薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

ネスターマーティンS33の焚き付け

薪ストーブシーズンもあと少しで終わる。

以前にこんな記事を書いていたのだが、

薪ストーブ始生代⑫ネスターマーティンには焚き付けをもっと - 薪ストーブクロニクル

 焚き付け材の使い方、そして焚き付けをスタートしてから、薪ストーブはどう変化していくのか、ワンシーズンを過ごしてみて感じたことなど、色々書いてみたい。まずは焚き付けてから巡航運転に至るまでの様子についてだ。

 

 3月の肌寒い夕方。外気温はだんだん下がってきて6℃になった。夜に向けてさらに下がるだろう。

日も暮れたので薪ストーブを着けることにした。

少し時間と薪ストーブ、そして室温の変化について詳しくレポートしてみたい。

 

18:15

焚き付けスタート

f:id:akagestoves:20180311182533j:image

この時点での室内の温度と湿度は、
f:id:akagestoves:20180311182553j:image

室温14℃、湿度は57%ほどだ。

よく、薪ストーブブログなどの色んなところに書いてあるが、ネスターマーティンという薪ストーブはそもそも空気量が少ない設計なのだそうで、気密性が非常に高い。なので焚き付けはじめはドアを閉めてしまうと空気が少なすぎてよく燃えない。だから、フロントドアを少しだけ開けて、空気を送り込んであげる必要があるのだ。

 

18:30

少しずつ温まってきた。

f:id:akagestoves:20180311183159j:image
始めにいれた端材はかなりよく燃えている。

この辺りでしっかり火が回り始めているので、少しだけ開けていたフロントドアも閉め切って大丈夫だ。

 

火力アップのため焚き付け材の端材を追加した。
f:id:akagestoves:20180311183316j:image
この段階では室温、湿度、ともに変化はない。

薪ストーブの天板の温度もまだあまり上がらず、50℃程度だ。
f:id:akagestoves:20180311183546j:image

巡航運転に達するまでに時間がかかるとの悪名高い(笑)ネスターマーティンだけのことはあって、相変わらずのスロースターターぶりだ。

しかしここで慌ててはいけない。焦らず、のびり木をくべていこう。

f:id:akagestoves:20180311184436j:image

 

18:45

焚き付け開始から30分が経過した。

 天板の温度は100℃を超えた。
f:id:akagestoves:20180311184726j:image

しかしまだまだ巡航運転にはほど遠い。室温は1℃上がって15℃になった。

広葉樹1本と針葉樹の端材2本、どちらも細めのものを投入した。

 

シーズンの始め頃、焚き付け材がものすごくたくさん必要だと思っていた頃は、この最初の段階で端材だけをボンボン放り込んでいた。

端材はよく燃えるので焚き付けに最適だが、燃え尽きるのもすぐなので、用意していたものが瞬く間になくなっていったのだ。

端材を入れて火力を強くしているところに同時平行して細めの広葉樹を入れていくと、広葉樹はじっくしっかり温度をあげてくれるので、焚き付け材の減りがかなり抑えられたと思う。

シーズンの後半は、焚き付け時の小割りの広葉樹と針葉樹のバランスをうまくとって、焚き付けスピードと焚き付け材の節約ができるようになったと思う。

 

19:00

焚き付け開始から45分が経過。

焚き付け始めにBtopに置いておいたやかんがグラグラ沸いている。

天板の温度は150℃を超えてきて巡航運転に達しようとしている。
f:id:akagestoves:20180311190123j:image

室温は16℃。少しずつ上がってきた。

湿度は53%と少し下がってきた。 

 

 ここまでストーブの温度が上がれば、普通の薪なら何を入れてもだいたいよく燃えてくれる。

今回はややけ細めのけやき薪を2本投入だ。

室温はなかなか上がらないが、巡航運転になってからはグングン上昇する。

f:id:akagestoves:20180311190444j:image

よく燃えている。

 

ここまで温度が上がったので、空気調節のABレバーを焚き付け時の真ん中の位置から上のAポジションへ移動させる。

しかし1~3まである通常の空気レバーは触らない。3のままにして空気は絞らず、天板温度が上がりすぎない限りはたっぷりの空気で焚くようにしている。部屋が暑くなりすぎたら、換気したり、締め切っている部屋を開けて温度調節をしている。

 

19:15

焚き付け開始から一時間が経過。

f:id:akagestoves:20180311191550j:image

 天板温度は200℃を超えて、しっかりとした熱を放ちはじめる。

f:id:akagestoves:20180311191610j:image

室温は17℃。湿度は50%。

もう、寒くは感じないぞ。

巡航運転になるまでに約45分。そして一時間もすれば、部屋がポカポカしてきたことをしっかり実感できるようになってくる。

厳冬期の1月から2月前半ごろまでのマジで寒い時期は、薪ストーブ周辺以外はなかなか暖まらないように感じるが、今の季節なら一時間も焚けば部屋全体がほんわか暖まってくる。

この温もりは、不思議と心を豊かな気持ちにさせてくれる。

 

薪ストーブのスローライフっぷりは、こんな感じだ。

温まるのに一時間もかかるのか、と不便さを嘆く向きもあろうが、慣れればこれが当たり前になって、不便さを感じることはない。

それに巡航運転になってからの薪ストーブの実力は本当にすごい。

 

 19:45

焚き付け開始から1時間30分経過。

部屋はもうかなりポカポカしている感じがする。

天板の温度は30分前と変わらず200℃ほどだ。
f:id:akagestoves:20180311194701j:image

ただ、上がりすぎて少し空気を絞り、また全開にもどしてある。微調整はしているのだ。
f:id:akagestoves:20180311194723j:image

室温は20℃。かなり心地よい温度。

焚き付けから一時間半で6℃上昇したことになる。

湿度は約46%。

こちらは一時間半で10%ほど下がった。

 

と、まあ、ネスターマーティンS33を焚き付けをしていくと、こんな感じで室温と湿度、そして天板温度が変化していく。

 

何かの参考になるだろうか。

わからん。

 

あくまでも寒いとは言え、3月のデータなのでそのことを踏まえてほしい。

 


f:id:akagestoves:20180311195434j:image

暖かくなったストーブのまわりで猫たちもご満悦だ。