薪ストーブオルドビス紀④ オイルランタン物語・前編
我が家の農機具小屋にひっそりと置かれていたランプのようなもの。
レトロな雰囲気がよかったので、とりあえずオブジェとしてそのまま居てもらっていた。
手に持ってもやたらと軽くて、自分のイメージにある本格的なランプやランタンの類いとは違う、オモチャのランプか何かかなぁと思いつつも、特に必要性も感じなかったので、忘れ去っていた。
そのまま時は流れ、実家でテレビを観ていた。芸人さんがソロキャンプをするという、最近流行りの番組だ。
そのなかで、オイルランタンというのがやたらと目立つ編集で紹介されていた。
あれ?なんかどっかで見たことあるような…
母親が言うには、亡き父が昔このオイルランタンと同じようなのを持っていたとのこと。
もうかれこれ40年以上前のもののようだ。
ということは、我が家の農機具小屋にあったあれか?
気になって小屋から取り出してきて調べてみた。
おそらくメーカー名と思われる「DIETZ」の文字。
どうやって発音するのだろう。
そしてNO.20という表記とJUNIORの文字。
MADE IN HONG KONG
調べてみる。
ふむふむ。
DIETZというのはアメリカの歴史あるランタンメーカーで「デイツ」と発音するようだ。
その歴史をざっくりと書いてみよう。
1840年 創業のDIETZ社
1956年 製造拠点を香港に移す
1980年代に製造拠点を中国に移す。
本国アメリカのDIETZ社は1992年に廃業。
現在の製品は全て中国で製造されているらしい。
40年以上前に父が購入したというDIETZのランタン。
MADE IN HONG KONGという表記も辻褄が合うじゃないか。
ちょうど、本国アメリカから香港に製造拠点が移されて、中国に再移転するまでの間のものだろう。
ランプのガラスの部分にあるDIETZというロゴが立体的な細工になっているものの方が古くて、1960年代は香港製で浮かしロゴのものがあるらしい。
我が家にあるのは、白くガラスにプリントされているので、1970年代の香港製造のもので間違いなさそうだ。
おやおや、なんでも鑑定団みたいになってきたぞ笑
しかし、どうも火をつける部分の芯がないように見える。
このままでは使えなさそうだ。
修理して、使えるようになったら、夏に外で晩飯を食べるときの灯りとして使えそうじゃないか。
というわけで、修理してみることにした。
といっても、構造は極めてシンプル。
灯油やレインボーオイルを入れるタンクが一番下にあって、そこにランタンの芯を浸して、上のガラスの部分でその燃料を燃やすだけ。
芯さえうまく付けられれば、普通に使えるんじゃないのかな。
とりあえず分解してみる。
おお、結構パカパカ外れていく!
と思ったら、芯がへんな形で挟まったまま外れずに固まっているようだ。
これを取らなければ。
あらよっと。
ちょっと強引に外したはいいけど、
今度は新しい芯を付けるのがえらく大変だった。
奥さんのアイデアでなんとか、無事に新しい芯をセットできた。
なかなか立ち姿もいい感じになった。
でも、肝心なガラスの部分が汚れているので、雑巾できれいに拭いた。
修理(というかそもそも壊れてなかったので、芯の付け替え)が終わり、あとは灯すだけ。
40年前に亡き父が使っていたらしい、ちょっとレトロなオイルランタン。
果たして無事に灯るのか?
話が長くなったので、後編に続く!