薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブカンブリア紀⑮ 野草に開眼。畑も充実。焚き付けも作る

スーパーマーケットに行けば、今が端境期だなんてことを忘れてしまうくらい、ありとあらゆる野菜が棚に並んでいる。

 

だから、食べる野菜がないなんて言っても信じてもらえないかもしれない。

 

でも、確かに今は冬野菜と夏野菜の収穫期の境の、野菜が採れない季節だ。

 

春の野菜だってあるにはある。

 

春キャベツ、わけぎ、絹さや、エンドウマメ

 

我が家で毎日収穫できるのは、その中でも、絹さや、スナップエンドウ、そして萌芽を摘み取って食べるブロッコリーくらいのものだ。

 

お金を出せば、トマトだろうがカボチャだろうが、小松菜だろうが、なんだって買えるんだけど、自称オフグリッダーとしてはなんとか自分の庭で日々の食を賄いたい。

 

肉類はおいそれとは無理でも、野菜類はなんとかならないものか。

 

そこで、目をつけたのが、山菜と野草だ。

 

山菜はどちらかというと、春のご馳走の部類に入る。

 

フキノトウから始まって、つくし、タラの芽、コシアブラ、タカノツメ、わらびにこごみetcetc...。

てんぷらにして、食べれば、それこそ他の季節には食べられない味わい深さにため息が出る。

 

しかし、山菜はなかなか家の庭には生えていない。

 

そこで野草だ。

 

野草。つまり、言葉を変えれば「草」。もっと身も蓋もない表現を使えば雑草だ。

 

しかし、雑草とは。

この雑草という言葉ほど、現代の人間の独善とエゴを剥き出しにした呼び方もないだろう。

 

現代の暮らしに役に立たない草をまとめて雑草と呼ぶわけだ。

 

例えば我が家の「雑草」たち。

ウシハコベカラスノエンドウヒメオドリコソウオオイヌノフグリホトケノザなどなど

この草たちは土が酸性にもアルカリ性にも傾いていない、野菜の栽培に理想的なpHであることを教えてくれる。

ここにスギナがボーボーと生えくるようだと、土が強酸性になってるよ、というサイン。

 

お昼どき。

 

腹が減って、さあランチだ、となったとき、畑で絹さややブロッコリー、そして間引いた水菜やヒノ菜を摘んでくる。いや、これじゃ全然足りないぞ、となれば、ハコベユキノシタも摘んできて、一緒にラーメンの具にしよう。

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それぞれ、サッと茹でてラーメンにトッピング。
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味噌ラーメンのちょっとこってりした味わいによく合う。特にハコベはシャキシャキしてうまかった。

 

こいつはハコベでチャーハンも作ってみても良さそうだ。
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少し多めに摘んでくる。なんたって、勢いの良い草だ。庭になんぼでも生えている。

これを刻んで、チャーハンに。
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これもうまかった。

ニンニクやネギの野生種みたいな野草、ノビルも刻んで入れている。

 

さて、お次はこごみの天ぷらを食べようと思ったけど、こごみの量が少なかったので、賑やかしに、これまた日陰にひっそり生えるユキノシタをたくさんとってきた。
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鮮やかな赤色はポリフェノールだそうだ。

こちらも天ぷらにした。
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サクサクして、クセはない。

エビセンかポテチのようだった。

 

その気になって探せば、庭にはたいてい、食べられる草が生えている。

スーパーで日々食べ物を調達していると見落としてしまいがちだが(まあ当たり前か)、多くの野菜が収穫期を迎えていない春にここまで豊かな山菜、野草の食卓が演出できるとは、いままで知らなかった。

 

しかも、栽培用にクセがないよう品種改良が繰り返されて栄養価がぼやけてきている今の野菜と違って、野草たちはめちゃ栄養豊富だ。

淡白そうにみえるハコベも身体に良い栄養で満ちあふれているし、ノビルは見るからに元気になりそう。免疫を高める硫化アリルもふんだんに含まれている。

 

コロナウイルスから逃げられない、という状況になったとき、唯一の対策は免疫力を高めてウイルスに立ち向かえる身体にしておくことだろう。

野草は間違いなく、今の季節に必要な栄養素を全て兼ね備えている。

摂取してみて、そういう実感がある。

 

さて、そうは言っても、野草たちが美味しいのはやはり春。

 

これから来るべき夏に向けて、大好物の夏野菜の仕込みは欠かせない。

 

まず畑を用意しないと。

 

いつもの畑はすでにこれ以上拡張不可能なまでに広げたので、ここは一つ、新たな畑を開墾しよう。

ターゲットはここ。
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この隙間の様な裏庭を畑にしてみよう。

どうせ、使われるあてもない、デスゾーンなのだから。

で、とりあえず、畝のようなものは作ってみた。
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ここに種を蒔いて育てている途中の夏野菜の苗のうちいくらかをそのうち植えてみよう。
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さて、完全におまけみたいな付け足しだが、薪ストーブネタも少し。

焚き付け作りもしたよ、という話。
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二部屋にわかれている薪棚3号機。

左は随分前にナラを中心にした薪が満載されている。

右は主に焚き付け用の小割りを入れる棚と考えているのだが、今シーズン全部使ってしまっていた。そこで、無節の杉を山から仕入れてきて、キンクラでせっせと細く割った。

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薪は焚いて温まる前に、見て楽しむもの。

積み方も大事だと最近は考えている。

表面の凹凸を減らして、滑らかに見えるよう、揃えてみた。

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きれいに摘んだ方が、薪が崩壊するリスクも減るしね。

 

この焚き付け材は来シーズン用なので、早めに割り終えておかないと乾燥が間に合わない。

杉の小割りなら半年もあればしっかり乾くはず。

はたまたもっと置かないと乾燥しないか?

これも実験してみることにしよう。

 

さあ、いよいよ薪ストーブも完全なシーズンオフに入る。

 

今年も梅雨までに煙突掃除をすることにしよう。