薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

オフグリッド中級編① 節電の本丸、冷蔵庫を止めよう

我が家のオフグリッド生活については、これまで、以下のページに色々書いてきた。

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主に「オフグリッド入門」と題して、エネルギー、水、ガス、電気、といった生活に欠かせないものを少しずつ自給していこうという取り組みだ。

もちろん入門と謳っているだけあって、まだまだほんの入り口。

水も、ガスも、電気も、部分的なオフグリッドを始めたばかり、というところだ。

 

そして、その入門編を終えた今、更なるオフグリッド生活へと我が家は舵を切ることになった。

 

その名も「オフグリッド中級編」。

 

「入門編」で少しずつ身の回りのものを自給していく取り組みを一歩押し進めて、よりマニアックなオフグリッド活動を楽しもうという取り組みになる予定だ。

 

その中級編にふさわしい最初のネタは、題して、

「冬の間、冷蔵庫を止めよう」

だ。

 

そもそも当時売られていた冷蔵庫の中で最も省エネ機を選んだんだけど、そいつを止めようということだ。
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止めていない状態の冷蔵庫ちゃん。

電子レンジを筆頭にほとんどの家電が容赦なく切り捨てられていく我が家において、無条件でコンセントから電気を供給されているほぼ唯一の家電だ。

 

完全なる特別扱い笑。

 

しかし、その特例措置が(一時的にせよ)終わる日が来た。

盛者必衰なのだ。

 

我が家の勝手口には、小さな屋根つきのスペースがある。そこは、まあ言ってみれば外なので、完全に外気と同じ温度だ。

冬の間は当然、その場所の温度は低くなる。

そもそも太陽がほとんど当たらない場所であり、しかも戸棚があるので、一日中日陰の状態だ。

それなら、冬の間はここを冷蔵庫の代わりにしたらいいんじゃないか、なんだったらビールなんかは普通の冷蔵庫よりキンキンに冷えるぞ。

ということになった。

 

今回はあくまでも実験なので、期限を区切って、

①冷蔵庫を止めたらどれくらい電力を節約できるのか、

②冷蔵庫がなくても普通に暮らせるのか、

という二点を検証してみようということになった。

 

期間は1月16日から次の電気料金のお知らせが届くまでの約1ヶ月間。

 

で、もちろん今は3月なので、結果は出ている。

その辺りのことを報告してみよう。

 

まず、冷蔵庫を止めるにあたって一番の問題となったのが冷凍庫問題だ。

つまり、

  • 既存の冷凍品や冷凍庫で備蓄していたものをどうするのか。

そして、

  • いくら外気が寒いといっても冷凍庫の代わりにはならないので、冷凍庫なし生活はどのような問題が出てくるのか。

 

ということだ。

 

まあ、それはともかくまず、おもむろに冷蔵庫の電源を抜いてみた。

 

スーーッと前面の表示が消え、沈黙する冷蔵庫。

 

しかしこの段階ではまだまだ中身はキンキンに冷えている。

 

さて、どんな冷凍品があったかな?

と見ていくと、柚子の果汁を絞ったものとか、大量の魚とか、ソーセージとか、ベーコンとか、そんなこんなが大量に出てきた。

おでんの練り物もあったので、ソーセージ入りおでんをとりあえず薪ストーブの上で作りつつ、他の食材をどんどん食べていった。

 

いやー、こんなん2年くらい放置してあったんじゃないの?という食材のなれの果てなんかは処分したものもある。

 

それと平行して、冷蔵庫の食材はどんどん外の戸棚にしまっていく。

 

掃除好きのうちの奥さんが、冷蔵庫のあらゆるパーツを洗い始めた。

まるで引っ越しをするときのようだ。

 

「あれ?こんなところに製氷皿が隠れてた」

 

と、使いはじめて四年目にして初めて気づくこともあった笑

 

しばらくは備蓄していた肉や魚で食事が豪華になったが、やがて冷凍庫の食材が底をつくと、今度は粗食になった笑

 

玄米。味噌汁。漬物。畑の野菜などを細々と食べていると、冷蔵庫だけでなく、身体の掃除もできているような気がしてくる。

 

やっぱり冷蔵庫って、保存できるからこそ、無駄なものを詰め込んでいたんだ、と変に納得した。

 

さて、冷蔵庫の電源を切って食材を外に移したからといって、生活にはあまり変化がなかった。

冷凍庫がないのでアイスクリームなどは食べられないし氷は作れないけど、ないならないで何も問題はなかった。

 

それまでは肉類をたくさん冷凍保存していたので、いつでも肉料理が食べられたが、おかずはその時手に入るものを使って、簡単に作ることが増えた。

それがつまり粗食ということだけど笑

 

ご飯を白米から玄米中心に変えたので、栄養価的にも問題はない。

粗食には玄米がよく合う。

 

普段から不必要な栄養をとりまくっている一方で、肉料理中心だと栄養バランスが偏った食事になることもあり、玄米食はしみじみ美味しいなぁと感じることが多かった。

それだけ歳をとったということかな。

 

 

順調な「冷蔵庫なし生活」の中で、危機が訪れたのは一度だけ。

 

2月の頭に、季節外れの春の陽気がやってきて、日中の気温が15℃を超えたときだ。

 

やばい、完全に冷蔵庫の温度を超えた気温になってしもた。

 

二日後くらいに、夫婦揃ってお腹を壊した笑

 

はっきりした原因は不明だが、牛乳が腐ったからじゃないかと推測している。

 

夜まで気温が下がらない時があって、その日の晩酌はビールまでぬるかった。

 

まあ、危機といってもその程度の事だ。

本当は特筆すべきことでもない。

 

そんな暮らしをしていたら、あっという間に1ヶ月が過ぎ、電気料金の検針もあって、伝票がポストに届けられていた。

 

さて、太陽光パネル+冷蔵庫を止めたら消費電力はどれくらいになるのか。

 

結果は1ヶ月で9kwhだった。

一日に300wh。

 

なーんだ。ゼロじゃないんですね。

 

現代の家は一切コンセントや電灯を使わなくても、待機電力と給湯器の電気、それも冬場なので、凍結防止で夜間に水の循環をさせたりするのに電気をコツコツ使うようで、さすがにゼロにはならなかった。

まあ、ブレーカーを落として暮らしてもよかったんだけど、それだと結果が0kwhになるのが分かってしまって逆につまらないので、よかったと思う。

 

電気料金は、うちの地域では全く電気を使わなくても請求される最低料金が341円で、請求金額が360円なので、実質使用した上乗せ分の電気代は19円ということになる。f:id:akagestoves:20210306070042j:image

まあそう考えると、安いね。

 

まあ、お金の節約がしたかったわけじゃなくて、電力会社から電気を供給されなくても暮らせるかどうか、が実験の主眼なので、冬場は暮らせるということが判明だ。

夏場をどう過ごすか、これはまたぼちぼち考えていこう。

 

当たり前に使っているけど、なくなると健康になるものって世の中に多いなぁと実感。

必要悪とまでは言わないけど、保存できてしまうから、毎日ご馳走が食べられる。

肉料理なんて完全にご馳走の部類だ。

毎日のことになると、結果的に内蔵には負担がかかる。

 

そして、無いなら無いで、わりと人間というものはあっさり気持ちの切り替えができるものだ。

 

冷蔵庫もきれいになったし、皆さんも来年の冬は一度冷蔵庫を止めてみませんか。

牛乳が腐ってお腹を壊しても平気な、健康な方限定ですが笑。