薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

祖父が遺した手斧と楔②

前回の記事で、手斧と楔、とタイトルを書いておきながら、楔の話が出てこなかったじゃないか、とお怒りの言葉をいただいたわけではないが、前回のつづき。

 

楔の方は、錆びてはいたものの、鉄の塊なわけだから、壊れようがない。実用に堪える強度はありそうに思えたが、いかんせん普通の薪割り用楔と比べて小さすぎる。というか、祖父が使い倒していたみたいで、ものすごくチビってしまっている。

これではちょっと活躍する場面がなさそうだ…。

比べてみた写真が以下の通り。

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右がその楔。左は本格的な薪割り楔だ。

そして実際に使ってみようにも、これでは割れる気配がない。

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おそらく祖父の暮らしの中ではストーブで焚くような大きな薪を必要としていたわけではないのだろう。15㎝ほどの長さの焚き付けに近い薪を作っていたのだろう。

 

そんなことを考えて、薪割り道具のところに一緒に並べておくことにした。薪割りのDNAが受け継がれている証として。

祖父が遺した手斧と楔

93歳で亡くなった祖父の遺品のなかに、錆びた小振りの斧と、叩かれ過ぎて小さく縮んだ楔が数本あった。手斧で小さな薪を作り、魚を焼いたり暖をとったりしていたようだ。

しばらくは、ふーんそんなものを使っていたのかーっといた感じで見ていただけだったが、薪ストーブ導入が決まり、実際に自分が薪を作ることになったとき、まずこの斧と楔のことを思い出して、使ってみることにした。

 

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ちょっとこれでは大きさ分かりにくいけど、だいたい30㎝ぐらいの長さ。

左にあるのはオール鉄製の鉈(なた)。

 

かなり長い期間使われていなかったらしく、全面が錆でおおわれ、とてもじゃないが抜群の切れ味など望めないように思えた。しかし、ものは試しと、小さめの玉に「えいや」とばかり振り下ろしてみた。

案の定、ポコン、という情けない音をたてて、斧が弾かれた。

しかも、斧頭がゆるくなっているみたいで、すぐにでも柄から外れそう。

無邪気にこのまま使っていたら、あっという間に壊してしまいそうだ。とりあえずいつかピカピカに研ぎ直して、活躍する日が来るまで、道具小屋に保管しておこう。

キムチを作る2017

発酵食品を手作りするのは楽しい。

一年を通してなんやかんやと作っているが、昨日はキムチをつけた。

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白菜を3日前くらいから下漬けするので少々面倒くさいが、材料さえ揃えばそれほど難しくはない。

今回はお手軽に、小玉の白菜を一玉分だけ漬ける、簡単レシピ。アミの塩辛のような、簡単に手に入らない材料も使わなかった。

代わりにナンプラーオイスターソースでコクを出す。

 

韓国産の粉唐辛子が鼻や指の傷の粘膜を攻撃してくるのが辛かったが、無事キムチペーストをつくり、下漬けした白菜に塗り込んで完成!

あとは、二、三日したら食べられるはず。

楽しみだ。

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 しっかり重石をして、埃が入らないように気をつけておいてあとは待つだけ。薪作りと同じだ。

 

え、何が?まあそのうち分かるさ。

 

薪ストーブ前史⑤針葉樹専用薪棚を作る

仮設の薪置き場も限界なので薪棚を作ろうと思う。しかし、家を建て替えているということもあって、なかなか敷地が自由に使えない。

そこで農機具などを置いていた木製の棚を改造して薪棚に作り替えることを思い立った

適当にインパクトドライバーで筋交いなどをし、薪がこぼれ落ちないように、側面には原木から剥ぎ取った木の皮を利用した。

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しかしこの薪棚、もともと強度が全然ない柔な作りなので、ヘビー級の広葉樹は乗せられない。比重が低くて軽い針葉樹専用薪棚なのだ。 なんせ、手始めに広葉樹を乗せたところ、一列積んだだけであっという間に崩壊してしまったのだ。補強をしたものの、それ以降は怖くて広葉樹は乗せていない。針葉樹だけでずらっと並べてみた。

まだまだ割り始めとはいえ、薪棚に薪が積み上がっていく光景は、想像していたよりもずっとずっと、達成感があった。これは不思議な発見だった。

なぜ、薪が積み上がっている光景はこんなに見飽きないのだろう。針葉樹なのに。この程度の量なのに。不思議だ。

まだまだ薪割り一年生。更なる達成感が待っているはずだ。

 

お蕎麦やさんにもらった50ほどの針葉樹の玉はこれで片付いた。しかしまだまだすることは山積しているのだった。

 

1立米の薪

昨日の記事で1立米という表現が出てきた。これは当たり前すぎてもはや誰も説明していないような気もするが、僕自身が超初心者というか、まだ薪ストーブ自体も持っていない身なので、初心者にやさしく。きちんと書いておこう。

 

1立米(いちりゅうべいと読む)は1立方メートル、縦横高さが1m×1m×1mのことだ。もちろん、薪ストーブの世界では常識なのだが、僕は知らなかった(汗)。

いちりつべい、とか読んでた。

薪の量を重さではなく体積で計るとき使う単位である。

ちなみに水道のメーターなんかも、使用水量の単位は「立米」なのだそうだ。

 

さて、そういうわけなので当然木の重さによって1立米がどのくらいの重さなのかも変わってくる。

薪の王様なんて言われるナラの原木の場合、1立米=約1.2トン、なんて書いてあったりする。ちなみにそこは原木の販売をしていて、その1立米のナラの原木が17000円で販売されてた。1トン=約14500円という計算だ。

高いのか、安いのか…。

タダで原木がゲットできなくなったら購入を考えないとね。

 

ちなみに1立米の原木の量については以下のサイトをご参照。

1㎥の薪 | 函館の薪ストーブ屋 ファイヤピット 熾壺日記

 

薪ストーブ前史④仮設の薪置き場

針葉樹の玉が、次々と薪になっていく。

あまりに大きく、しかも割れ筋も読みにくいようなものは、楔も使ったが、基本的にはフィスカースX25というグラスファイバーの柄のハイテク斧を使ってパカパカ割る。下手くそだったもので、ミスショットを何度もしたが、柄はびくともしない。このミスショットで斧をオシャカにしたという記事も見かけたので、やはり頑丈さが売りの斧にしてよかった。

重さは2.4kgだそうで、最初は重く感じたが、今ではブンブン振り回せる。最初はちょっと重く感じるくらいがいいのではないだろうか。

 針葉樹なので、パカーンという爽快さや、ずしりとした重みはなく、サクサク割れていく感じは、薪割りの醍醐味としてはやや物足りないが、贅沢は言えない。

 

さて、調子よく針葉樹の玉を割っていたら、あっという間に1立米を超える薪が積み上がった。


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とりあえず農機具小屋の庇の下の急造のウッドデッキに薪を並べることで対処したのが上の写真。

しかしすぐに満杯になってしもた。結構邪魔なので対応策を急がねば。

薪ストーブ前史③フィスカースX25と針葉樹

知り合いのお蕎麦屋さんから唐突にいただけることになった針葉樹の玉。

その数、約50。

 

フィスカースX25というフィンランド製の斧を使って割りまくっていく。

 柄が空洞になっていて軽く、その分斧頭だけがやたらと重く感じる。使い始めた頃は、少し軽いタイプのはずのこのX25でもかなり疲労感を覚えたが、振り慣れてくると、全く重く感じなくなってくる。初めての斧なので比較のしようもないが、特に不満はなく、他のメーカーの斧がほしいとは今のところ思わない。近未来的なデザインも、だんだん気に入ってきた。

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話に聞いていた通り、乾燥が進んだ針葉樹は重くないのに簡単には割れてくれない。

というか、油断して振り下ろすと刺さったまま抜けなくなる。これは斧のせいではなく、乾燥の進んだ玉の特徴らしい。というのも、少しだけあった広葉樹の玉は大きいものでもパカパカ割れたからだ。

 

慎重に玉の割れ筋を見極める。薪割り歴数週間というずぶの素人のくせに、かっこをつけて筋を読む。といっても、割れ筋は実は一目瞭然だ。乾燥の進んだ玉には、はっきりと繊維の裂け目が開いてくるのが見える。そこに正確に斧を振り下ろせば、

メキッ

という音を立てて玉が真っ二つに割れてくれる。一度半分に割れれば、あとは筋を意識しなくても、好きなようにパカパカ割れてくれる。ほとんど手応えもなく、その分達成感も少な目だが、とにかく、割りまくる。

針葉樹の薪が大量に作られていく。

 

乾燥した直径40センチの針葉樹の玉 VS フィスカースX25の軍配は、フィスカースに上がった。

 

そうこうしているうちに、新しい問題が発生。

薪を置く場所がない。

 

 

 

 

♯フィスカースX25