薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブ石炭紀① 『リビングインザマテリアルワールド』

『リビング イン ザ マテリアルワールド』 マドンナじゃないよ。 ジョージハリスンです。 ジョージが死んで22年も経つなんて信じられない。 ちなみに僕が生まれたのはジョンレノンが死んだ年だ。 ジョージのリビングインザマテリアルワールドというレコード…

僕はきこりになった 第7話『先ず、チルより始めよ』

林業と言えば、チェーンソーでバリバリ木を伐るというイメージがあった。 そして実際、年がら年中チェーンソーで木を伐っているわけだが……。 林業の仕事を始めても、すぐにチェーンソーを使わせてもらえるわけではなかった。 そもそも「数日間の講習を受けな…

僕はきこりになった 第6話『地獄の沙汰もコシアブラ』

山によく出掛ける一部の人たちの間で言われている言葉に次のようなものがある。 山菜の王様はタラの芽 山菜の女王はコシアブラ タラの芽はかなりメジャーで分かりやすく、採取も容易な山菜なので、そして、なにより美味しいので、王様というのは理解しやすい…

僕はきこりになった 第5話『入社初日の出来事③』

~前回までのあらすじ 林業の世界飛び込んだ入社初日。大ベテランの風貌をしたぺーぺーの先輩、ミスターTにニヤニヤされながら、太い雑木を伐採するためにワイヤーや牽引具を設置して準備をしていたら、午前中が終わってしまった~ お昼は一旦事務所に帰って…

僕はきこりになった 第4話『入社初日の出来事②』

~前回までのあらすじ 従業員が熊に教われた林業会社に就職することになった「僕」。入社初日に地下足袋やヘルメット、のこぎりと鉈を手渡されて、それらを身に付けている時に、出勤してきた、いかにも大ベテランという風格の先輩に声をかけられた、というと…

僕はきこりになった 第3話『入社初日の出来事①』

いよいよ林業の世界に足を踏み入れた。 その記念すべき第1日目に起きたことをおそらく一生わすれないだろう。 2018年4月1日。 その日は日曜日だった。 日曜日も基本的には誰か出勤して作業をしているらしく、その日が僕の初日になった。 とはいえ、日曜日に…

僕はきこりになった 第2話『勝手に準備をする』

従業員が熊に襲われた林業会社に就職することが決まった。 木こりになるのだ。 ん? 熊? ツキノワグマとかグリズリーとかそういう奴か? まあ、それは一旦置いておこう。 林業という職種に就いている知り合いが一人もいないため、就職にあたってどんな準備…

僕はきこりになった 第1話『きこりになる』

今回から、新しいネタを始める。 題して『僕はきこりになった』。 なんのこっちゃ?と思われる方も多いと思うが、タイトルそのままだ。 きこりになったのである。 正確に言うと、全くのド素人から林業の世界に飛び込んで、今日で丸五年が経過した。 小沢健二…

薪ストーブデボン紀⑨ 春の祭典、針葉樹薪の実力、そして次回予告

ふきのとうに始まる春の祭典が始まった。 そう、春に順々に芽吹いていく、山菜や野草たちのパレードだ。 2月後半のまだ雪の溶け残る棚田を歩くと、真っ先に春の訪れを告げるふきのとうが顔を出す。 その小さなつぼみをいただいて、天ぷらにする。ふきのとう…

薪ストーブデボン紀⑧ 大雪で樫の薪棚が崩壊。切り干し大根を作る。

崩壊したときが、焚き時だろう。 いきなり、なんの話かというと…。 大雪で樫の薪棚が崩れた。 もともと屋根として置いていたトタンが不安定だったので、不思議はないが。 雪の重みで屋根が落ちたとき、薪棚の上半分の薪も運命を共にして崩れてしまったようだ…

薪ストーブデボン紀⑦ 薪棚マネジメントも楽じゃない

薪の移動が好きだ。 乾燥した薪を、玄関前のスタンバイ用薪棚に移動させたり、新しく入荷する予定のフレッシュな薪たちのために、薪棚を空けて、薪棚をマネジメントするのは薪ストーブユーザーの日常業務だ。 今年の薪はこの薪棚の薪を使おう。 来年用の薪の…

薪ストーブデボン紀⑥ 今年が終わる前に、短い焚き付けを作ろう

冬が始まる。 今年は秋が来るのも少し遅かった感じで、そのまま晩秋が続いていた気がする。 近くの山もなかなか冠雪せず、かといって暖かいわけでもなく、雪のない枯れ野の風景がいつまでも続いていた印象。 それが、一転。一気に冬が始まったように感じる。…

薪ストーブデボン紀⑤ 薪は沈む。風が冷たくなり、キノコは現れる。

今回はナメコの話だ。 しかしその前に、薪ストーブブログらしい話を…。 薪は沈む。 とてもシンプルな事実だ。 それを証明する画像があるので載せておこう。 ↓この薪棚の左上を定点観測してみた。 拡大してみる。 ↓これが現在の姿。 ↓撮影した角度が少し違う…

薪ストーブデボン紀④ 原木栽培の椎茸、ついに成功せり

原木栽培椎茸なんて、木に菌を打てば簡単にできると思っていた。 それでも、一応育て方を調べて、手順を守って栽培してみた。 ①菌打ちから 原木椎茸となめこを育てる~きのこの菌打ちをする - 薪ストーブクロニクル ②仮伏せ 原木椎茸の仮伏せ~冷やさないよ…

薪ストーブデボン紀③ 銀杏と初焚き

銀杏の季節だ。9月末から10月の頭にかけて、近所の神社を散歩すると、独特の匂いで満ち満ちている。 落ちてる落ちてる。大量の銀杏だ。 むせかえるような、あの匂いがこの空間を支配していて、なかなか強烈だ。 最近知ったとこだけど、銀杏の粒にも大きさ…

薪ストーブデボン紀② まさかこんな日が来るとは

借りている土地にある大きな栗の木が今年も大粒の実をつけた。少し採らせてもらって栗ご飯にしていただいた。 栗は落ちているイガグリを拾う方が楽だけど、まだ若い枝についているイガグリを高枝バサミで落として収穫した方が美味しい。 実も柔らかくて皮も…

薪ストーブデボン紀① 台風の通過とともにシーズンイン。プリッキーヌの話

うちのブログでは9月が薪ストーブのシーズンイン。 今シーズンで6年目だ。 試行錯誤しながらも5年間薪ストーブと関わってきて、さすがに少し慣れてきた気がする。 小割りにする焚き付けの用意なども、割りやすそうな杉の選定から、ある程度の大きさまで割…

薪ストーブシルル紀④ 理想の薪を求めて~クマシデ編

理想の薪とはなんだろう。 ほんのひととき焚き火をするだけなら、すぐに火がついて扱いやすい針葉樹こそが理想だろう。 しかし夜を徹しての長い焚き火なら、そこにはもう少し火持ちのよい雑木も欲しいところだろう。 薪ストーブとなるとまた話は変わってくる…

薪ストーブシルル紀③ 真夏の亡霊

薪ストーブを導入して5回目の冬が終わって、無事、煙突の掃除も完了した。 春に頸椎のヘルニアを発症したために、首に負担のかかる薪割りはもう4ヶ月ほどしていない。 こんなに薪割りをサボったのは、今の生活になってから初めての事だ。 つい最近、よくお…

薪ストーブシルル紀② 煙突掃除を1年サボるとどうなるか?2年ぶりの煙突掃除

久しぶりの更新。 史上最速ペースで梅雨が明け、うだるような真夏の日々が始まったと思ったら、一転、台風4号の影響で梅雨のような雨が続いている。 そんな雨の休日。 煙突掃除をすることにした。 薪の割りすぎ?で頸椎の椎間板ヘルニアになったり、日々色々…

薪ストーブシルル紀① 2021年春夏秋冬総集編

2021年、今年の一枚。 今年もキノコをたくさん食べた。 ↑これはナメコ。幼菌と饅頭サイズに育ったものが共存している。というか、手前の饅頭サイズのものは、ヌメリスギタケモドキかと思ったが(どちらにしても食べられるキノコだ)味はナメコだった。 右上…

オフグリッド中級編① 節電の本丸、冷蔵庫を止めよう

我が家のオフグリッド生活については、これまで、以下のページに色々書いてきた。 オフグリッド カテゴリーの記事一覧 - 薪ストーブクロニクル 主に「オフグリッド入門」と題して、エネルギー、水、ガス、電気、といった生活に欠かせないものを少しずつ自給…

薪ストーブオルドビス紀⑩ 永遠の焼き芋

薪ストーブ料理の基本であり、定番であり、そして永遠のテーマとも言える、「焼き芋」。 今シーズンは、初めてその永遠のテーマと正面から向き合った。 理由は、簡単。 畑で初めてさつま芋を栽培したからだ。 まず、手始めに庭の竈で作ってみる。 コーヒーも…

薪ストーブオルドビス紀⑨ 薪棚を空ける。満たす。増設する。

薪棚が薪で満たされ、1年以上かけて乾燥し、やがて焚かれて一瞬のうちに灰となり、煙は煙突から出ていく。 すると薪棚は空になる。 そこに新しく集めてきた薪を割ってまた満たしていく。 薪作りとは言ってみれば、その繰り返し、永久運動だ。 我が家で一番…

薪ストーブオルドビス紀⑧ 薪ストーブのあれこれ。あったらよかった!なくてもよかった!

去年初めて収穫した新ものの小豆。 ぜんざいにして食べた。 小粒だけど、しっかり小豆らしい味がして、感無量だった。 また次のシーズンも作ろうという気持ちが湧いてくる、贅沢な瞬間。 普段食べるものではなく、ハレの日のご馳走だった。 さて、寒さが一旦…

薪ストーブオルドビス紀⑦ 平家物語と干したエノキダケ。コナラはコナラ。

年が明けてから、しばらくは怒濤の忙しさ。 更新もご無沙汰だった。 ぼんやりしている間にアメリカのボスの首もすげ変わって、その影響で、またトランプの頃とは違った思惑で世の中が回っていくんだろう。 変化に巻き込まれて命の危険に晒される人、利益誘導…

薪ストーブオルドビス紀⑥ さよなら2020~極太アラカシで割り納め

アイヌの言葉で雪は「ウパシ」。 朝起きると、窓から見えるのは、右も左もウパシ、ウパシ、ウパシ。 しばらく、年末と思えないくらいの暖かさだったので、大晦日の土壇場に来て、ようやく年末感が出てきた。 今年も今日で終わり。 パンデミック狂想曲に翻弄…

薪ストーブオルドビス紀⑤ オイルランタン物語・後編~薪集めが本格化してきた

前回からの続き。 農機具小屋で見つけた古ぼけたランプのようなもの。 実は亡き父が40年前に使っていたDIETZ社のオイルランタンだった。 ばらして芯を新しくつけ直し、きれいに磨いて、さて、果たして40年の時を越えて、無事に火は灯るのか? というのが、前…

薪ストーブオルドビス紀④ オイルランタン物語・前編

我が家の農機具小屋にひっそりと置かれていたランプのようなもの。 レトロな雰囲気がよかったので、とりあえずオブジェとしてそのまま居てもらっていた。 手に持ってもやたらと軽くて、自分のイメージにある本格的なランプやランタンの類いとは違う、オモチ…

薪ストーブオルドビス紀③ 秋が過ぎ去り、冬到来~ネスターマーティンの焚き付け風景

紅葉の季節を過ぎれば、あとは枯れ野と雪景色。 少し前はこんな風に紅葉を楽しんでいたのに、 気がつけば冬が来ていた。 寂しい風景には違いないけど、薪ストーブユーザーにとっては待ちに待った季節の到来である。 雪が来る前に薪棚の補充をしよう。 数日前…