オフグリッド入門②~雨水をためて洗濯に使う
引き続き、水のオフグリッドのお話だ。
しかし、そもそも水道に関して、オフグリッドという言葉を使うのは正しいのだろうか。
正確には、オフグリッドの意味するところは「グリッド」がオフであるということ。ではグリッドとは何かというと、電気を供給する送電システムのことだ。
電力会社の送電システム(グリッド)から切り離された状態(オフ)のことなので、水道には使わないらしい。
しかし、「オフグリッド的な暮らし」という広い意味では、電気をはじめとしてガスや水道など、はたまたガソリンや灯油などのインフラや燃料などを、すべからく自分で賄おうと(努力)する暮らしのことなので、あまり気にしないように。
送電システムから電気をもらわないと我々の今の暮らしが全く成り立たない、という常識がまかり通っているので、やはり最後はその常識をくつがえすことを目指したいのだが・・・。
さて、それはさておき、雨水タンクの話の続きだ。
前回は、250㍑の畑用雨水タンクを設置した話だったが、母屋にもうひとつタンクをつけた。
こいつは、縦、横、高さがそれぞれ1㍍×1㍍×1㍍の立方体だ。
1立米の水が貯められる。1立米の水は1トン。
1トンというと、大量の水という感じもするが、はっきり言って生活に必要な水の全てを賄えるような量ではない。
雨がコンスタントに降ればいつでも使えるが、しばらく雨が降らないととたんに枯れてしまう(笑)。
なので我が家では、ここにたまった雨水を洗濯専用に使うことにした。
洗濯なら、うまく使えばほぼ全量を雨水でまかなえるはずだ。もし足りなくなれば、いつでも水道の栓と切り替えられるようにしておいた。
右の栓が水道からくる水で、左の栓が雨水のタンクからくる水だ。
屋根に降った雨がトユをつたってタンクに流れ込む、という構造自体は小屋につけたDIY雨水タンクと同じだ。
この間もこのブログのコメントで、洗濯用とトイレ用に雨水タンクを自作で設置したという方がいたが、配管関係に詳しければ自分でもできるのだろう。
僕は、設備系に詳しくないうえに、性格も大雑把なので、近くの業者さんにお願いした。
たまった水をポンプで組み上げて、
洗濯機から雨水が出てくる。
おお。
このタンクには蛇口がついているので、非常時(断水時)にはその蛇口から水を供給することも可能だ。
まあそれも、雨次第なのだが。
わざわざ洗濯機に直結してまで雨水タンクを設置するメリットがよく分からない、という方もおられるかと思う。
我が家で雨水を洗濯に使おうと思った最大の理由は、粉石鹸を使っているからだ。
水道水で洗濯をすると、粉石鹸はどうしても石鹸カスが残る。特に黒いシャツなどには、白いカスが必ずついている。
見た目にも嫌だが、これは石鹸が完全に溶けていないということも意味している。
水道水は塩素消毒しているので、ミネラル分が含まれている。そのミネラルと石鹸が反応して完全に溶けきらないのだそうだ。
そして、雨水だが、なんだか汚そうなイメージを持ってしまいがちだが、実は雨水は蒸留水。つまり真水だ。
ミネラル分が含まれていないので、石鹸カスが残らない(らしい)。
粉石鹸ユーザーにとって、雨水が洗濯に利用できるというのは福音なのだ。
まあ、実証実験はこれからじっくりしてみる。
実際はどうだったか、また後日報告する。
ちなみに、野菜の水やりにも、塩素が含まれている水道水よりも、雨水の方がずっといいらしい。
そちらも(実証実験が可能かどうかはわからないが)、試してみたい。