薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

オフグリッド入門⑧ 狂っちまった世界の片隅で、山菜を食し、電気を作る

一年ほど前から、徐々に始まったオフグリッド生活。

 

とはいえ「オフグリッド生活」というものをどう定義したものか、少し悩むところだ。

純粋な意味では、配電線から電気を貰わずに、電力を自給する生活のことをオフグリッド生活と呼ぶのが正しいかと思う。

 

ただ、エネルギーは電気だけじゃないし、社会のシステム全般、つまりガスや水道、道路やインフラ設備に至るまであらゆる点で、我々はエネルギーの自給自足という夢からあまりに遠い生活を送っていると言わざるを得ない。

 

仮に電気を自分で作ったとて、暇人の道楽に過ぎないと言って切り捨てる人もいるだろう。

 

でも、本当にそうだろうか?

 

社会のシステムに取り込まれている状況ではあっても、その依存度を下げて、なるべく自分たちで様々なものを作り出せるようになっておけるかどうか。

これは、いまのこの狂っちまった世界では、実は重要なポイントなんじゃないんだろうか、ということを思うわけだ。

 

自己完結しつつ相互扶助。

 

これは、ただでさえ金が全ての物差しとなった格差社会において、持たざる者が自分たちを守るために重要なことだと思うけど、今現在のような異常事態(緊急事態とも言うらしい)においては、ますますその輝きを増してくる。

 

完全に自己完結できるかどうかは、だからあまり関係がない。隣近所、お互いが補い合うことで、自分のできないことを助けて貰いつつ、自分の出来ることをすればいいのだ。

 

そんな中で物理的に、経済的に、地理的に自分に可能な範囲で最大限エネルギーを自給する。

それも、電気だけではなく、ガス、水道、暖房や食料調達、家や家財、衣服、その他暮らしに必要なあらゆるものを包括的に自給したい。

そんな暮らしのことを「オフグリッド生活」と呼びたい。

 

いやー、相変わらず、前置きが長いね(笑)。

 

まあ、ようするにパンデミックだろうが、巨大台風だろうが、大旱魃だろうが、我々の未来にはあらゆる脅威が待ち構えているわけだ。

例えば今のパンデミックな状況ではどんな勝ち組の金持ちでも、生き残ることはできるかもしれないけど、Q O L(クオリティオブライフの略。生活の質)は著しく下がるだろう。

でも、田舎で自給的な暮らしをしている人は、家と畑と山を行き来する以外に誰とも会わなくても暮らしが普通に成り立つので、金はなくともQ O Lは下がりようがない。

自立できている暮らしは、イレギュラーに強いのだ。

 

それとは逆に、台風などの異常気象にしても、真っ先にダメージを受けるのは社会インフラなわけで、脆弱な電力の送電網はひとたまりもない。

 

本物の田舎暮らしはもともと電気への依存度が低いので、停電にもある程度強いはずだ。

 

※  ※  ※

 

電気への依存度を下げつつ、電力を自給する。それはいつか必ず達成したい。

 

それはこのブログが始まった一番最初から思い続けてきたことでもある。

 

去年、太陽熱温水器と雨水タンクを導入。

 

晴れた日はお風呂のお湯ができ、雨の日は洗濯や畑のための水が貯まる生活が始まった。

これだけでも、災害の時にどれだけ心強いか計り知れない。

 

まして、我が家には薪ストーブという超強力なオフグリッドアイテムがあるわけで、そいつらを組み合わせたら、停電が多少長引こうがQ O Lはほとんど下がらないはずだ。

 

そして、野菜を作るだけではなく、味噌やつけもの、乾物などの備蓄食料に加えて、柿からお酢を作ったり、山で獲れた鹿やシシ肉を加工したり、金銭や経済システムから離れたところで食べ物を得るノウハウもだんだん蓄積してきた。

 

春になれば、もちろん山菜などの山の幸が出てくる。フキノトウは言うに及ばず、先日も山の中で山菜をたくさん収穫してきた。

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3種類あるが、違いがわかるだろうか?

左上のタラノメは定番。

右上のコシアブラと下のタカノツメはよく似ている。
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木の幹や葉の出方はほとんど同じ。

葉っぱが5枚あるのがコシアブラ(左)で3枚なのがタカノツメ(右)

 

コシアブラは山菜の王様とも呼ぶべき、独特の軽い食感と香り。

この季節がいつも待ち遠しくなる。

タカノツメも天ぷらにするとサクサクして美味だが、少し山菜らしい苦みがある。どちらもビールによく合う。

タラノメは定番中の定番なので、今更何も付け加える事はないけど、やはり採れたてが美味しいのは言うまでもない。

 

そんなこんなで、今日もオフグリッド生活を満喫しているのだけど、この度、そんな我が家についに究極のオフグリッドアイテムが加わった。

 

太陽光パネルとポータブル電源だ。
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悩みに悩んだ末、選んだのはjackeryというアメリカのベンチャー企業が生産している畜充電システムだ。

パネルで作った電気をポータブル電源に蓄えて、必要な時にいつでも使える。

 

これぞオフグリッド。

 

もともとはキャンプなどのアウトドアで電力を確保するというコンセプトで開発されたもののようだけど、今は災害時の非常電源としての需要が高まっているらしい。

 

でも、我が家はそれを普段使いとして導入。

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毎日使う電力の多くを、太陽が作り出した電気でまかないたい。

というか、冷蔵庫以外の全ての電気をこのシステムでまかなうのが目標だ。

 

充電中のバッテリー。

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コンセントは2つ使えて、USBケーブルは3つ。

使いやすくて、デザインも秀逸だ。

 

もともとは屋根にパネルを乗せて、完璧に畜充電システムを完備し、電力会社の配電線から我が家を完全に切り離すつもりだった。

しかし、そもそもコストがかかりすぎる。

それに加えて、屋根に乗せるものをなるべく減らしたかった、というのが偽らざる本音だ。

 

フグリッド生活の肝とも言える、電力の自給。しかも、それは停電などの非常時にこそ最大限に威力を発揮してもらわなければいけない。

しかし、停電などは大抵、巨大台風や大地震によって起きるだろう。

今後、想定を超える大きな台風や大地震に襲われる可能性がますます高まっていくのは明らかだ。

そのとき、屋根の上の太陽光パネルは本当に無事でいられるのだろうか?

スーパー台風の暴風雨に晒されて太陽光パネルがぶっ飛んでしまっては、結局停電の憂き目に遭うではないか。

そこが解決できなくて、太陽光パネルを屋根に乗せるのは諦めた。

 

結果的には我が家の畜充電システムは、当初考えていた予算の10分の1で導入できた。

もちろん安い分、パワーは劣る。

しかし、それでもうまくいくように、一年かけて節電生活を身体に馴染ませた。

雨風が強い時や使わない時は、折り畳んで室内に置いておけばいい。

 

あとは、太陽が燦燦と降りそそぐ日に、お日様に電気を作ってもらうだけだ(笑)。

 

電力の自給が始まって、いよいよオフグリッド生活も新局面を迎えたわけだけど、この太陽光発電システムがどれほどのものか、それはまた次回詳しくレポートしたいと思う。

 

果たしてその実力やいかに?