薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブ始生代・総集編⑥「茶畑山に引きこもる」

1.おっちゃんのユンボ登場

広場に倒れてきた倒木の、見えている部分は全てチェーンソーで玉切りして、片付けた。

広場は一旦、元通りの何もない場所に戻った。

 

しかし、見えている部分を切っただけなので、根本の倒れている極太の部分がまだ3メートル以上横たわったままだ。

根本なので当然一番太くて、気が狂いそうなほど重い。

というか人力でどうにかなるものでない。

 

このとき、山の所有者のおっちゃんと一緒に片付けていたのだが、そのおっちゃんがついにユンボを出動させた。

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 このユンボと木を紐で結わえて広場まで引きずり出そうという作戦だ。

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 ある程度引きずり出したら、今度はシャベルの部分で持ち上げて完全に下に転がしてしまう。

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さっきまできれいに片付いていた広場だが、あっという間に転がした木材でまた埋め尽くされていく。
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下の画像がそのクヌギの一番根っこに近い部分。
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それまで玉切りしていた木とは太さのスケールが全く違う(笑)。

この部分だけで一体どれだけ薪が作れるんだ?

 

さて、これで一件落着、ではない。

このあと、ユンボがさらに暴れまくる。

 

完全に倒れたクヌギはこれで全て引きずり出したが、まだ、台風で傾いた木や、立ち枯れしていつ倒れるか分からない木などが数本、いや7~8本ありそうだ。

 

2.傾いたくぬぎと格闘

 あまりに莫大なくぬぎの倒木の量に、ちっとも終わりが見えてこない茶畑山での作業。

台風が来たのは10月23日だから、すでに50日以上が経過しているが、なかなか作業も進まず、まだ、ゴールはさっぱり見えない。

それはリアルに嬉しい悲鳴だと言うべきだろう。

薪となる原木はうなるほどあるし、それに山でのチェーンソー作業のいろはを学ぶことができる、本当に貴重な機会だ。

 

山の所有者のおっちゃんは林業のプロではないが、長年山でのいろんな作業をしてきているので、色んな事を教えてもらえる。

 

さて、今日は傾いたまま、隣の木に引っ掛かって倒れきらなかったくぬぎの撤去作業についてだ。
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まずは根本を切り落とす。

傾いている木を切る場合、普通に考えれば下向きに重さがかかっているはずなので、上から切っていくとある地点で切り口の断面にチェーンソーが挟まれてしまうだろう。

だからある程度上の方に切り込みを入れた後、最後は下から思いきって切り上げて切断しようと思ったのだが・・・。

上からと下からの切断面がずれてて、見事に挟まってしまった。

楔を叩き込んでもびくともしないので、もう一台、マキタのチェーンソーを借りてきて無理矢理切ってチェーンソーを救出した。

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救出ついでに、上の画像のようにとりあえず根本から切り落とすことができた。

 

しかし、今度は切断面が土の上に乗っかって、また傾いたままの状態が継続された。

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仕方がないので、さらにこのままどんどん切っていって、最終的に完全に倒れるまで続けることになった。

そしてまたやらかした(汗)。

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力学的複雑さが理解できず、またしても木に挟まれるシングウのチェーンソー。

 

少し離れて撮影するとなんだかシュールな絵だ。

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近づくとこんな感じ。

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泣きながら、あの手この手でまた救出作戦を敢行した。

 

挟まれてしまう原因は二つあるようだ。

 

一つはさっきも書いたように、最後に下から切り上げるとき、切断面が合っていなくて切り落とせず、挟まるところまで止められない、という点。

もうひとつは、思い切りが足りず、挟まれないかビクビクしながら切っているので、勢いが足りずに挟まれている、という点。

 

まあ、こればっかりは経験値を上げていくしかない。頭で理解したつもりでも、実際に木が倒れていく迫力を見てしまうと、「これは当たったら死ぬな」という恐怖心も芽生えるし、それに実際の現場では想像よりもずっと状況が複雑に入りくんでいる。

腰が引けながらも、安全を最優先させなければいけないので、臆病を責めるのもお門違いだ。

 

さて、そんなこんなで、何度も切っては斜めに落ちていって、というのを繰り返して、ようやく引っ掛かっていた上の方の枝が外れて、完全に寝た状態まで持っていくことができた。
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いい感じに切って、とりあえず転がしておこう。

この一本だけでも相当の薪が作れる。

まだ朽ちていないくぬぎなので、中身はカチカチのパンパンだ。

持ってみると、半端ではない重さがある。

 

うーむ。

なんとも言い様のない達成感が身体を駆け巡るぜ(笑)。

 

3.第二薪場に運び込む

新たな薪場を借りることになった。

 二つ目の薪場なので通称「第二薪場」。

茶畑山で切り出したくぬぎの多くはこちらに運び込んでいくことにした。

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今までは、主に畑の脇を薪場として使っていた。
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これが第一薪場だ。

薪割りや玉切りも始めはここでしていたのだが、今ではほとんどが畑になり、猫も闊歩している(笑)。

ちなみにこの猫、うちの白猫のミケリア・・ではなくて、ミケリアのお父さんだ。

 

第二薪場は茶畑山の近くにある。軽トラですぐのところだ。

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こんな風に軽トラに切った玉を積み込んでどんどん運び込んでしまおう、ということだ。

この場所も茶畑山を所有しているおっちゃんのご好意で使わせてもらえることになった。

ふらっとやってきて、誰にも邪魔されずに思う存分薪割りができる環境なのだ。

まさに薪ストーブユーザーの夢の島とでも言える場所だ。

 

まだまだ木の量は少ないが、今後、茶畑山で切り出した倒木をどんどん運び込んで、ゆくゆくは仮設の薪棚も作って薪を置かせてもらうつもりだ。

 

4.第二薪場にくぬぎが増量中

 このところ休みの度に、茶畑山でせっせと倒木を片付けている。

山をきれいにしているのだが、もちろん主たる目的は木を集めることだ。

その場でどんどん玉切りして、せっせと軽トラに運んで薪場に運び込んでいる。

茶畑山の近くにある第二薪場にかなりたくさんくぬぎが集まってきた。
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とにかく積んで並べておく。

これは相当太い玉だ。

直径30㎝を超えるものもざらにある。
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茶畑山での片付けが一段落したら、今度はひたすら薪割りをする予定なのだが、これだけ大きいと、割りごたえ抜群だ。

 

こっちは少し小さめの玉。

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そのまま割らずに燃やせそうな細いものもちらほら。

 

そしてこっちは通称「ぼけ玉」を集めたもの。

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立ち枯れしたり、倒れてから日数が経っていたりしている木は、外側から徐々にふかふかしたものに変わっていく。焚いても大した火力にはならず、すぐ燃え尽きる。

こういうものを「ぼけ薪」と呼んでいる。

大歓迎とは言えないが、とりあえず薪にはできるので贅沢は言えない。

また、この「ぼけ玉」「ぼけ薪」については後日詳しく書いてみたいと思う。

 

そしてこちらは、自宅の駐車場に置いた玉。

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冬の間、雪などで第二薪場に行けないときもあるので、普段からパカパカ割れるように自宅にも玉を並べておいた。
こちらにも少しだけ「ぼけ玉」がある。左側の十玉ほどがそれだ。

まあ、おいおい割っていこう。

 

とまあ、倒木退治をして運んだ玉はいまのところ、こんな感じだ。

最終的にどれくらい集まるのかも楽しみだ。

茶畑山での作業もあと一息。

ラストスパートを頑張りたい。