薪ストーブデボン紀⑥ 今年が終わる前に、短い焚き付けを作ろう
冬が始まる。
今年は秋が来るのも少し遅かった感じで、そのまま晩秋が続いていた気がする。
近くの山もなかなか冠雪せず、かといって暖かいわけでもなく、雪のない枯れ野の風景がいつまでも続いていた印象。
それが、一転。一気に冬が始まったように感じる。
冬のワールドカップも終わり、あとは無事に年を越すだけ、という気分だ。
さて、今年が終わる前に、やり残した薪仕事がひとつある。
短い焚き付け作りだ。
これは、大型の薪ストーブを使っているユーザーにはあまり関係のない話かもしれないが、奥行きの狭い薪ストーブで炉内で焚き付けを井桁に組んで着火する場合、横方向は40センチ前後の焚き付けでいいのだが、奥行き方向には20センチぐらいの長さの焚き付けしか入らない。
これが、意外と不便なのだ。
我が家で使っているのは、ネスターマーティンS33という中型薪ストーブ。
コンパクトでパワフルな申し分のない薪ストーブだが、いかんせん、奥行きの狭さは数少ない欠点と言える。
焚き付け時だけでなく、炉内をオーブンとして使うときでも、丸い耐熱皿を入れると扉が閉まらなかったり、もう少し奥行きがあればなぁと思うこともある。
で、毎日行う焚き付け作業のときは、なおさら奥行きのなさを嘆くわけだが、それを嘆いていても始まらないので、井桁組みの奥行き方向用に、20センチ前後の短い焚き付けを作るのが日課となるのだ。
今日用意したのは、ヒノキの元玉を20センチに切り揃えたものだ。
ヒノキの元玉は、節がなくて綺麗な柾目ができるので、木材市場でも高値で取引されているし、焚き付け作りで細かく割る時も、真っ直ぐ割れるので重宝するのだ。
1立米あたり三~四万円するものも珍しくない。
あれ?
乾燥したコナラの薪でもそんなに高くないですよね?
せいぜい二万円前後のはず。
たかだか短い焚き付けを作るのに、そんな高級なヒノキの元玉を使うなんて。
とお思いの向きもあろうことだろうが、もちろん、そんなわけがない。
ヒノキの元玉の中で、腐りが入って売れない部分を落としたものを貰ってきただけだ。
これなら、木材としての価値はないけど、焚き付けとしては一級品。
割りやすく乾きやすくよく燃える。
さて、いつも通り前置きが長くなったけど、早速割っていこう。
20センチの短い玉だけど、直径が40センチぐらいあるものも混じっていて、普通のフィスカースでは歯が立たなかったりする。
ハンマー斧である程度小さくして、
そこから普通のフィスカースで粉々に砕く。
ある程度割れば、乾燥は充分するのだが、でかいままだと、キンドリングクラッカーに入らない(笑)
いざシーズンインして使うとき、このキンクラでさらに細かくしてから焚き付けとして使用するので、このキンクラに入るサイズまで斧で割っておくのが、我が家のハウスルールなのだ。
割っては、一輪車で運ぶ。
それを繰り返して、短い焚き付け専用の棚に積み上げる。
去年のものを前に出して、奥に先ほど作ったものを並べていく。
はっきり言って、腰に来る。
まあ、こんな感じで作っておけば、来年分には充分足りるだろう。
今回のお話の教訓としては、
①家が大きいなら、奥行きの広い薪ストーブを選ぼう。
②キンクラは、そこまで値段も変わらないので、大きい方の『キンドリングクラッカーキング』を無条件におすすめする。
以上。