薪ストーブ始生代99 焚き付けがないぞ、どうしよう?そしてロードオブザリングについての短い考察
さて、寒波が帰ってきた。
いきなりこんなに寒さが戻ってくるんかい。
昨夜はうちの奥さんが仕事を終えて家に帰ったら、なんと室温11℃。
まさかのこの冬の(室温の)最低気温を記録しているじゃないか。真冬は毎晩焚いていたし、特に寒い日は朝でもガツンと焚いていた。だから、室温はどんなに低くても12~13℃までしか下がらなかった。それどころか、外気温が氷点下でも、着火前から15℃ぐらい室温があるのが普通だったのだ。
それが、3月も終わろうというのに、11℃とな。
最近はまっている映画ロードオブザリングのフロドバキンズさんの従者サム風に、うちの奥さんから、
「だんなさまーだんなさまー室温が11℃しかねえです」
と連絡が入ったので、焚き付けをしてもらうようお願いした。
しかし、もう寒くならないだろう、という甘すぎる予想のもと、あまり焚き付け材を用意していなかったために、焚き付けが危ういらしい。巡航運転まで持っていけるかどうかも微妙な感じらしいのだ。
焚けるものはなんでも焚いていこう、という方針になった。
そして少し遅れて僕も帰宅。
家に帰ると桶が燃えていた(笑)。
見事に湾曲したこの桶、実は奥さんの実家でバラバラに壊れたので、焚き物にでも使って、といただいてきたものだ。
しかし、その桶を全て焚いてしまってもまだ巡航運転まであと一歩だ。
よし、柄杓というかおたまというか、こいつを燃やそう。
この木のおたま、素敵なのだが、実用向きではなく、あまり出番がなかった。
いっそのこと、断捨離も兼ねて燃やしてしまおう、ということになって出番を待っていたのだ。
ここで一世一代の大舞台に登場だ。
さて投入。
火が回ってきて、
はい燃えた。
人間だっていつかは灰になっちまうんだけど、薪ストーブを使っていても色んな廃材や木できたものが燃やされて、すべからく灰になる。
それってとても潔いなぁといつも思う。
薪をどれだけ蓄えても、それをどんどん使ってどんどんなくなっていく。
そしてまた木を切って、割って薪にして、また空になった薪棚に積み上げていく。
実にリアルな暮らしだ。
金を貯める時に感じるある種の胡散臭さとは全く違う、リアルに生きるためのサイクルだ。
そして燃えるときはあっけなく燃え尽きる。
薪だろうと、桶だろうと、おたまだろうと(笑)。
桶とおたまの活躍もあってストーブは無事に巡航運転に達した。
室温はグングン上昇し、就寝時には20℃を超えていた。
先程もちょろっと出てきたが、最近ロードオブザリングのDVDを借りたので頭から順番に観ている。
世界を支配する力を持つ「ひとつの指輪」を巡って起きる、スケールの大きすぎる戦争。
善人も悪人も、みんな「ひとつの指輪」を前にすると理性を失う。そしてそれを奪い合って身を滅ぼしていく。
なんか、やたらと教訓めいてますね。
現代社会も、いびつに発展した科学技術やそれを使いこなせないのに手放せない人たちがいるよなーと。
原子力技術なんて、もうこの「ひとつの指輪」そのものだ。核を持てば確かに他を圧倒する力を持てるだろう。原子力発電もそうだ。危険だと分かっているのに、そして現実にその危険が身に降りかかったのに、それでも理性を失っているのか、お金という「もうひとつの指輪」に心を奪われて、原子力発電所を手放す決断が出来なかった。
どれだけ優秀な頭脳を持っていようと、どれだけうまく国民をだませても、実際は「ひとつの指輪」を前にして理性を失なったゴラムでしかない。いや、ゴラム以下だ。優秀な頭脳が下す間違った決断ほど罪の重いものはない。その頭脳は、間違いなく天からの授かり物、ある種の「ギフト」なのだから。
それとも、ゴラムと同じく長く指輪を持ちすぎたために心を病んでしまったのだろうか。そうだとすれば、それは悲劇以外の何物でもない。
一刻も早くその指輪を「滅びの山」の火口に捨てなければいけない。
原発を再稼働している場合じゃないぜ。
とかなんとか、そんなことを考えながら、ロードオブザリングを観ていた。
映画に出てくる主人公の一人であるフロドバキンズさんはホビット族という小さい種族だ。
ホビット族は、野菜や果物を育て、草花を愛で、食事を心から楽しみ、他の種族を干渉することなく、自分達の暮らしを大切に守っている。そこにもいさかいや小競り合いはあるが、それでもじつにつましく平和に暮らしている。
そしてパイプ草という煙草のようなものを非常に愛している。
僕は煙草は吸わないが、なんとも理想的な暮らしじゃないか。本当に、できることならホビットのように暮らしたい。
ちなみにホビット族は薪割りを日々の大切な仕事としていて、家には素敵な暖炉があり、いつも赤々とした火が燃えている。
そんなところも素敵なポイントだ。おお、薪ストーブブログらしいところに繋げられたぞ(笑)。
ちなみに、ロードオブザリングの原作の『指輪物語』は世界史上屈指のベストセラーだそうで、これまでに発行された全ての書籍の中で、トップ3に入るほど売れまくったらしいが、それもまたすごい話ですね。
何億冊か知らないが、それだけの数の本が読まれたのなら、ぜひともそこにある教訓にも目を向けて、読者がガンダルフのように正しい世の中に導いてほしいものだ。