里はまだまだ暑い夏を引きずっている感じだが、山の中は秋の気配が漂い始めてきた。
そう、キノコたちが自己主張をはじめたのだ。
先日も山に入っていて、面白いキノコを見つけた。
なんと、こんなところにマリンバのバチが生えてるじゃないか!
こっちは大太鼓を叩くバチだな(笑)
写真では分からないが、実際の大きさも長さが50センチ以上あって、本物の大太鼓のバチとほぼ同じサイズなのが笑える。
このキノコ、帰って図鑑で調べたら、カラカサダケという名前だった。
ちなみに最終的には丸い部分が開いて下の画像のようなキノコらしいフォルムになる。
ディープなキノコの世界の入り口をちらっと覗いた気分だ。
この日はもうひとつ大物のキノコを採取した。
こっちは食用に向くかと思って調べたら、まさかの「オオワライタケ」!
毒レベル☆☆
食べて死ぬことはないが、痙攣などがひどいらしい。その痙攣の状態を大笑いに見立ててるのかな。
とにかく、キノコの世界に素人が迂闊に手を出してはいけないのだ、という教訓になった。
さて、また別のある日、同じ山に入って今度はまた全然違うタイプのキノコを見つけた。
このキノコは「タマゴタケ」と言って、食用キノコとしてはメジャーな存在。
傘のなんとも言えない赤からオレンジへの色のコントラストが美しい(とも言えるし、こんな毒々しい色のキノコが食用なわけないやん、と突っ込みたくもなる)。
僕もこれまで2度発見してて、これが3度目だ。しかし、これまでの二回はいずれも夏に見つけたので、キノコ自体が虫にかなりやられていたのと、立派に育ちすぎていて、持った瞬間にバラバラと崩壊してしまっていた。
今回は幼菌に近い状態だからなのか、キノコはしっかり丈夫で、持っても崩れる様子はなかった。
タマゴタケ。
いつか食べる日を待ち焦がれていた憧れのキノコのひとつだ。
うちの奥さんも、持ち帰ったタマゴタケを見た瞬間、テンション爆上がりだった。
ものすごく腐りやすいので、とにかく早く調理するに限る。
下処理は簡単。
まずタマゴタケの名前の由来でもある、根本の卵の殻のような白い壺を外して、全体を洗う。
虫がいそうなときは、塩水につけるとよいらしい。
洗って軸を外した。
もはやキノコに見えないかも。組み立てる前のけん玉?
傘の裏はこんな感じ。
傘の断面はこうなっている。
タマゴタケ特有の矢印型の断面だ。
手早く調理した。
バターで炒めて、
塩コショウした卵液を流し入れて、
ひょいとまとめてタマゴタケオムレツの完成。
中はとろーりタマゴタケ。
とにかく、タマゴタケはオムレツにすると美味しい、とのことだったので、初めての時はオムレツに、すると決めていた。
パスタやスープにもよく合いそうな、独特の歯応えのある食感と上品な味わい。
たいそう美味でした。
今回は小量だったので、もう少し大きな群を見つけて、たくさん食べてみたい。
とはいえ、狙って収穫できるようなものでもないので、また縁があれば出会えるでしょうな。
楽しみだ。
・・・
9月になり、薪ストーブシーズンが始まったとは言え、この気温では暖房のことなんて考えたくもない。
というかこのところ夜がまた熱帯夜で、少し寝苦しいし、猫たちは発情期に入って夜通し大騒ぎだし、落ち着いて寝られやしない。
里に秋がやってくるのは、もう少しあとかな
。