薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブオルドビス紀⑦ 平家物語と干したエノキダケ。コナラはコナラ。

年が明けてから、しばらくは怒濤の忙しさ。

更新もご無沙汰だった。

 

ぼんやりしている間にアメリカのボスの首もすげ変わって、その影響で、またトランプの頃とは違った思惑で世の中が回っていくんだろう。

変化に巻き込まれて命の危険に晒される人、利益誘導されて繁栄する人。

 

祇園精舎の鐘の声

諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色

盛者必衰の理をあらわす

 

まんま、平家物語ですな。

 

そう、平家物語の昔から本質が何も変わっていないのだとしたら、一体みんな何をドンチャン騒ぎしてるのか、ということになる。

 

本当に大切なものは、2つに分けられると思う。

一つはサンテグジュペリが書いたような、目に見えない、極めて人間的な大切にすべき何か。

もう一つは生きるために必要なもの。

すなわち薪と米だ。

もちろん、大地や水といったもっと大元になるものを含んでのことだけど。

 

もちろん、産業大国が排出しまくったCO2による地球環境の変化を真っ先に受けるのが、ほとんど環境に負荷をかけずに暮らしている辺境の人々、例えばイヌイットやネパールの山岳民族だという現実がある。

 

だから、薪や米を大切にするオフグリッドな暮らしをしていたら、世界のドンチャン騒ぎに巻き込まれないというわけじゃない。

そうだったらどんなに素晴らしいか、言葉に表せないほどだが、現実には、全てが繋がった一つの空の下で起こっている出来事なので、イヌイットたちほどではないにしろ、否が応でも世界に組み込まれている。

 

まあ、「人類」という大きな枠組みの中の平家物語なわけだ。

 

おごれるものも久しからず

ただ春の夜の夢のごとし

たけきものも遂には滅びぬ

ひとえに風の前の塵に同じ…

 

そのおごれるホモサピエンスを久しからぬ存在にしようと、現れたのがコロナウイルスなのかどうかはまだ分からない。

ワクチンが効きまくって季節性インフルエンザのちょいワル版みたいなものに落ち着くかも知れないし、変異を繰り返すなかで、数億人が死ぬような殺人ウイルスになってしまうかも知れない。

 

まあ、繰り返し書いてきた事ではあるけど、本当に怖いのはコロナウイルスじゃないから、コロナ騒動が収まった後の方が個人的には怖い。

世の中がさらに破滅的な方向に進むようなベクトルができあがってしまっとるように思う。

そして、その後を生き延びた人がこう思うわけだ。

「人類の繁栄?あっという間に終わってしまって、なんつうか、風の前の塵のようだったなぁ」

 

いやあ、新年早々暗い話をしてしまった。

でもそれが人間の本質だとしたら、仕方ないことでもある。

世界の流れはどうしようもない部分もあるけど、個人的にはまた楽しみでしかない一年が始まった。

 

冬のストーブシーズンは部屋でぬくぬく。

春になれば、また山菜が芽吹く。

夏は畑でひたすら汗を流す。

秋にはおまちかねのキノコ狩り。

そうしたら、また冬がやってきて、薪ストーブに火を入れるのだ。

 

心配しても仕方がない。毎日を楽しく素敵にサバイブするのだ。

 

さて、そんなこんなで、我が家のメインの薪棚、通称薪棚1号2号3号。

新年明けてすぐはこの通り、前後2列が全てみっちり充填されていた。f:id:akagestoves:20210123082232j:image

そのど真ん中の薪棚。見えている前列は全てコナラだ。

コナラに関しては色々書いてきた。

コナラにとりつかれた「コナラ病」について書いた↓や

薪ストーブ原生代26 コナラ病 - 薪ストーブクロニクル

このコナラの薪棚に薪を積んでいった↓

薪ストーブ原生代41 コナラの薪割り。コナラの薪棚。 - 薪ストーブクロニクル

といったバックナンバーでも色々書いてきた。

それがこのコナラの棚だ。
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2019年の4月に屋根びっしりまで積んだ薪は、2年弱の乾燥期間を経て、1割ほど縮んだ印象だ。

日当たり良好。

乾燥は申し分ないはずだ。

 

その虎の子のコナラ薪をついに実戦投入する。

軽トラに積んで、玄関前まで運ぶ。
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↑軽トラに満載したら、ここまで減った。

 

2年の乾燥で木口は灰色に変色したが、中は綺麗なコナラ色。
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それを玄関前の薪棚に仮積みする。
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今シーズン軽トラ3台目の薪だ。

果たして、軽トラ満載の薪を何台分運び込めば、シーズンを越せるのか。

それも今シーズンは調べてみよう。

 

さて、焚き付けや、あまり寒くない昼間用に使っている針葉樹も入荷した。
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杉とヒノキ、どちらが良いかは諸説ある。

ヒノキは、杉より比重も高く、油を含んでいてよく燃えるので、薪の即戦力としては悪くない。

ただ、根っこに近い元玉の部分は、繊維が入り組んでいて、節がないのに斧で割れない、という悲惨な現象がたびたび起きてきた。

太いヒノキの玉より、節があっても杉の方が割りやすい。まして、節のない杉なら、太くてもバシバシ割れるので、しばらくは杉寄りで針葉樹を集めることにした。

今回も全て杉だ。

ちなみに、節がゴツゴツある杉の薪はずっしり重くて、意外と頼れる相棒だ。f:id:akagestoves:20210123093448j:image

節の部分だけ避ければ簡単に割れる。

 

さて、そんな節だらけの杉の薪で焚き上げた、今の薪ストーブの天板の様子を見てみよう。
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巨大な平ザルに乗せているのは、特売のエノキダケだ。エノキダケというと、柄が黒っぽくて笠がナメコそっくりの天然ものが食べたいところだが、あまり見つからないので、白くてヒョロヒョロの栽培もので我慢しよう。
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二日ほどしっかり乾燥させて干しエノキにする。

そうすると、旨味がめちゃ強くなって、味噌汁にボンボン放り込むと、具と出汁を兼用してくれる、頼れる存在になる。

薪ストーブシーズンのうちに作りためておこう。

2日ほどしっかり天板で乾燥させるとこんな風になる。

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保存はビンなどで適当に。

 

干しエノキ、おすすめです。