブリッド燃焼方式も、とにかく最新技術がこれでもか、と投入されている印象。
個性が強すぎないスッキリしたデザインも、とても日本人好みな気がするが、日本ではまだあまり知られていない。アメリカでは薪ストーブのシェアの30%を占めるかなりの人気機種のようだが。
なんとストーブ本体を買うと、含水率計が付属品として付いてくるらしい。なんとも太っ腹だ。
欠点は、それほど大型の薪ストーブでもないのにめちゃくちゃ重いこと。といっても床がきちんとしていれば、設置には問題はないはずだ。ではどうして欠点なのかというと、設置する業者さんが大変なのだそうだ(笑)。
ともあれ、最新技術で排煙を無臭化することができるケープコッド、住宅地での導入を考えている方はぜひ選択肢に加えてみてはいかがだろうか?
価格は60万円台。
コスパ ☆☆☆
デザイン☆☆☆☆
機能性 ☆☆☆☆☆
ケープコッドでは大きすぎる、という人にはRockport(ロックポート)という一回り小さな機種もある。ほぼ同じようなデザインや構造を踏襲して、小型化しているようだ。
ただ、ケープコッドの方が最適なサイズのようで、燃焼効率や排煙量ではケープコッドに軍配があがるみたいだ。
第20位から11位のまとめ
巷でよく知られた、ダッチウエストやスキャンのようなメーカーも登場したが、どちらかと言えば、どうしてこんな凄い薪ストーブを作っているメーカーが日本であまり知られてないんだろう、と疑問に思うような強烈な薪ストーブメーカーが続々登場してきた気がする。
薪ストーブの情報は、昔と比べればずっと集めやすくなったようだが、それでも情報源は限られており、偏った情報だけで判断してしまうケースがとても多いのだろう。
有名メーカー数社だけを比較するという人がほとんどだろう。20~30のメーカーを比較して自分に一番合ったものを探す、というような人は少ないのではなかろうか。
そもそも薪ストーブという業界事態が、暖房器具業界の中のニッチな存在でもあるわけで、しかも代理店契約などの様々なしがらみを薪ストーブ屋さんも抱えながら、ということになると、フラットな状態での機種選びというのは二重、三重に困難になってくるのではないかな。
もちろん、ここで書いた情報も、書いている「僕」というフィルターがかかっているわけだから、鵜呑みにせずに、気になる機種があればぜひ自分できちんと調べて欲しいと思う。その上で、幅広い選択肢を持つための一助となれば嬉しいと思う。
さて、次回はいよいよトップ10の発表だ。皆さんお馴染みのストーブが続々登場することになるだろう。順位に対する突っ込みは、なるべくなしでお願いします(笑)。
第30位~第21位まではこちら
おすすめ薪ストーブメーカーランキングベスト30その①~隠れた名機や素朴な国産薪ストーブ編~ - 薪ストーブクロニクル
第10位~第1位まではこちら
おすすめ薪ストーブメーカーランキングベスト30その③~いよいよトップ10の発表!~ - 薪ストーブクロニクル
薪ストーブ画像出典
第20位 ヘルゴン‥薪ストーブStyleさんのページよりGLANCE | 薪ストーブStyle
モルソー7110‥モルソーさんのページよりmorso 7100 series [モルソー薪ストーブ] | 【公式】モルソー日本総代理店
第19位 チャーンウッド‥アドヴァンさんのページよりアド コーヴェ2 | 薪ストーブ・暖炉の販売ならアドヴァン - ADVAN STOVE
アイランド II -HL | 薪ストーブ・暖炉の販売ならアドヴァン - ADVAN STOVE
第18位 ダッチウエスト‥京阪エンジニアリングさんのページよりダッチウエスト「フェデラルコンベクションヒーター」(性能・価格など) | 薪ストーブ
エンライト‥軽井沢暖炉さんのページより
薪ストーブのことなら軽井沢暖炉-ダッチウエストFA248エンライトミディアム | 群馬 薪ストーブ 軽井沢暖炉
第17位 ハンターストーブ‥ALLUMER本店さんのページよりALLUMER本店: Cleanburn 『SKAGEN』入荷!
第16位 ウォーターフォード‥山口商会さんのページよりトリニティ
第15位 スキャン‥
みにくいアヒルの子・・ヤマショーさんのページよりWORKS GALLARY|薪ストーブとチェーンソーのお店 ヤマショー
アンデルセン10・・メトスプランニングさんのページよりスキャン/薪ストーブ/薪ストーブの施工・販売は香川県高松市のメトスプランニング
58-6CB・・モルソーさんのページより
SCAN58-6CB [スキャン薪ストーブ] | 【公式】モルソー日本総代理店
第14位 スキャンサーム‥ファイヤライフさんのページよりスキャンサームについて|薪ストーブ|薪ストーブ専門店【ファイヤーライフ】
第13位 アグニ‥岡本さんのページよりAGNI-C
第12位 アンヴィクタ‥アンヴィクタさんのページよりINVICTA-アンヴィクタ ― フランス製薪ストーブ ―