薪ストーブ始生代35 茶畑山の薪仕事①~道が枝木で封鎖されてるぢゃないか
我が家のある、山の中腹の集落。
昔から代々そこで暮らす村人?のみなさんは、どこの家もだいたい自分の山を持っている。
うちの家はここからここまで、うちはこの部分、という感じで、山の中に線引きがなされていて、それぞれの土地を管理しているようだ。
僕は、子供の頃からそこに育ったのだが、もともとは地元の人間ではない。親の代に引っ越してきたからだ。
だから、田畑や山を持っているわけではない。
もし、自分の山があれば、薪ストーブユーザーとしてはこれほど力強いことはない。
いつでも遠慮することなく、山から木を切り出してきて、薪にすればいいのだから。
しかし、それはさすがに望みすぎであろう、と思っていた。
田舎なので、原木を手に入れるチャンスはたくさんあるはずだし、そこを確実にものにして薪集めをしていこう、と。
それに、神社の隣の森に、台風で倒れた木がたくさんあるので、それを薪にするだけでもずいぶん助かるのだ。
ところが事態は急展開する。
当ブログ『薪ストーブクロニクル』は、ここにきて、予想もしなかった新しい局面を迎えることになるのだ。
なんと、お隣のおっちゃんが、薪を貪欲に欲しがる僕の欲望を見抜いてか、
「うちの山にある木を自由に伐って薪にしていいぞ」
という、およそ薪ストーブユーザーが聞いたら誰もが涎をたらすこと間違いなしの提案をしてくれたのだ。
しかも、そのおっちゃんの持っている山は、切り出す場所のすぐ近くまで軽トラでアクセスできる、という神がかった好条件の山なのだ。
近くに茶畑が広がっているので、便宜的にその山を「茶畑山」と名付けた。
茶畑山を見に行くと、針葉樹は少なく、様々な樹種の広葉樹が生えている。一番多いのはくぬぎの木だ。コナラと並んで、薪に最適の木だと専らの噂なので、思わず胸が高鳴る。
どれでも好きなものを伐って持っていったらいい、という。ただし、桜と山桜だけは、切らずに残しておいてほしい、とのことだった。
いくらなんでも条件が良すぎる。これだけ条件が良ければ、お金を払うこともやぶさかではないのだが、おっちゃんが言うには、お金はいらんけど身体がきつくなってきて草刈りが大変になってきたから手伝ってほしい、とのこと。
そんなことなら、お金はないけど時間はある今の生活にぴったりの申し出なので、ありがたく山に入らせてもらうことにする。
と、ここまでが少し前に山の下見に行ったときの話だ。
そのあと、木を見に行こう行こうと思っていると週末の度に雨が降ったり台風が来たり、なかなかその後の展開が始まらなかった。
そして、つい先日、ようやく週末が晴れたので、茶畑山の入り口まで行ってみると、台風で木が倒れ、折れた枝が山積し、木を切り出す場所までの道が完全に封鎖されていた。
車で入ることは不可能だ。
仕方がない。
まずは通路を確保するところからスタートだ。
チェーンソーを片手に、おもむろに封鎖された山へとわけ入っていくのであった。
<つづく>