薪ストーブ始生代・総集編⑧「薪ストーブクッキングpart2」
1.焼きマシュマロ
やりそうでやらなかった、薪ストーブマシュマロ。
たまたま輸入食材店でマシュマロの見切り品があったので、来客があったときの余興に、と思ってひとつ購入してみた。
なんか妙にでかいマシュマロだなぁ、と思ってよく見るとMade in USA。
「ロッキーマウンテン・マシュマロ」なる品名がつけられた、どぎつい香りを発する巨マシュマロだった。
で、来客のとき、早速やってみた。
ピザを焼いた後だったので、ほとんど燠しか残っていない炉内。
ちゃんと焼けるかな、と思ったが、そんなに燠に近づけなくてもしっかり香ばしく焦げ目がつき、食べてみると焼きカラメルのようなサックリした食感も楽しめて、意外なくらい美味しいものだった。
よく、焼いたマシュマロをクラッカーなどに挟んだりする食べ方の紹介を見たりするが、クラッカーなどで挟むと、マシュマロ自体の変化した食感に気づきにくいので、そのまま食べるのもおすすめだ。
さて、その来客の方で、焼きマシュマロをして楽しんでいるときに不在だった人がいた。せっかくなので後でひとりで焼いてみてください、ということになって、その方が炉内にマシュマロを突っ込んでおられたのだが、なぜか悲鳴のようなものが聞こえて振り返ると、マシュマロがメラメラと炎をあげて燃えていた。
どうやら燠に近づけすぎたようだ。
マシュマロは意外と容易く発火するので、室内で焼きマシュマロをするときは、注意してください(笑)。
ちなみに結構勢いよく燃えていたので息を吹きかけたくらいでは消せなかった。
あまりに衝撃の展開に、画像を撮り忘れたのが悔やまれる。
2.薪ストーブでパンを焼く
何回も焼いた薪ストーブピザは、いつもとても美味しくて、また食べたいなぁという気持ちになるのだが、パンは焼いたことがなかった。
とある深夜、いつものように薪ストーブピザを作ったあとでピザ生地とトマトソースが残ったので、奥さんがトマトソースとベーコンを巻き込んだパンをおもむろに焼き始めた。
炉内はすでに燠だけになっており、ピザ用の台の上にパンを置いて焼いたら、下の方がやや焦げ始めたので、生焼けかもしれないけど、とりあえず取り出して次の日まで置いておいた(らしい。というのも、僕はお酒の飲みすぎで早々に寝てしまって、この辺りのくだりは知らないからだ(笑))
さて、次の日、生焼けかもしれないと不安に思いながら切ってみると、中までしっかり火が通っている。
パッと見は美味しそうだ。
で、実際の味はどうだったかというと、普段焼いているホームベーカリーのパンとは比べ物にならないくらい美味しかった。
薪火で焼いたパンは、ここまで美味しくなるのか、とかなり驚いた。
さらにその次の日も残りを食べたのだが、いつまで経ってもパンの美味しさは変わらなかった。
焼き立てではないパンにここまで感動することはなかなかないと思う。
いろんなバリエーションのパンを焼いてみたい。
3.リンゴのカスタードタルトを焼く
おいしい生クリームが手に入ったので、リンゴのタルトを(奥さんが)作ることになった。
せっかくなので、オーブンレンジではなく薪ストーブで焼いてみようということになった。
タルト生地から手作りだ。
うちの奥さんがせっせと作っていて気づいたらここまで出来ていた(笑)。
さて、ストーブの炉内に充分な燠をためて、温めておく。
そこに耐熱ガラスにすっぽり入れたタルトを置く。
サイズがギリギリだったので焦った。これより大きい耐熱皿は入れられないな。
で、もちろんドアを閉めて、しばらく様子を見る。
普通のオーブンだと40分ぐらい焼くみたいだが、薪ストーブはなんせ熱量が比べ物にならないくらい高い。
20分ぐらいで、いい感じに焼き目がついてきた。逆に言えば、時々チェックしないでレシピ通りの時間で焼いていたら、黒こげになっていた可能性もある。
この辺は、慣れだろう。
完成したタルト。
生クリーム仕立てのカスタードが絶妙だった。
せっかくなので、薪ストーブの炎を見ながらいただく。
夜なのでスコッチウイスキーと一緒に食べた。うまいに決まってますね(笑)。
4.薪ストーブの天板で遊ぶ
ネスターマーティンS33は、重量150kg。
中型ストーブの部類に入る。
大型のものと比べると、天板はそれほど広いわけではない。
しかし、ご覧の通り、大きめの鍋や土鍋も含めて5つも、鍋ややかんを乗せることができる。
これはある日の晩御飯の準備をしているときの状況だ。
上から見るとこんな感じ。
まさしく、所せましだ。
やかん二つは湯沸かし。
寸胴鍋は加湿。
蓋のついた鍋は晩ごはんのおかずだ。
えっ?撮影用(ブログ用)にそこら辺の鍋や土鍋を適当に置いただけじゃないのかって?
そ、そんな馬鹿な・・・
では鍋の蓋を開けてみよう。
鍋の蓋、オープン!
ほら、味のしゅんだ二日目のおでんと、水から置いておくだけで絶品の湯豆腐だ。
そろそろ食べ頃かもしれない。
湯豆腐には、畑で採ってきたネギとおろし生姜、そして自家製の柚子ポン酢をたっぷりかけていただく。
お酒は、加湿用の寸胴鍋のなかに銚子をいれて燗にした熱燗が素晴らしくマッチした。
天板は楽しい。
常に使い放題の熱源を手にしているようなものだ。
そこで温めた料理は、電子レンジで温めたものよりずっと美味しく感じるし、電気代もゼロだ。
冷やご飯も天板で蒸して温めるし、味噌汁やおでんなんかはお手のもの。
今度は栗を焼いてみようと画策中。
ところで、鋳物製の薪ストーブは天板があまり熱くならないので、お湯がグラグラ沸かない、という事が薪ストーブ選びの時にいつも気になっていた。
天板が熱くならないと、上に書いたような天板ライフは送れないんじゃなかろうか、と。
実際どうだったかというと、半分当たっていて半分は外れていた。
普通の鋳物の天板部分だけでもお湯は熱々になるし(お茶を入れたりするなら熱すぎるくらいに熱くなる)、煮物は結構しっかり温まる。
そういう意味では、鋳物製の薪ストーブでもしっかり天板を利用できる。
しかし、やはり鋳物部分は温まるのにも時間がかかるし、野菜を蒸したり、フライパンを置いてソーセージを焼いたり、とまあそんなことをするのはちょっと難しく感じる。
できなくはないけど、ちょっと辛気くさいのだ。
スローライフとはいえ、あまり時間がかかりすぎては興ざめだ。
だから、天板をフル活用したい向きには、やはり天板がシングル構造の薪ストーブや、鋼鉄製の薪ストーブ、もしくはクッキングトップ的なものがついていて高温調理可能なものがおすすめだと思う。
なくてもいいけど、あるとなんとなく楽しい。とても嬉しい。高温になる天板はそんな存在だ。
天板で遊ぶのに最適な薪ストーブを少しだけ紹介する。
まず、鋼鉄製の薪ストーブは例外なく熱くなるようだ。
シングル構造の鋳物製の薪ストーブでは、コンツーラのヤンソンやドブレの700SLなどがある。たぶんもっと色々あると思う。
そして、シングル構造ではないけど、クッキングトップ的なものがついている(もしくは)薪ストーブはヨツールのF500、あとハースストーンのストーブなんかも高温になるクッキングトップがつけられる。
国産のアグニなんかも、バリバリの天板コンシャスな薪ストーブだ。
もちろん、我らがネスターマーティンもBトップ仕様にすれば、夢の天板ライフが約束される(笑)。
忘れてはいけないのは(まあ誰も忘れないとは思うけど)、天板で遊ぶなら、ウォーミングシェルフまである、アンコールやディファイアントがなんといっても一番楽しそうだ。
これだけは悔しいけど、否定しようのない事実だと思う。しらんけど。