薪ストーブ前史63 極太巨大玉のラスボス相手に大苦戦
今年の正月から極太巨大玉の数々と格闘してきた。
薪ストーブ前史・総集編④「極太乾燥玉編」 - 薪ストーブクロニクル
知り合いの工務店さんが、木材置き場にしている場所の朽ち果てた玉切り材を全部持っていっていいよ、と言ってくれていたので、お言葉に甘えて、正月休みから少しずつ時間をみつけて運んでは割るということを繰り返してきた。
いったい何立米運んだだろうか?とにかく莫大な量だ。
それから8か月余り。その間10回ほどはその場所から自分の薪場に運びいれるということを繰り返した。
そして気がつくとあと一往復で全ての木を運べる、というところまでたどり着いた。
最後の最後まで残ったのはこの巨木だ。
バーサイズ35㎝のチェーンソーがおもちゃのように見える。
まさに、最後にふさわしい。ラスボスの風格漂う極太玉だ。
風雪に耐えて色はどす黒く変色し、苔やキノコが生え、明らかに割りにくそうな大きな節が側面に見える。
あらゆる意味で薪割り人を萎えさせる条件を兼ね備えた、凶悪な玉だ。
重さはたぶん、軽く100キロを超えているだろう。このまま車に積めるはずもなく、もちろん今まで同様、チェーンソーで切る。
それも二等分では持てないはずなので、三等分に切る。
縦に切ってから、さらに横半分に切ることにしてチェーンソーのエンジンをかける。
日向に立っているだけで、汗の玉が噴き出すような、文字通りの炎天下だ。日陰を作ってくれるような樹木も見当たらない。
太陽をまともに受けて、ひぃひぃ言いながらひたすら切っていく。
「うわっっ」
切りはじめてさほど時間も経たないうちから、あろうことか、チェーンソーのチェーンが外れた。
汗をぼとぼとこぼしながら、工具でカバーをはずし、チェーンをつけ直す。
一回目の切断を終えてしばらくすると、急にチェーンソーが止まる。
「ぼへーー」
今度はガソリン切れである。
またまた汗をジョバジョバこぼしながら、そしてガソリンもうまく入らず、ジョバジョバこぼしながら、もう適当でいいわ、と本当に適当に給油をして、切断再開。
さすがラスボス。
一筋縄でいかない。
苦心惨憺、ようやく切り終えた。
車に積み込む。
これだけ切ったのに、まだ死ぬほど重い。
最後に残った一番大きな玉を運び終えて、木材置き場はほぼきれいに何もなくなった。
同じアングルで昔、撮った画像が下のもの。
まだ寒い季節だったので草は全然生えていないが、木はまだたくさん置いてある。一番最初に撮った写真じゃないので、本当はもっとたくさんあった。
我が事ながら、よく運んだと思う(笑)。
運転席に座って後部座席を振り返ると、朽ちかけた莫大な木の表情がなんか不気味だった。
さ、帰って割るかー。