薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブ始生代・総集編⑥「茶畑山に引きこもる」

1.おっちゃんのユンボ登場

広場に倒れてきた倒木の、見えている部分は全てチェーンソーで玉切りして、片付けた。

広場は一旦、元通りの何もない場所に戻った。

 

しかし、見えている部分を切っただけなので、根本の倒れている極太の部分がまだ3メートル以上横たわったままだ。

根本なので当然一番太くて、気が狂いそうなほど重い。

というか人力でどうにかなるものでない。

 

このとき、山の所有者のおっちゃんと一緒に片付けていたのだが、そのおっちゃんがついにユンボを出動させた。

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 このユンボと木を紐で結わえて広場まで引きずり出そうという作戦だ。

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 ある程度引きずり出したら、今度はシャベルの部分で持ち上げて完全に下に転がしてしまう。

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さっきまできれいに片付いていた広場だが、あっという間に転がした木材でまた埋め尽くされていく。
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下の画像がそのクヌギの一番根っこに近い部分。
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それまで玉切りしていた木とは太さのスケールが全く違う(笑)。

この部分だけで一体どれだけ薪が作れるんだ?

 

さて、これで一件落着、ではない。

このあと、ユンボがさらに暴れまくる。

 

完全に倒れたクヌギはこれで全て引きずり出したが、まだ、台風で傾いた木や、立ち枯れしていつ倒れるか分からない木などが数本、いや7~8本ありそうだ。

 

2.傾いたくぬぎと格闘

 あまりに莫大なくぬぎの倒木の量に、ちっとも終わりが見えてこない茶畑山での作業。

台風が来たのは10月23日だから、すでに50日以上が経過しているが、なかなか作業も進まず、まだ、ゴールはさっぱり見えない。

それはリアルに嬉しい悲鳴だと言うべきだろう。

薪となる原木はうなるほどあるし、それに山でのチェーンソー作業のいろはを学ぶことができる、本当に貴重な機会だ。

 

山の所有者のおっちゃんは林業のプロではないが、長年山でのいろんな作業をしてきているので、色んな事を教えてもらえる。

 

さて、今日は傾いたまま、隣の木に引っ掛かって倒れきらなかったくぬぎの撤去作業についてだ。
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まずは根本を切り落とす。

傾いている木を切る場合、普通に考えれば下向きに重さがかかっているはずなので、上から切っていくとある地点で切り口の断面にチェーンソーが挟まれてしまうだろう。

だからある程度上の方に切り込みを入れた後、最後は下から思いきって切り上げて切断しようと思ったのだが・・・。

上からと下からの切断面がずれてて、見事に挟まってしまった。

楔を叩き込んでもびくともしないので、もう一台、マキタのチェーンソーを借りてきて無理矢理切ってチェーンソーを救出した。

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救出ついでに、上の画像のようにとりあえず根本から切り落とすことができた。

 

しかし、今度は切断面が土の上に乗っかって、また傾いたままの状態が継続された。

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仕方がないので、さらにこのままどんどん切っていって、最終的に完全に倒れるまで続けることになった。

そしてまたやらかした(汗)。

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力学的複雑さが理解できず、またしても木に挟まれるシングウのチェーンソー。

 

少し離れて撮影するとなんだかシュールな絵だ。

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近づくとこんな感じ。

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泣きながら、あの手この手でまた救出作戦を敢行した。

 

挟まれてしまう原因は二つあるようだ。

 

一つはさっきも書いたように、最後に下から切り上げるとき、切断面が合っていなくて切り落とせず、挟まるところまで止められない、という点。

もうひとつは、思い切りが足りず、挟まれないかビクビクしながら切っているので、勢いが足りずに挟まれている、という点。

 

まあ、こればっかりは経験値を上げていくしかない。頭で理解したつもりでも、実際に木が倒れていく迫力を見てしまうと、「これは当たったら死ぬな」という恐怖心も芽生えるし、それに実際の現場では想像よりもずっと状況が複雑に入りくんでいる。

腰が引けながらも、安全を最優先させなければいけないので、臆病を責めるのもお門違いだ。

 

さて、そんなこんなで、何度も切っては斜めに落ちていって、というのを繰り返して、ようやく引っ掛かっていた上の方の枝が外れて、完全に寝た状態まで持っていくことができた。
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いい感じに切って、とりあえず転がしておこう。

この一本だけでも相当の薪が作れる。

まだ朽ちていないくぬぎなので、中身はカチカチのパンパンだ。

持ってみると、半端ではない重さがある。

 

うーむ。

なんとも言い様のない達成感が身体を駆け巡るぜ(笑)。

 

3.第二薪場に運び込む

新たな薪場を借りることになった。

 二つ目の薪場なので通称「第二薪場」。

茶畑山で切り出したくぬぎの多くはこちらに運び込んでいくことにした。

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今までは、主に畑の脇を薪場として使っていた。
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これが第一薪場だ。

薪割りや玉切りも始めはここでしていたのだが、今ではほとんどが畑になり、猫も闊歩している(笑)。

ちなみにこの猫、うちの白猫のミケリア・・ではなくて、ミケリアのお父さんだ。

 

第二薪場は茶畑山の近くにある。軽トラですぐのところだ。

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こんな風に軽トラに切った玉を積み込んでどんどん運び込んでしまおう、ということだ。

この場所も茶畑山を所有しているおっちゃんのご好意で使わせてもらえることになった。

ふらっとやってきて、誰にも邪魔されずに思う存分薪割りができる環境なのだ。

まさに薪ストーブユーザーの夢の島とでも言える場所だ。

 

まだまだ木の量は少ないが、今後、茶畑山で切り出した倒木をどんどん運び込んで、ゆくゆくは仮設の薪棚も作って薪を置かせてもらうつもりだ。

 

4.第二薪場にくぬぎが増量中

 このところ休みの度に、茶畑山でせっせと倒木を片付けている。

山をきれいにしているのだが、もちろん主たる目的は木を集めることだ。

その場でどんどん玉切りして、せっせと軽トラに運んで薪場に運び込んでいる。

茶畑山の近くにある第二薪場にかなりたくさんくぬぎが集まってきた。
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とにかく積んで並べておく。

これは相当太い玉だ。

直径30㎝を超えるものもざらにある。
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茶畑山での片付けが一段落したら、今度はひたすら薪割りをする予定なのだが、これだけ大きいと、割りごたえ抜群だ。

 

こっちは少し小さめの玉。

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そのまま割らずに燃やせそうな細いものもちらほら。

 

そしてこっちは通称「ぼけ玉」を集めたもの。

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立ち枯れしたり、倒れてから日数が経っていたりしている木は、外側から徐々にふかふかしたものに変わっていく。焚いても大した火力にはならず、すぐ燃え尽きる。

こういうものを「ぼけ薪」と呼んでいる。

大歓迎とは言えないが、とりあえず薪にはできるので贅沢は言えない。

また、この「ぼけ玉」「ぼけ薪」については後日詳しく書いてみたいと思う。

 

そしてこちらは、自宅の駐車場に置いた玉。

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冬の間、雪などで第二薪場に行けないときもあるので、普段からパカパカ割れるように自宅にも玉を並べておいた。
こちらにも少しだけ「ぼけ玉」がある。左側の十玉ほどがそれだ。

まあ、おいおい割っていこう。

 

とまあ、倒木退治をして運んだ玉はいまのところ、こんな感じだ。

最終的にどれくらい集まるのかも楽しみだ。

茶畑山での作業もあと一息。

ラストスパートを頑張りたい。

薪ストーブ始生代・総集編⑤「茶畑山で薪仕事」

1.切れるところから切っていく

山への入り口は杉の倒木に塞がれ、チェーンソーは壊れ、仕事は忙しくなり、体もだんだんガタが来ている気もするが、とりあえず山仕事だ。

近所のおっちゃんが貸してくれている茶畑山の核心部まで道を切り開き、チェーンソーのチェーンも交換し、 くぬぎの倒木が待つ場所へやって来た。

そしてご機嫌でチェーンソーで倒木を伐り始める。

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下の画像のように地面から浮いた状態で倒れている。なんか海の底みたいな画像だな。
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 このまま普通に上から切ると、両サイドから力がかかってチェーンソーのバーが挟まれる。

何度かこの失敗をして、チェーンもダメにしてしまった(笑)。

慣れた人なら下からある程度切って、挟まれないように最後に上からチョンと切って切断するらしいのだが・・・

実際にやってみると、下から切ってもやっぱり挟まれた(汗)。慣れないと、加減がとても難しい。

しかも、切っていくと、どっちに力がかかっているのか、分かりにくくて、怖いのだ。

迂闊に切って変な方向に転がってきて身体が挟まれたらシャレにならないからね。

なんといっても、押しても引いてもびくともしないくらいの立派なくぬぎなのだ。

 

さて、そんなわけでどうするかと言うと、あちこちを切ったりいじったり転がしたりして、地面に着けてしまうのだ。

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そして、先日購入したティンバージャックで木を持ち上げて安全に切っていく。

チェーンソーの刃にも、人間にも優しい切り方だ。安全第一。 

 

そんなわけで、どんどん切っていく。
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面白いように切れる。
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しかもなかなかの重さの木なのに恐怖心を感じることなく安全に作業を進めることができた。

一本目を玉切りし終えると、こんな感じになった。

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よく見ると、全てではないが虫食いの物が散見される。それで、木が弱って、台風の風に負けたのだろうか。

 

なんにしても、見事な、というか、素晴らしいくぬぎの玉だ。夢にまで見たくぬぎの原木。思わず頬がゆるむ。

にやけてしまう。

早く割りたくて仕方がないぞ。

 

しかし、木はまだまだ転がっている。

雪が降る前に、切り出せるだけ切り出してしまわないと。

 

2.チェーンソーが挟まれて苦戦する 

 近所のおっちゃんの好意で貸してもらっている山(通称茶畑山)に来て、くぬぎの倒木を片付ける作業をしている。

完全に倒れたモノが3本、倒れて隣の木に引っ掛かって傾斜したものが3~4本ほどあり、いつ崩れたり倒れたりしてくるかわからないので、危険なので撤去してしまいたいとのこと。

もちろん、撤去したくぬぎは全て好きに使っていい、という条件だった。

 

そもそもは、山の木を好きに切ってもいいと言われたのだが、まずは倒木を片付けようということになったということだ。

針葉樹なら二の足を踏む人もいるかも知れないが、コナラと並ぶ薪材の王様クヌギを好きに使ってもいい、と言われて触手が伸びない薪ストーブユーザーがいるだろうか?

 

まあ、少なくとも僕はチェーンソーを片手に山に向かいましたとさ。

 

とりあえず、背の低い倒木から片付けることにして、40㎝の玉切りをしながら木を片付けていった。前回の記事で一本目を片付けたところまで書いた。

 

倒木の2本目に取りかかる。

そしてすぐにチェーンソーが挟まれる。

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ガーン。

 

 こんな細い木なのに。

 

Y字になった木の部分は力のかかる方向が複雑になっているようで、上から切っても下から切っても挟まれる。

うんとも寸とも言わないので、家に帰ってノコギリを取ってきて切った。 

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画像を見ても分かるかどうか、ノコギリで切った部分は右半分のわずかな場所だ。こんなちょっとの切り損ないに挟まれていたなんて、情けない話だ(汗)。

 

さて、そんなことはありつつ2本目も細かったので、挟まれたチェーンソーを救助したあとはあっという間に片付いた。

 

↓作業前の様子。
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↓低い位置にあった2本を片付けたらこんな風になった。
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しかしまだ一番太くて、そして高いボス級の倒木が残っている。

直径およそ30㎝。高さは2m近くある。

これはまた後日、倒し方を考えよう。

 

2本目の倒木を全部玉切りしたら、こんな感じになった。
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まだまだこれからだ。

 

おまけショット:

倒したクヌギの玉を椅子とテーブルにして、持ってきたお茶とおやつを食べる。
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熊本銘菓の武者返し、というあんこを包んだパイ菓子だ。

 

3.一番の極太くぬぎに着手

 秋晴れが広がって紅葉が美しい11月後半のこと。

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平日の午前中が半日だけ休みだったので、山へ入る。

前回の片付けで、山の広場はここまですっきりした。

次はこの一番極太のクヌギだ。

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まず、左側にちょろっと見える短めの枝を、根本から切り落とす。

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これを玉切りする。

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だいぶ朽ちかけていて、あまりいい薪にはならなさそうだが、とりあえず全て持っていく。

 

そして、極太のクヌギの本体に取りかかる。

山の高台で根本から折れて倒れた。

根本を見上げるとこんな感じ。
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そしてその先の二股が、ひのきにぶつかって、ひのきも傾いている。
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その先の細い部分は谷底に落ちている。
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一本の木が長すぎて、全貌を伝えるだけで一苦労だ。

 

一番太い部分はどこから手をつけたらいいか分からなかったので、とりあえず細い枝や低い場所の幹を切り落として、この日は時間切れ。

 

今日切ったものは、玉切りの仮置き場に運ぶ。
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作業時間が一時間くらいしかとれなかったので、物足りない気持ちで山を後にした。

 

4.極太くぬぎを退治

時間を見つけて、というか無理矢理作って、週末などは二日連続で茶畑山にこもりっきりだ。

12月に入って、いつ雪が降り出すかわからない。雪が積もれば、さすがに山での作業は厳しい。

だから、雪が大地を覆ってしまう前に、少しでも木を切り、運んでしまいたい。


ある程度運ぶことができたら、雪が降っても薪割りくらいはできる。

雪中薪割り、なんてなかなかオツじゃないか。

 

さて、そんなわけで今日も山に来ている。

今日のターゲットはこの木だ。
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左側の山の斜面に生えている直径30㎝弱の堂々たるクヌギだ。

根本から土ごと根こそぎ倒れて、広場を横切って右側の谷の方まで倒れていき、先の方の二股がヒノキの木に引っ掛かって止まっている。

 

少し前に来たとき、太めの枝や、先の方の細かいところは切断した。

いよいよ、一番太い部分を切り落としていく。

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ニュッと突き出した、宙に浮いた木をスパスパとチェーンソーで玉切りしていく。

片側が浮いた木は、上から単純に切り落とすだけで挟まれることもないので楽勝だ。

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根本をある程度切って、
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先の細い方もうねうね切っていく。

 

これで、広場に倒れてきたクヌギは3本とも全て玉切りした。

 

しかし、これはクヌギ退治の序章にすぎなかったのだった・・・。

薪ストーブ始生代・総集編④「茶畑山に入る」

1.茶畑山の入り口が封鎖された

 

我が家のある、山の中腹の集落。

昔から代々そこで暮らす村人?のみなさんは、どこの家もだいたい自分の山を持っている。

うちの家はここからここまで、うちはこの部分、という感じで、山の中に線引きがなされていて、それぞれの土地を管理しているようだ。

 

僕は、子供の頃からそこに育ったのだが、もともとは地元の人間ではない。親の代に引っ越してきたからだ。

だから、田畑や山を持っているわけではない。

 

もし、自分の山があれば、薪ストーブユーザーとしてはこれほど力強いことはない。

いつでも遠慮することなく、山から木を切り出してきて、薪にすればいいのだから。

しかし、それはさすがに望みすぎであろう、と思っていた。

田舎なので、原木を手に入れるチャンスはたくさんあるはずだし、そこを確実にものにして薪集めをしていこう、と。

 

それに、神社の隣の森に、台風で倒れた木がたくさんあるので、それを薪にするだけでもずいぶん助かるのだ。

 

ところが事態は急展開する。

当ブログ『薪ストーブクロニクル』は、ここにきて、予想もしなかった新しい局面を迎えることになるのだ。

 

なんと、お隣のおっちゃんが、薪を貪欲に欲しがる僕の欲望を見抜いてか、

「うちの山にある木を自由に伐って薪にしていいぞ」

という、およそ薪ストーブユーザーが聞いたら誰もが涎をたらすこと間違いなしの提案をしてくれたのだ。

しかも、そのおっちゃんの持っている山は、切り出す場所のすぐ近くまで軽トラでアクセスできる、という神がかった好条件の山なのだ。

近くに茶畑が広がっているので、便宜的にその山を「茶畑山」と名付けた。

 

茶畑山を見に行くと、針葉樹は少なく、様々な樹種の広葉樹が生えている。一番多いのはくぬぎの木だ。コナラと並んで、薪に最適の木だと専らの噂なので、思わず胸が高鳴る。

 

どれでも好きなものを伐って持っていったらいい、という。ただし、桜と山桜だけは、切らずに残しておいてほしい、とのことだった。

 

いくらなんでも条件が良すぎる。これだけ条件が良ければ、お金を払うこともやぶさかではないのだが、おっちゃんが言うには、お金はいらんけど身体がきつくなってきて草刈りが大変になってきたから手伝ってほしい、とのこと。

そんなことなら、お金はないけど時間はある今の生活にぴったりの申し出なので、ありがたく山に入らせてもらうことにする。

 

と、ここまでが少し前に山の下見に行ったときの話だ。

 

そのあと、木を見に行こう行こうと思っていると週末の度に雨が降ったり台風が来たり、なかなかその後の展開が始まらなかった。

 

そして、つい先日、ようやく週末が晴れたので、茶畑山の入り口まで行ってみると、台風で木が倒れ、折れた枝が山積し、木を切り出す場所までの道が完全に封鎖されていた。

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車で入ることは不可能だ。

 

仕方がない。

まずは通路を確保するところからスタートだ。

チェーンソーを片手に、おもむろに封鎖された山へとわけ入っていくのであった。

 

2.茶畑山解放作戦①

~杉を運び出してバームクーヘン薪を作る

 

木を切りに茶畑山に入っていったら、枝木が山への道を封鎖してしまっていたので、チェーンソー片手にそれを退治しに向かった。

 

よくみると、通路を塞いでいたのは杉の木だった。台風で完全に横倒しになっている。

まずはこいつを撤去するしかない。

 

チェーンソーで道幅分をスパスパ切って、手前の方まで運び出す。

 

それで最初の倒木は片付いた。

 

それで奥まで行けるようになったかと思ったが、途中でもう一本、斜めに倒れた木があったので、それも車が通れるくらいまでの高さまで、チェーンソーで枝を払っておいた。

 

しかしまだ、細かい枝が大量に落ちていて、かなり邪魔だ。

 

とりあえず、撤去した杉の原木だけ、適当に玉切りして車に積み込み、家まで持って帰った。

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家に帰って、別に急いで割る必要もないのだが、すぐに全部薪割りする。

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バームクーヘンみたいな薪がたくさんできた(笑)。
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せっかくなので薪棚につんでおいた。

 

いや、バームクーヘン杉を割って遊んでいる場合ではなかった。

山の核心部に車でたどり着くためには、まだ枝を片付けたり、色々することがあるぞ。先は長い。

 

3.茶畑山解放作戦②

~焚き付けを集めろーーー

茶畑山の核心部へと至る道の杉の倒木を撤去して、とりあえずの通路を確保した。

 

しかしながら、その道にはいまだ大量の杉や桧の枝が落ちている。

それらを全て取り除いて、車ですっきりアクセスできるようにしてしまうのが、今回の目標だ。

 

フィスカースのハンドハチェット(つまり片手斧)X7を片手に、歩いて山まで向かった。

そして通路に落ちている枝から葉を払い、奥のスペースにどんどん積み上げていった。

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さらにどんどん積んでいく。
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これらの細い枝は、後でまとめてチェーンソーでゴンタ切りして、乾燥させて来年の焚き付けとして使うことにしよう。

 

反対側にくぬぎの細枝も倒れている。

細枝と言っても太いところで直径は5㎝以上ある。
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これはフィスカースで解体する。

こんな感じにまとめる。

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これも、後でゴンタ切りだ。

 

針葉樹の杉と広葉樹のくぬぎ、全部まとめるとこんな感じになった。
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 焚き付けがたくさんできたぞ。

そしてフィスカースのX7、大活躍だ。
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これで、車が入れる一番奥のスペースまで通路がきちんと確保できた。

 

4.茶畑山の核心部へ

 茶畑山。

山頂に茶畑が広がっているので、勝手に命名した。

その中で、となりのおっちゃんが所有しているエリアは台風で通路が塞がれていたのだが、障害となるものは全て取り除いた。

 

今回はその茶畑山の核心部がどのようになっているかを、満を持して紹介する。

 

山に足を踏み入れた瞬間、いきなりこんな光景が目に飛び込んできた。

くぬぎと思われるかなり大きな広葉樹が何本も横倒しになっている。
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いきなりこれだ。

このくぬぎを伐って持ち帰るだけで、相当の薪が、しかもとびきり上等なくぬぎ薪がたくさん作れるだろう。

 

しかし、これほど立派なくぬぎをここまでへし折るとは、台風の威力は本当に恐ろしい。

 

原木が貰えてラッキー、などとはしゃいでいる場合ではなかったかもしれないのだ。

自然の脅威を身近に感じて、改めてこの自然そのものに畏怖の念を抱く。

さらに奥に進むと、土ごと根こそぎ斜めに倒れている脅威を木がいくつも目にはいる。

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これも完全に倒れている。
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複雑に絡み合って訳がわからないことになっている。
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とまあ、茶畑山の様子はこんな感じだ。

もう少し余裕が出来たら、改めてチェーンソーを持って伐り出しに来たいと思う。

 

その後、少しずつ山の立ち木を伐採したり、立ち枯れしているものを倒したりして、山の整備をしてみたい。

もちろん、ドがつく素人なので、一つずつ勉強していくつもりだ。

薪ストーブ始生代・総集編③「台風で倒れた神社の薪」編

1.原木を入手する

 

先月、大きな被害を出して通りすぎた台風21号。

 

我が家の近所にある神社にも大きなひがいをもたらした。

境内には、強風で折れた杉やひのきの枝や葉っぱが足の踏み場もないくらいに山積し、それを片付けるのをご近所のみなさんと一緒に手伝っていた。

そのとき、神社の裏の森の木が何本も倒れたという話を聞いた。

 

昔なら、村中の家が、煮炊きや風呂焚きをすべて薪で行っていたので、すぐになくなったのだそうだが、いまやそんな家も皆無。

なんとも寂しい話だ。

歩いていける距離の森や山にこれだけ豊富な燃料があるというのに、わざわざ一万キロも離れた場所から石油を運んできているのだ。

時代が変わったから、と一言ですませてしまって本当にいいのだろうか?

取り返しのつかないことにならないのだろうか?

 

やれやれ、それはとにかく、倒れている木はそのまま朽ちるだけだから、好きなだけ持っていっていいよ、と村の人に言われた。

「本当に、いいんですか!」

と、テンションが急上昇だ。なんとも現金なものである。

 

ざっと見渡すと、車が入れる場所から近い距離にあるものは全て檜(ひのき)の倒木だ。

直径が30㎝前後の太いものも多く、数えたわけではないが、おそらく20~30本は倒れているのではないだろうか。

 

そして車から最も離れた場所に広葉樹(この時点では樹種は不明)が何本か倒れていた。

数本とはいえ、かなり太いものもあり、全部で一体何トンほどあるのか、把握しきれないほどだ。

これほどリアルな「嬉しい悲鳴」をあげたのは人生で初めてかもしれない。

それはまさしく、嬉しすぎる悲鳴に他ならないものだった(笑)。

もちろん、災害で被害を受けた村の人がたくさんいるので、台風はもう来ないでほしいが、倒れた木は最大限利用しない手はないだろう。

 

とりあえず、広葉樹のある場所までチェーンソーを持って行ってみた。

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直径が1mをゆうに超える巨木が台風で傾いたので、チェーンソーで切断されていた。その横にも、相当太い木が何本も横倒しになっている。

 

この辺は相当難易度が高そうなので、とりあえず初心者でも切れそうな手頃な広葉樹をチェーンソーで玉切りしていくことにした。
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下に杉の木の切れ端を置いて台にして、チェーンソーの刃で土を切らないように細心の注意を払って。


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20ほどの玉を切った。重さにして、せいぜい200kgぐらいだろう。

それにしてもこれは一体何という種類の木だろうか。広葉樹の常緑樹であることは間違いなさそうだが、名前は全くわからない。

 
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玉切りしたものの、車までの距離がかなりあるので、一旦切ったまま放置しておく。

 

少し休憩をして、別の木を探すことにした。

すると、すぐにはち切れそうな、むちむちの広葉樹が目に入ってきた。

 

2.ヤブニッケイと対峙する

神社の裏の森で、台風で倒れた木を貰えることになり、チェーンソーを持って森の奥の広葉樹が倒れている場所で手頃な広葉樹を玉切りした。

そしてふと隣をみると、先程切っていた広葉樹よりずっと太い、おそらく直径が30㎝を超えるような、ツルッとした樹皮を持つ広葉樹が目に入ってきた。

みるからにパツパツに詰まっていて、ものすごく重量感がありそうだ。

移動させようにも、文字通り「びくとも」しない。なかなかの木だ。

さぞいい感じの薪になってくれるだろう。

 

よく見ると、この木の下に針葉樹の細い枝が挟まれていて、土から浮いた状態になっているようだ。

それならチェーンソーを入れても刃が傷まないかもしれない。

というわけで一番切りやすそうなところを両断した。
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繰り返すこと四回。

とりあえず玉が四つできた。

しかしこれはこれで問題がある。

重すぎて車のおいている場所まで運べそうにないのだ。車までは、ひのきの枝が散乱した足場の悪い山道を100mほど歩き、さらに段差を越えなければたどりつけない。

足場の悪い山道の100mは、普通に歩いてもなかなか骨の折れる作業なのだ。

 

実際に持ってみても、せいぜい持ち上げて数歩歩くのがやっとだ。

仕方がないので、薪割りができる広い場所まで少し移動させて、持参していたフィスカースのハンマー斧で半割りにしてから車まで運ぶことにする。

 

即席の薪割り場だ。

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ハンマー斧を打ち付けること、10数回。
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パカーンと割れた。

普通の斧ではかなり厳しい、極太の玉も、この斧なら割れてくれる。

 

半分にしてなんとか持てる重さになったので車まで8往復。

そこまで運んだところで陽が暮れて、森は真っ暗な闇に包まれた。

神社の薪運び、一日目はこれでおしまいだ。

 

後日、このむちむちの広葉樹の樹種を調べてみた。というか、奥さんに調べてもらった。

奥さんによると、この木は「ヤブニッケイ」というシナモンの仲間で、日本原産の唯一のシナモンの種類だそうだ。

その仲間の「ニッケイ」という木は、ニッキとも呼ばれるシナモンの木だ。香りが高い、お馴染みの香辛料だ。

その仲間なので、切っていても、割っていてもとてもいい香りがした。

 

そのヤブニッケイの、巨大な玉が転がっていた。

真ん中が空洞になっている。

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腐ったのか?朽ちたのか?
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なんだかこの世のものとは思えない。不思議な物質に見える。

これ、なんだろう?

いや、ヤブニッケイの玉が朽ちたものなんだろうけど、でも、なんかジュラ紀とか白亜紀とかから存在してそうな、おかしなものに見えるわ。

 

シナモンの仲間というだけあってヤブニッケイの薪を焚くと、いい匂いがするのだろうか?楽しみだ。

 

まあ、ともあれ、薪活がいきなり活発になってきた。

というか、ようやく薪ストーブブログらしくなってきた(笑)。

 

さあ、薪割りするぞー。

 

3.玉切りした神社薪を薪割り場に運ぶ

 神社の裏の森で倒木を貰うことになり、玉切りして、少しだけ持って帰ったところで陽が暮れた。

 

そして次の日。

 

奥さんと二人でせっせと家の駐車場まで運んできた。

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これは、まだ名前のわからない常緑樹の広葉樹。

名前が知りたい。

どんな割り味か、ひとつだけ割ってみたが、結構割りやすかったので安心だ。

※後日、近所のおっちゃんに「これ、椎の木ちゃうか?」と教えてもらった。火持ちがよくて、いい薪になるらしい。

 

そしてこっちは名前の判明した木。
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ヤブニッケイの玉(の半割り)だ。

直径は30㎝前後。

 

前日に運んだものが4玉、そしてまだ運んではいないけど、次の日に玉切りして森に放置してきたものが3玉。1玉が30kg近くありそうなので、合計7玉で200kgぐらいにはなる。

まあ、一冬で焚く量を考えるとまだまだショボいが、それでも大きな収穫だ。

 

うまくチェーンソーが使えれば、もっと切り出してこられそうだ。

 

そして、神社の裏の森には、まだまだ無数の(といっても差し支えなさそうなほどの)檜(ひのき)の木が倒れている。

 

秋の遊び焚きで針葉樹の重要性、というか有用性が分かったので、ひのきもある程度確保したい。

 

ひたすら、時間がない。

薪ストーブ始生代・総集編②「薪ストーブクッキング」

1.ドライアップル

薪ストーブの永遠の定番、輝かしいマイルストーン、不動の第一志望、アンコール。

そのアンコールのカタログをめくると必ず出てくる画像がある。

ちょっとファイヤーサイドのページから画像を借りてきた。それがこれだ。
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芯をくり貫いたリンゴを輪切りにして、ミトンラックに差して干しリンゴを作っている。

この驚きの画像を見て、干しリンゴ作りにものすごく憧れたものだ。

 

で、時は流れ、自分で薪ストーブを使えるようになったので・・・。

 

早速やってみた。

まず、芯をくり貫て。

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薄く切ってストーブに並べる。

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別の日の完成図。
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右はリンゴジャムをコトコト煮込んでいる土鍋だ。

 

りんごをたくさんもらったので(今の季節はつがるがメインだ)、バーベキュー用の網に芯をくり貫いたリンゴを並べて置いておく。

 

一晩でセミドライの干しリンゴが完成した。

食べてみると、甘さが凝縮されていて、おやつにぴったり。

刻んでヨーグルトに入れても美味しかった。

 

2.薪ストーブピザ

 

念願の薪ストーブピザに初挑戦だ。

 

定番といえば定番だし、ベタといえばベタだが、「薪ストーブで焼くピザ」という響きには、なんともいえずそそるものがある。

今までの暮らしから考えると、非日常の薪ストーブで非日常のピザを焼く、という「非日常×非日常」の構図がそこにはあるからかもしれない。

非日常×非日常という意味では「旅先でスカイダイビング」みたいなものか。

うーん。話がよくわからない方向に進んできたので、ピザを焼こう。

 

ネスターマーティンには、ピザ専用のスタンドがオプションである。

それを使って焼いてみる。

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まず材料だが、ピザ生地はホームベーカリーで作った。

ベーコン、ピーマン、玉ねぎ、チーズなど、オーソドックスなものだ。

夏場に大量に作ったトマトソースをベースにしてみる。

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適当にトッピングをして、
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専用のスタンドに乗せて、
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燠火になった炉内に投入する。
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この燠の状態を調整するのが難しそうだ。

最初はよかったのだが、連続で4枚焼いたので、どんどん温度が下がってしまった。

 

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まあ、とにかく美味しそうに焼けたので、食べてみる。

うん、美味しいことは美味しい。

しかし、トマトソースの水分が多くて、ピザの中央部分がべちゃべちゃになっとるやんけ。

これはいかん、と思い、急きょトマトソースをさらに煮詰めて、味も整えて、ピザソースに作り直した。

バターナイフ的なものですくっても下にボタボタ落ちないくらいの煮詰め方にして、ピザに塗って改めて焼いてみる。

 

これは真ん中もパリッと焼けて、最高に美味しかった。

ああ、これが薪火で焼いたピザの美味しさかぁ。素晴らしすぎる。

 

また食べたい。

 

3.焼きリンゴ

 台風による停電で電気が使えなかった夜。

寒さをしのいで灯りをとるために薪ストーブをつけていた。

停電は断続的で、ついたり消えたりしながら不安定な状態が続いていた。

 

暗闇のなかでは本も読めないので、薪ストーブクッキングをして遊ぶことにした。

作るのは焼きリンゴだ。

芯をくりぬいて、本来なら真ん中にシナモンやらはちみつやらを入れるんだろうが、そのままアルミホイルにつつんで燠のできた炉内にぶちこんだ。

 

しばらく放置して適当に取り出すとこんな状態だった。
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ふむ、しっかり中まで火が通っているぞ。

 

停電で冷蔵庫がとまり、真っ先に溶けだしたのが、とっておきだったハーゲンダッツ

どろどろになるのはシャクなので、ハーゲンダッツを焼きリンゴにつけて食べることにした。
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こうやってナイフで切って、
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つけて食べる。これは一時的に電気が復旧して、そこそこ明るいなかで撮影することができた。

 

停電と、猛威を振るう嵐と、暖かい薪ストーブの火。ろうそくが頼りなさげな灯りをともしている。

まるで電気の通わない山小屋のなかで過ごしているかのような錯覚におちいった。

そんななかで食べる「焼きリンゴwithハーゲンダッツ」は、吊り橋効果でとてもとても美味しかった。

紅玉りんごの酸味とアイスクリームの濃厚な甘味、相性が悪いわけがない。

 

4.炉内で野菜のグリル

 

ネスターマーティンのピザを焼くための純正スタンドで何度かピザを焼いている。

底が焦げないようように2重構造になった底板は、非常に使いやすくて失敗しにくい。

 

そのピザ用スタンドを他の料理にも使えないか試行錯誤中だ。

グラタンやグリル料理のとき、ことピザ用スタンドに乗せて焼いたらどうなるか、少し試してみる。

 

今回は玉ねぎと椎茸を耐熱皿に乗せてグリルしてみることにした。
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完全に熾になってから入れたらいいんだろうけど、タイミング的に熾になるのを待っていられなかったので、ちょっと炎が上がっているけど気にせず投入。

 

実際のオーブンだと、この手のグリル料理は20分くらいじっくり焼くのだそうだが、どうやら10分を越えたあたりで椎茸が黒くなってきたようだ。

そして油断をしていたら結構焦げてしまった(汗)。

 

動揺して写真を撮り忘れていた。

 

熾火は加減が難しいが、火力の調整ももう少しうまくなりたい。

そして、普通のオーブンと比して薪ストーブの炉内はかなり強力な温度であることもよく分かった。

 

今回は残念な結果だったが、色々焼いてみて、またレポートしてみる。

なお、今回の玉ねぎと椎茸のグリルは、焦げた部分を取り除いて、美味しくいただきました。焦げてないところは、味わい深くて美味しかった。

薪ストーブ始生代・総集編①「薪は足りるのか?」

新年あけて、しばらくは9月から12月までの総集編をお送りします。

しばらくお付き合いください。

 

1 短い広葉樹薪と黒い薪

今年の薪は足りるのか。

薪ストーバーの永遠のテーマだ。

 

ここからしばらく、今薪棚に積まれている薪の量と質を検証し、どれくらい消費していくのかを予想しつつ、現状を把握したい。

果たして今シーズンの薪は足りるのだろうか。

 

まずはじめはこの薪棚を見ていこう。
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ここには二種類の薪が積まれている。

ひとつは長さ20cmほどの短い広葉樹の薪で、もうひとつは真っ黒になるまで野外に放置され、所々キノコなんかも生えてきたどす黒い薪だ。こちらもがっちりした広葉樹で長さも40㎝ほどあり、申し分のない薪と言える。もし、雨にさらされすぎて成分が抜けてしまっていなければ・・・。

 

ちなみにそれぞれの薪を手に入れた経緯については以下のページを参照してほしい。

まず、短い広葉樹の薪は以下の通り

薪ストーブ前史・総集編④「極太乾燥玉編」 - 薪ストーブクロニクル

薪ストーブ前史63 極太巨大玉のラスボス相手に大苦戦 - 薪ストーブクロニクル

そしてきのこが生えてきた、どす黒い薪については以下の記事に書いた。

薪ストーブ前史⑮キノコ薪と薪棚の成長 - 薪ストーブクロニクル

 

と、まあ、こんな感じで入手してきたそれぞれの薪だが、短い広葉樹の薪は、巡航運転には達していなくて、温度が上がってきた時に、あたかも蒸気機関車に石炭をくべるように、ホイホイと炉内に放り込んで温度を上げるのに重宝している。
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こんな感じのサイズ感。

短めのラップの箱ぐらいのサイズだ。

 

どす黒い薪は、短い広葉樹薪の下に積んであるのでしばらくは使用不可能だが、折を見てちょこちょこ焚いていきたい。

戦力として計算できるのか、見極める必要もあろうかと思う。

実は6月の試し焚きのときに一度このキノコの生えたどす黒い薪を焚いている。薪ストーブ前史52 キノコ薪を燃やす - 薪ストーブクロニクル

このときはよく燃えた。

量的にはそこそこあるので1ヶ月分くらいあるのかな?ないのかな?

 

同じ薪棚を横から見るとこんな感じ。短い薪を積み上げているので、実に薄っぺらい薪の壁ができている(笑)。
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短い広葉樹薪とどす黒いキノコ薪、それぞれ1立米ほどであろうか。

 

こんな頼りない薪で足りるのだろうか?いや、まだまだ他にも主力部隊があるのだ。折を見て紹介していく。

 

2.桜の薪

第二弾はそこそこまとまった量を割っておいた桜の木の薪についてだ。

まず、桜の薪について以下の記事を読んでいただけるとありがたい。

薪ストーブ前史⑭桜の原木をもらう - 薪ストーブクロニクル

薪ストーブ前史43 桜の薪の瞬間移動 - 薪ストーブクロニクル

 

とまあ、こんな風にして手に入れた(えらく手抜きじゃないの、という声が聞こえてきそうだ)桜の薪の棚。

 

今はこんな感じだ。

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前後2列になっていて、奥が全て桜の薪。高さは2mほどあるので、そこそこまとまった量の薪ではある。奥は40㎝の薪、手前には25㎝程度の薪を置いてある。その、手前の薪だが、短めの桜と、一部、前回の記事で登場した短い広葉樹の薪も積んでいる。

 

この桜薪が、二つある今年の我が家の薪の主力部隊のうちの一つだ(もうひとつは次回紹介する喫茶店薪)。

 

実際のところ、何立米ぐらいあるのか?

横幅が約1.2m。高さは奥が2m、手前が1mとする。奥行きは奥が40㎝、手前が25㎝。

それで計算するとたったの1.26立米だ。

あら、そんなものか。

多くてもせいぜい750kgぐらいのものだ。いや、もっと少ないかも。

 

この薪棚に手をつけ始めたら、どれくらいで無くなってしまうのか、きちんと把握しておかないと。

桜は、燻製などには適した木材だが、火持ちはたいしたことがないだろう。

願わくば、この薪棚にあまり手をつけないくらいで冬を乗り越えたいものだ。

 

そのためには次回紹介する喫茶店薪が非常に大きな意味を持ってくるはずだ。

 

3 喫茶店薪

 喫茶店薪とはこんな薪だ。

 薪ストーブ前史・総集編③「喫茶店でもらった木材」 - 薪ストーブクロニクル

 

おそらく楢の木であろう薪。1立米ほどあるはずだ。計算は合ってるのか。

横幅・高さ・奥行きがそれぞれ約2.5m×約1m×0.4mなので計算上はきっかり1立米だ。

こちらは完全に今シーズンの真冬の主力として計算している薪棚であり、可能なら今年は真冬にこの棚の薪を焚き、秋と春はどんころや針葉樹などを焚いて乗りきりたいと考えている。

ひょっとするとかなり甘い見立てかもしれない。しかし、この通称「喫茶店薪」のズシリとした重量感を鑑みると、少なく見積もっても2ヶ月ぐらいはいけるんじゃないかと考えている。
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 これを月の頭、例えば12月から焚き始めて、いつまで使えるか、調べてみるのもいい。そうすればうちの薪ストーブ(ネスターマーティンs33)がどれほどの薪を消費するのか、実感できるだろう。

 

喫茶店薪。その試金石としたい。

 

4 栗薪とけやき薪と雑木薪

今回は栗薪とけやきの薪について。

例によって栗とけやきの木を入手した経緯については以下の記事を読んでくだされ。

・栗について

 薪ストーブ前史・総集編②「栗の薪割り」 - 薪ストーブクロニクル

・けやきについて

 薪ストーブ前史・総集編⑤「けやきは割りにくい?」 - 薪ストーブクロニクル

 

それを少し陽あたりは悪いが雨の振り込まない壁沿いに積んだ。
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画像の一番左側が栗薪で中央あたりにけやきの薪を積んだ。

右側は雑木だ。朽ちかけていた梅の木や金木犀の薪がメインだが、正体の分からないものも多い。

 

栗は、陽あたりのよい場所で半年ほど乾燥させたら、内部の含水率が13~15%と出たので、おおむね乾いているはず。

パチパチと薪がはぜる音を聞きたくなったときにでも使うとしよう。栗だと忘れてうっかり炉に入れて扉を閉め忘れていたら、すごくはぜて危ないらしいので、きちんと区別して置かないといけないね。

 

けやきは、半割りにもできないような腕薪が多く、丸のまま乾燥させているので、まだ水分が多くて焚けないかもしれない。

焚くのは来シーズンになるだろう。もちろん、それまでに他の薪が底をついたらこのけやき薪を、使わざるを得ないが、現状では一番乾燥していないだろうと予想している。

 

この栗、けやき、その他の雑木を合わせても、おそらく1立米ないくらいだから、そこまで強力な戦力とは呼べないが、ともかくあると安心な広葉樹雑木部隊、通称「08小隊」なのだ。

 

個人的には、堅くて堅くて難儀しまくった金木犀の薪がどのくらい火持ちがいいのか気になっている。

また焚いてみて報告したい。

 

5 針葉樹の薪

最後を飾るのは針葉樹薪だ。

例によって針葉樹についてはこちらの記事を参照のこと。

針葉樹薪には、お蕎麦屋さんでもらった杉と、近所のおっちゃんにもらった松がある。

・杉について

薪ストーブ前史・総集編①「はじまりはいつも針葉樹」 - 薪ストーブクロニクル

・松について

薪ストーブ前史・総集編⑥「松の薪割りに大苦戦」 - 薪ストーブクロニクル

 

杉の薪割りをしながら、棚にどんどん積んでいったのだが、これらの杉は薪ストーブシーズンの開始と共にどんどん焚き付け材としてさらに細かく割られたり、あまり寒くない日のメインの薪として炉に放り込まれたりして、どんどん減っていった。10月がもうすぐ終わろうとする段階で、針葉樹専用薪棚は半分ぐらい目減りしている。

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↑これはまだ少ししか減っていないけど、日に日にスカスカなっていく針葉樹の薪たち。

しかし、これは何を意味しているかというと、針葉樹の薪は焚き付けやシーズンインの今の時期にめちゃめちゃ重宝しているという事なのだ。

焚き付けにしてもどんどん燃えて、一気にストーブの温度を上げることができるし、ネスターマーティンなら、針葉樹の薪でもそこそこの時間燃え続けてくれるので、普通の薪としても、充分戦力になりうる。

置く場所がたっぷりあれば、もっと欲しいくらいだ。


さて、もうひとつの針葉樹薪は松だ。

松は裏側や表など、様々な場所に分散して置いている。

意外と乾燥が早かったので、もうすでに焚いているのだ。いい感じで燃えてくれているが、問題は煙突の煤がどうなっているか、という、その心配だけだ(笑)

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ちなみに右に写っているコンテナには、小枝や細枝、樹皮などの焚き付け材が入っている。

折をみながらこれらも利用していく。

 

6 まとめ

さて、これでシーズンインまでに集めてきた薪を全て紹介した。

 

①短い広葉樹の薪 0.5立米

②黒いキノコ薪 0.8立米

③桜の薪 1.2立米

④喫茶店薪 1立米

⑤栗薪  0.5立米

⑥けやきの薪 0.2立米

⑦その他の雑木薪 0.2立米

⑧杉の薪   1.5立米

⑨松の薪   0.5立米

 

広葉樹の薪が4.4立米。

針葉樹の薪が2立米。

 

つまり広葉樹約2.5トンと針葉樹約800キロというところか。合計3.3トン。

とりあえず現状はこれが手持ちの全てのカードだ。

シーズンの終わりにまた、振り返ってみることにしよう。

食とエネルギーの自給を目指して

あけましておめでとうございます。

2018年もあっさりと始まりました。

今年もボチボチと更新していこうと思っているので、気長なお付き合いをよろしくお願いします。

 

さて、今年も正月からガンガンに薪ストーブを焚いて、ぬくぬくと過ごしている。

新年が始まったのを期に、今一度このブログのコンセプトと言うか、僕が目指す、薪ストーブのある暮らしの方向性を書いておきたい。

 

まず、このブログのテーマは「食とエネルギーの自給を目指す」である。

「自給する」ではなく「自給を目指す」というところがミソだ。

食もエネルギーも誰かや何かから完全に自立して自力で調達する、というのはさすがに難しすぎると思う。

そうじゃなくて、今自分がすべきだと信じる生き方をしてみる、そのなかで自分が変わっていく。その生き方を簡単に表現すると「食とエネルギーの自給を目指す」ということになるのだ。

そこにはなるべくお金を介在させない。お金を補助的なものとして、もしくは物々交換的にバーターにすることによって、お金を度外視した人間関係を構築していく。

昔の村社会は、リアルな互助社会だった。そこに歴然と存在した煩わしい人間関係を、今はお金で買っているわけだ。それ自体は、悪いことじゃないかもしれない。

でも度が過ぎてきて、どちらかというと豊かと言うよりグロテスクな暮らしだ。不自然なほど便利で、便利すぎて気持ち悪い。

そして、便利なだけでなくて、すごくつまらない暮らしだ(と僕は感じてしまう)。

本音を言えば江戸時代ぐらいに戻る方が、大胆で楽しそうだが、そこまでいかなくても、バランスを取る必要があるんじゃないかと思う。いきすぎたぐらい便利で、不自然な暮らしに。

だから、まず、働き方を変えた。実質週3日ほどしか賃金労働をしていない。収入が減れば、その分自分の頭と身体を使って、それを補えばいい。村の人たちとの人間関係だって、自分に時間があれば煩わしいというより、むしろ楽しくなる。収入がすくないなら、できる範囲で色んなものを自給していけばいい。

もちろん、それでも自分で作れないものはお金が必要だ。それでいいと思う。それが「自給を目指す」という、ちょっとユルいテーマの真髄だ。

肝心なのは、自分が最高に楽しめる状況、楽しみながらチャレンジできる状況だ。

だから、薪は頭と身体と人間関係を最大限に活用して、お金を使わずに全て調達することを自分に課している。

集められるかどうか、まだ分からない。しかし、こんなにリアルに生きる実感が湧いていることに驚いてる。まさしくニーチェの言った通り、「これが生きるということ」なのだ。

もちろん、薪にお金を払うなんておかしい、とか、絶対に薪はタダで手にいれるべきだ、とかそういうことが言いたいのではない。

薪ストーブの普及のために、薪を価値あるものとして売買できる、というのはとても大事な事だし、それぞれ置かれた環境も個々の状況も違うので、薪をどうやって調達するかは全くの自由だ(当たり前ですね)。

ただ、僕たちは薪を、お金を介在させずに手に入れることをルールとして、それを楽しんでいるだけだ。

 

食の自給はもっと難しい。野菜は薪のように蓄えておくことが難しく、また、路地栽培では栽培期間に制約が多い。

だから、無理せずに、できることからぼちぼちやっていこう。

 

それにしても、2018年も全く楽観視できない。

お金の力によってマスメディアは都合よくねじ曲げられ、時の権力者への迎合もあり、そして我々一般市民自体があまりにも色んなことに対して思考停止してしまっているために、出来合いの価値観と生き方に絡めとられて、身動きもできず、かなり危ない方へと転がり落ちているように感じる。今年、何か重大な事が起きても、全く不思議ではない。

それは気候変動一つとってもそうだし、国際政治は言わずもがなだし、国内でもろくでもないことになっている。例えば、自然災害による世界的な食料の不作と政治的な混乱が重なれば、いともたやすく不測の事態が起きるだろう。

 

ただ、現実は変えられないから、みんな思考停止して、難局を乗りきろうとしているように見える。それは乗りきっているのではなく、先送りしているだけなのだが。

もちろん、偉そうなことを言っても僕には現実を変える力はない。

ただ、自分が正しいと思うことをするだけだ。

 

不便だけど素晴らしい物の代名詞、とも言える薪ストーブ。

こんなに奥深くてシンプルで、苦労が多くてその苦労が報われて、楽しい上に世の中を変える可能性を持ったガジェットは、そうそうあるものではない。

色んなやり方で、色んな人たちが、その魅力を発信している。僕もその末端の端の端の方で、ささやかに自分なりの方法で、その魅力を発信していきたい。

その素敵な不便さが、恐ろしく不安定なこの社会のバランスをとり、少しでも世の中をよき方向へ導くことができるように願ってやまない。

このブログを通して、すこしでもそんな思いに共感してくれる人が増えてくれると嬉しい。

僕のような、なんの取り柄もない、政府公認の資格(運転免許以外)もなければ、特殊技能もなく、体力もない、ただの男でもやりたい放題しながら、楽しく暮らせる、ということを伝えられたら、と思う。

 

さて、明日からしばらく、冬季休暇、というか、ブログは9月から12月までの記事の総集編をお送りする。

そして管理人は、正月休みを堪能する。

 

あしからず。