薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

オフグリッド入門⑨ 太陽光発電システム、始動!作った電気で何ができるのか

前回からの続き。

電気を作る生活を始めた。

 

屋根に乗せて家中の電気をまかなうような、立派なものじゃない。

コロナウイルスの一斉給付金で買えちゃうくらいのささやかなものだ。

 

晴れた日中にデッキや庭に置いて充電。

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太陽光パネルは日が暮れたら家の中にしまっておくようなコンパクトなものだし、貯めた電気も部屋のあちこちに持ち運んで使う。

 

例えば今日は、外が雨なので、充電はできない。

仕方ないので昨日までに貯めた電気で、Wi-Fiルーターを充電しながら、

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レコードを聴いている。

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ビルエヴァンスのセカンドトリオ時代の名盤だ。

リバーサイドのオリジナルじゃないのが恥ずかしいところだが(笑)、マニアックな話なのであまり広げないようにしておこう。

 

さて、このレコード鑑賞とWi-Fiの充電を同時に行なって合計34wだ。

それほど使用電力は大きくない。

でも、レコードなんかは5分や10分で終わるようなものじゃないし、1時間ほど聴いているとバッテリーの残量は5%ほど減ってしまう。

 

そもそも、34wと言われても、普段全く意識しない数字なので初めはピンと来なかったのだが、700whのバッテリーが100%の状態で20時間レコードを聴き続けたら使い切ってしまう、という具体的な事例からなんとなく電力消費のイメージができるようになってきた。

 

こんなふうに、日々の暮らしの中で使う電気をひとつずつ、太陽に作ってもらった電力でまかなっていく。

 

さて、レコード20時間と言われてもあんまり役に立たない情報だと思うので、700whのバッテリー100%の状態から、我が家にあるあらゆる電化製品を使っていったら、どんなぐらいずつ減っていくのか、まとめてみたので少しお付き合い願いたい。

 

①レコードを一枚通して聴く。

使用電力30w

バッテリー残量100%→96%

 

iPhoneを充電(20%のものを100%まで)

使用電力8w

バッテリー残量96%→95%

 

スマートフォンを充電(13%のものを100%まで)

使用電力18w

バッテリー残量95%→91%

 

④夜になったので間接照明を1時間灯す

使用電力7w

バッテリー残量91%→90%

 

⑤読書灯で少し読書

使用電力4w

バッテリー残量90%→90%

 

⑥DVD鑑賞(ドラマを1話分)

使用電力124w

バッテリー残量 90%→71%

 

⑦テレビを40分ほど観る

使用電力101w

バッテリー残量71%→63%

 

⑧精米器で玄米5合を白米に精米

使用電力260w

バッテリー残量63%→62%

 

⑨電源をオフにし忘れて朝まで自然放電

使用電力3w

バッテリー残量62%→57%

 

⑩マキタのインパクトドライバーのバッテリーを充電

使用電力27w

バッテリー残量57%→53%

 

[11]洗濯機で衣類を洗濯

使用電力は洗濯、すすぎ、脱水など作業ごとに目まぐるしく変動

53%→38%

 

[12]掃除機

使用電力600〜1000w?

消費電力が大きすぎて使えず。

同じ理由でアイロンも使えず。

 

家にある家電を全て使ってみたが、満充電状態のポータブル電源はまだ38%の余力が残った。

700whの電力はだいたいこれくらいの能力があるのだ。

 

それにしても。

 

使用電力とその使用時間により、どの家電がどれくらい電力を消費するのか、こうしてみると本当に一目瞭然だ。

 

まず音楽を聴くという行為は、思ったよりは電気を使っている。

短い時間なら大した消費にならなくても、だらだらと垂れ流していれば、それなりに電力を消費してしまうのだと分かった。

テレビやDVD鑑賞については言うに及ばず。

 

電力と時間をダブルで無駄遣いしているのだと改めて痛感した。

コロナウイルス関連のニュースなどを観るためにテレビに齧り付いたりもしていたが、ダラダラ観ればいいというものでもなく、今ではテレビをつけることも少なくなった。

というか、意識的に観たいと思うものだけを厳選して、それが終われば電源を切るようになった。

時間を浪費するだけのくだらないもののために、貴重な電気を使えないぜ。

 

そして、自然放電もあなどれない。

充電が完了したスマートフォンも、そのままプラグを抜かずに放置しておいたら、どんどん電気を食うし、何もしていなくても、待機電力というやつは、チリツモで消費してしまっている。

 

消費電力が大きいのにケチらないのは洗濯機だ。

これは定期的に使いたい。

あまりバッテリーが少なくなってくると、電圧が下がるのか、使えなくなったりするらしいし、雨で充電がままならなくても、洗濯機を動かす分の電力は確保しておきたいと思った。

 

動かすことのできた電化製品の中で最も消費電力が大きいのは精米器だったが、これは数分で精米が完了するので、実質的な消費電力としては大したことがなかったのは嬉しいポイントだ。

 

そんなわけで、このような能力を持つ700whのポータブル電源を2つ購入し、100wの発電能力の太陽光パネルでそこに順番に充電しては使う、という方式でとりあえず、2週間ほど試してみたところ、電力会社さんから電気代の請求がやってきた。

 

あれ、なんかいきなりすごい数字になってるぞ。

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死ぬ気で節電した前年同月が55kwhだったのに、今月は38kwh。

もちろん最高記録だ。

そして目標として設定していた電気代三桁があっさり達成された。

まだ二週間の試用期間だというのに、ここまで節電できるんかい。すごいな。

これから1ヶ月、改めて本気で冷蔵庫以外ほぼ太陽光だけで暮らしてみるつもりだ。

どこまで使用電力を減らせるか、見ものだ。

 

ここでひとつ。

誤解のないように付け加えておきたいのだが、何も電気代を減らすことに躍起になっているのではない。1円でも光熱費を安くしようとか、そういうことで言うなら、太陽光パネルやバッテリーを購入するより電力会社から買っていた方がコスパはいいのだ。

そうではなくて、可能な限り、外の社会システムへの依存を減らしたいというのが最大の目的。

使用電力が少ない、電気代が低い、というのは、とりもなおさず、電力会社への依存度が低く、エネルギーの自立が進んでいるということの証左なのだということだ。

 

その上で、節電という今の生き方を楽しめたら、それは素晴らしいことなんじゃないだろうか。

 

ただし、このような太陽光パネルやバッテリーで電力をまかなうためには、まず日々の電力消費を可能な限り減らす努力が必要なので、これらのアイテムを導入したら、即電気代が三桁になるわけではないので、注意してほしい。

何はともあれ、電子レンジにさよならをするところから始めてみてはいかがだろうか?