薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブ始生代・総集編⑦「茶畑山での作業が一通り終わった」

1.巨木の根本を玉切りしていく

茶畑山での作業も大詰めだ。

 

今回は山の斜面からユンボで広場に引きずり出された倒木の中でも、最も太い木の根本の玉切り作業だ。

 

2本の太い幹が重なっている根っこの部分だ。始めは、2本が根本で結合されているのだと思っていたが、実際に切ってみると1本ずつ切り落とすことができた。

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太い方は、チェーンソーの35㎝のバーが向こうまで届かない太さだ。40㎝くらいあるだろう。

そして残っている細い方も30㎝弱はあるだろう。
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切り落としたときのゴロン、という転がり方に少し恐怖心が芽生える。

 

やれやれ、足元に転がったら、足指を骨折しかなねないぜ。

 

太い方に続いて、細い方もスパッと切り落とす。

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見事に2本がくっつきあったまま大きくなっていったのだろう。断面が美しい。

 

太い方をさらにもう1回玉切りする。

バーが届かないので、両サイドから何度も慎重に刃を入れていく。

そして、また恐怖のゴロン。
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根本に近づくにつれて、直径も重さも増し増しになっていく。

ここまで切ったところで、太さ的にもそして下で支えている土台の都合もあって、一旦このまま置いておくとこになった。

おそらくここからは、両サイドから切っても刃が届かない恐れもあって危険なので、玉にせず、少しずつサクにして切っていくことにしよう。

半円や扇型の破片を切り出して、少しずつ薪にしていけばいい。

 

さて、あとは広場に残った切り残した普通の原木(といってもかなりデカイが‥)をジャッキで持ち上げて楽々玉切りだ。
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はい真っ二つ。
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これだけの太さと重さの玉なら、かなりの量の薪が作れるだろう。

こういうものを見ると、早く薪割りがしたくてたまらなくなる。

 

さて、茶畑山での作業はあと本当に少し。

細くて長い、枝類の処理と、斜面に残ったごん太の原木の処理だ。

 

2.焚き付け作りも同時進行

倒木には、太い幹もあるが、当然のように細くて長い枝が非常にたくさんある。

太い幹と比べると、細かい作業になるのだが、それでも焚き付けや腕薪として立派に燃やせるのだから、そのまま打ち捨てるのはしのびない。

利用できるものはすべてしっかり利用するのだ。

 

さて、広場に残った枝類は現在こんな感じだ。

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それなりに太い枝もあるが、嫌になっちゃうくらい細かい枝もちらほら。これらを玉切り用の馬に乗せて、サクサク切っていく。

太いものはそのまま腕薪に、細いものは焚き付け用だ。

これはうちの奥さんが作業をしたもの。
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これを見ていると、昔食べた「小枝」というチョコレート菓子を思い出した。

 

どんどん切っては、一輪車で運んで、広島の一角に積んでいく。
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更に切っては積んでいく。
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まだまだ積んで積んで積みまくる。
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 いやはや、日もとっぷり暮れてきて、ぐったり疲れた。この場所に木をかためたので、それ以外の場所は、ほとんど片付けた。

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きれいに何もない。

 

あとは、最後に残った一番奥の斜面の長尺の原木だけだ。

 

3.斜面の倒木を玉切り

 茶畑山を片付けていて、最後の最後まで残った原木。

傾いたくぬぎを斬り倒して120㎝~160㎝の長さに切った状態で放置していた。

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いかんせん、木自体が太めで、重く、しかも足場の悪い斜面に転がっていて、動かしにくかったのだ。

軽トラではアクセスできない、少し遠目の場所にあったのも、後回しになった要因だ。

 

まあ、とにかく40㎝の長さに玉切りして、広場まで持って降りよう。

 

これはちょっと分かりにくいが、上からチェーンソーを入れて、転がしたもの。
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ここに下からチェーンソーを突っ込んで、いわゆる「突っ込み切り」というのをする。


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地面についた原木を上からそのまま切り落とすと、刃が土を切ることになってしまう。

さりとて、ジャッキであげるには、短い、そして足場も悪い。それに仮にジャッキで上げても、原木も短くて、つんのめるような上がり方しかしない。

 

ここはひとつ、教科書にしている「薪ストーブは燃えているか」のblogで覚えた、玉切りの方法を試してみよう。

玉切り - 薪ストーブは燃えているか

チェーンソーは土を切ると、あっという間に刃こぼれをする。

しかし、原木がものすごく重いと、持ち上げるのすら困難だ。

ある程度長さがあれば、ティンバー

ジャッキで上げればいいが、今回はそれもやりにくい。

「突っ込み切り」は見えない場所にバーを文字通り「突っ込んで」上に切り上げるので、慣れないうちは結構怖い。

 

しかし気がついた斜面に、くぬぎの玉川上水、ではなくて、くぬぎの玉がゴロゴロ出来上がっていた。

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斜面の下から見上げるとこんな感じ。
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自画自賛だけど、なんかちょっといい絵だ(笑)。

 

斜面から切り出してきた玉は全部でこれだけ。40玉弱くらいだろう。
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ああ、腰、いた。

 

4.茶畑山での作業が一段落した 

 10月23日に日本を襲った台風。

その、強風は僕の住む集落に、過去に40年、村人たちにもあまり記憶がないほどの被害をもたらした。

山で、神社で、畑で、木が何十本、何百本と倒れた。

 

そのうちのほんの一部だが、切って薪として有効活用させてもらえることになったので、あちこちに出向いて木を切っている。

 

そのなかでも、最大級の規模なのが、茶畑山のくぬぎの倒木の片付け作業だ。

 

この間、ずっとブログに書き続けてきたが、とりあえず今回が完結編だ。

 

いろんな場所に運んだり置いたりしたので、全体の量がいまいち、よくわからない。

現在集まった木の全体像を載せてみる。

 

まずは、上の斜面から次々と倒木が倒れこんでいた広場。ここはいまこんな状態だ。
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細めの枝も全て馬で切った。
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一番太い根っこの部分だけ、宿題として残ったが、それ以外は全て玉にした。
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しかどこから這い出してくるのか、まだどんどん増える枝類。

と、斜面から切り出してきた40玉も奥に見える。

 

この場所は、2ヶ月前はこんな様子だったのだ。

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あちこちに倒木が倒れ、
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混沌としていた。

 

そこから毎週末、そして平日の午前中も晴れていれば出向いてひたすら片付けていた。

そして、ここまですっきりきれいになった。

やれやれ。

しかし、倒れていたたくさんの木を思うと、ずいぶん玉の量が少ないような気がするかもしれない。

実は頃合いの大きさの玉は全て別の場所に運んだのだ。

 

まずは第二薪場。

ここには相当の量の玉を運び込んだ。
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こんな感じで積み上げて。
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2列になっていて、この後ろにはさらに、
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後列がこうなっている。

いやはや、相当のボリュームだ。

 

そして、ボケ玉も多数。
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 実際にはこの倍の量のボケ玉をここに運び込んでいる。

 

さらに、自宅にも運んだ。
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圧巻のくぬぎ玉の壁だ。

このような壁は、ベルリンの壁同様、早急になくしてしまわないと駄目だ。早速薪割りを開始しよう。

 

さて、1ヶ月半以上かけて、これだけの玉が集まった。茶畑山での作業はこれで一応安心。年を越せる。

しかし、まだ、あちこちで声をかけてもらっている。神社にもまだ大量の倒木がある。

これだけの台風の被害はそうそうないし、また、あって欲しくもないので、今は可能な限り木を集めようと思う。

 

おまけ:薪活で筋トレ

 11月から1ヶ月半ほど、くぬぎの倒木を片付けて玉切りして薪場に運ぶ、という作業をしていた。

 

まあ、ハードと言えばハードだったが、なにせ喉から手が出るほど欲しかった薪がうなるほどあるのだ。

テンションがあがったまま、毎週のように山へ通い、せっせと作業をした。

始めの頃は、あまりの膨大な倒木の量と、その倒れた場所のややこしさに、

「果たして作業が終わる日は来るのだろうか」

と真剣に心配したりしたのだが、週に3回、多いときは週4で通いつめ、気がつくとほぼ作業は完了した。

 

そして、1ヶ月半ぶりに体重計(体組成計)に乗って驚いた。

 

毎晩、お腹がすくので、結構好き放題食べていたのだが、明らかに減量して、身体が変化しているのだ。

 特に奥さんの変わりっぷりが驚きだった。

 

<僕>

体重 マイナス1.8kg

体脂肪率 マイナス2.7%

骨格筋率 プラス2.5%

 

<奥さん>

体重 マイナス1.5kg

体脂肪率 マイナス6.7%

骨格筋率 プラス5.2%

 

うーむ。すごい。

体重こそ、それほど落ちていないものの、体脂肪率がガクッと落ちて、筋肉量が明らかに増えている。

身体が変化していることが数字にはっきり表れてるじゃないか。

 

うーむ。すごい。

 

これから5トンだか10トンだか分からないが、怒濤の薪割りが始まる。

しかも、あと3ヶ所、別の場所で木の片付けがまだ控えている(といっても、全て村内だが)。

この数字を維持しつつ、さらに身体を鍛え上げ、その勢いで心も鍛練したい。

薪割りは、邪念が消えて、精神が整う気がする。きっと薪割りセラピー的な効果もあるに違いない。

どんどん割ろう。