薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブコラム②:薪の消費量と薪の乾燥

薪は足りるんだろうか。

薪ストーブ一年目を迎えるにあたって感じていた不安は、まずそのことだった。

 

そして2月。薪ストーブシーズンも最終コーナーに入りつつある。

 

薪ストーブの薪の消費量と乾燥具合について、この一年目のシーズンで感じたことを書いてみる。

もちろん、まだ初心者なので、あくまでも初心者としての感想だ。

数年後に振り返れば、また違うことを思うかもしれない。

しかしまあ、今感じたことを書くことにも何らかの意味はあろうと思う。

 

さて、薪の消費量だが、一年目を迎えるにあたって集めてきた薪は、その多くが長く放置された玉や、朽ちかけた薪などだった。

つまり含水率などは始めから低い状態で、これ以上乾燥させる必要もない、すぐ焚ける薪だった。

中には木の繊維がカスカスになった、ボケ薪も混じっており、手に持った時に広葉樹とは思えないほど軽いものも散見された。

 

で、そのような薪を1立米、1ヶ月で焚いてしまった。

これは完全に予想外だった。

最初に想定していた倍のスピードで薪がなくなっていくのだ。

寒さが厳しくなった1月からは、さらにどんどん焚いてどんどん減っていった。

 

ここで疑問なのは、乾燥が進みすぎた薪は燃え尽きるのも早いのかどうか、ということだ。貰い物の薪なので贅沢は言えないが、これが2年ほどしっかり乾燥させた、密度の濃い楢やくぬぎの薪だったら、どうなのだろう?

やはり1立米は1ヶ月ほどで焚いてしまうのだろうか。

それとも、ベストな状態の薪なら、薪棚からなくなっていく消費量も少なめなのだろうか。

このことは再来年に検証してみる。

というのも、去年の11月ごろに伐り出したくぬぎが大量にあり、それをしっかり2年間乾燥させて良質の薪に育てる長期的なプランがあるからだ。

 

なぜ、2年乾燥なのだろうか。

ここからが、今日のコラムの二つ目のテーマ「薪の乾燥について」だ。

 

実は我が家にも、まだ含水率の高い、切って間もない原木の広葉樹が何本かあった。

始めに薪割りをした「栗」や、工務店でもらってきた「桜」、そして団地の街路樹を切っているところをもらってきた「欅(けやき)」も多くはないが、未乾燥のものだった。

栗や桜は薪割りをしてから約1年が経っている。

1年乾燥させれば充分焚けると思っていたのだが・・。

割ってから半年ほどしっかり太陽と風にあてた栗の薪は、全く問題なく燃えた。

二月はこの栗を主に焚いて暖をとっている。

栗ははぜるが、それほど危ないと思ったこともなく、むしろ杉や端材などの方が、パチパチ火の粉が飛んできて恐かったりする。

栗は導管が長くて乾燥しやすいのだろうか。

火持ちは大したことないけれど、よく燃えて重宝している。

 

しかし、桜を燃やしているときは「あれっ?」と思うことがたびたびあった。

 

まだストーブの温度が低い状態で燃やすと、桜の薪の断面からプシュプシュと水が出たりしたのだ。

かなり細かく割った小割りでさえもプシュプシュと水が吹いた。

かと思えば、太いものでも全く問題なく焚けるものもあり、いずれにしてもストーブが巡航運転に達する頃には、プシュプシュ言うことはなくなった。

しかし、桜の薪をくべてもストーブの温度があまり上がらず、どちらかというと、燃えているのに温度が下がってしまったりしたこともあった。

1年はしっかり乾燥させたはずなのに、これは一体どうしたことだろうか。

 

ひとつ心当たりがあるのは、桜の薪は前後2列に置いて乾燥させていた。そして、太陽がよく当たる、そして風も全面に受ける前列の薪はどれもよく燃えていた気がするのだ。

そして前列の薪を焚き尽くして、陽も風もあたりにくい後列の下の方の薪を使い始めると、水が出たり温度が上がらない、という症状が出始めたのだ。

 

薪棚を2列並べると乾燥しにくい、という話をどこかで読んだことがあったけど、つまりはそういうことなのかもしれない。

同じ条件で割った薪でも薪棚の前列か後列か、という違いだけで含水率に大きな違いが出るのだ。

 

そしてもうひとつの未乾燥広葉樹であるけやきの薪だが、けやきの薪は細い枝の部分がメインだったので、割らずに丸いまま置いておいた。いわゆる「腕薪」というやつだ。

これは乾燥に時間がかかる、とは聞いていた。

果たして、実際に焚いてみると、細くて短くいものであっても、丸のままだとプシュプシュと水が出た。

けやきは玉切りしてから1年未満なので、当然かもしれないが、そもそも比重が高くて乾燥しにくい樹種であり、さらに丸のまま割らずに置いておいたのだから、まあこの結果は予想通りではあるのだが、それでも一夏越しただけでは焚けない(もしくは焚くのがあまり好ましくない)薪があるのだ、ということを身を持って経験した。

やはり未乾燥の広葉樹の薪は、ふた夏越してばっちり乾燥させたものを焚きたいぞ、と思った。

 

やはり、薪は2年乾燥をベースに考えたい。

というか、まる2年後に期待だ。

2年乾燥させたくぬぎを前にしてもう一度、薪は2年乾燥がいいのかどうか、そのあたりを書いてみたい。

 

さて、そこで困るのが来年の薪をどうするか、という事だ。

2年乾燥を基本にするなら、今年集めた大量のくぬぎは来年用には使えない(使わない方がいい)ということになる。

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つまり去年集めた薪の残りと、今年集めた針葉樹、今年集めた朽ちかけた薪やボケ薪あたりは乾燥が早そうなので、そのあたりを駆使しながら来年を乗りきるしかないかもしれない。

 

ファーストシーズンが終わらないうちから、早くも来シーズンの苦戦が予想されている。

どうする?

 

まあ、なんとかなるでしょう。