薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブ原生代37 薪ストーブベーカリーの奥深さ

薪ストーブ中心のブログなのに、最近、さっぱり薪ストーブネタを書いていない。

ので、久しぶりに薪ストーブのネタをぶっこんでみる。

 

前から、薪ストーブでパンを焼くことはしていた。

ただ、ピザをした残りの生地でテキトーに焼いただけのものがほとんどで、あらたまってパン主体で焼くというのは、あまりしたことがなかった気がする。

 

しかし、薪で焼いたパンはうまいはずだ。

 

ということで、焼いてみた。

 

生地はホームベーカリーで作って。

 

まずはソーセージロール。
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そして、ピザパン。
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それと、これは分かりにくいけど、ジェノベーゼパンだ。
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澳になっていい感じの炉内に、パンを入れる。
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ものの五分で焼けちまう。
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チーズも溶けて、うまそうだ。

 

お次はソーセージロール。
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うまくいったかと思ったけど、2度目だったので、さっき焼いたときに温まった鉄の敷き板の温度が高すぎて、パンの底が焦げた。
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ガーン。

まあ、許容範囲かな?

 

そんな感じ焼いていくと、なんかいい感じで焼けた。
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食べると、はっきり言ってそこら辺の大手パンメーカーのパンなんて目じゃないくらいうまい!

 

これはうまい!

 

テキトーに焼いても大丈夫だった。

 

また焼こう。

オフグリッド入門③~太陽熱温水器でお湯を作る

フグリッドシリーズ第三弾は、太陽熱温水器だ。

太陽熱温水器とは、読んで字のごとく、太陽の熱を利用してお湯を作るシステムのことだ。一昔前は、あちこちの家の屋根に朝日ソーラーと書かれた温水器が乗っていたものだが、最近は昔設置されてボロくなった温水器が肩身も狭そうに屋根あるのを見かけるばかり。すっかり太陽光パネルにその座を譲ってしまった感がある。

そんな時代錯誤なものをなぜ導入することにしたのか?

まあ、そのへんにも触れながら話を進めていこう。

 

こんな感じで、屋根の煙突の近くに設置された。
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そもそも、オフグリッドということに興味を持ったときは、送電システムから外れて電気を自給したい、という気持ちで色々調べていた。

しかし、太陽をエネルギーとして利用するなら、太陽光パネルによる発電より、太陽熱温水器の方がずっと太陽エネルギーのエネルギー変換効率が高いということを知った。

広い意味でのオフグリッド的な考え方をするなら、太陽光パネルよりも先に太陽熱温水器をつける方がオススメなのだそうだ。

 

以下のようなサイトもあるので、興味がある方は見てほしい。

最新の太陽熱温水器を比較!これは全世帯におすすめしたい必須アイテム | 一家だんらん

 

この記事によると、太陽光パネルは太陽エネルギーの10~20%しか利用できないのに、太陽熱温水器は太陽エネルギーの50~60%も利用できるのだそうだ。

というわけで、迷うことなく設置する運びとなったわけだ。

 

 

話を設置する日に戻そう。

 

まず、真空管とタンクを置くための架台を設置した。

思いの外、煙突の近くに設置することになったぞ。大丈夫か?
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次に、その架台に、真空管をさして水をお湯に変えるためのタンクを置く。
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このタンクに真空管をさして、屋根の上の組み立ては完成。

 

ちなみに、このタンクは大きな魔法瓶のようなもので、一度お湯になると簡単には冷めない。その日のうちに使い切らなかったお湯は、魔法瓶同様少しずつ温度は下がるものの、次の日にそのお湯を持ち越すことができるのだ。

これってすごいことだと思う。

太陽の熱エネルギーを余すところなく利用できるのだ。

 

さて、屋根上のタンクと真空管は設置完了。

 

ここまでは、素人でも3人いれば設置できるようだ。
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ちなみに太陽熱温水器のメーカーごとの違いなどについては、もちろん実際に使って比較したわけではないのであくまでも情報をもとにした想像なのだが、真空管タイプのものなら、どれも性能に差がなさそうだ。

ただ、デザインは多少異なる。屋根の上にドーンと乗るわけなので、あまり意に沿わないデザインのものは避けた方が良さそうだ。

僕の選んだサントップという、寺田鉄工所のものは、特にこだわりがあって選んだわけではなく、お世話になることになった工務店で何度も設置していて慣れているから、というだけの理由だ。

価格が高めなのだが、実際には定価よりかなり安かったので実売価格はどれも大差ないのかもしれない。

ネットで調べても、それぞれの性能差や価格差を知ることはできなかった。あまりにもニッチなアイテムなので、比較できるほどの知識を持った人も少ないだろうし、機種選びにそこまで神経質になることもないのかもしれない。

 

下の配管は水を屋根に送ったり、屋根で出来たお湯を給湯器に送り込むものだ。
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ここは、基本的に電気がなくても機能する。アナログ設計なのが嬉しい。

 

下の画像のミキシングバルブが、アナログ的に屋根上で出来たお湯と水を混ぜて、だいたいの設定温度にして室内に供給してくれるのだ。
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給湯器の電源を切っていても、電気が止まっも、蛇口でお湯を捻れば、だいたいの設定温度のお湯が出てきてくれる。あくまでだいたいの温度だ(笑)。

 

実際に試してみた。
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おお、給湯器の電源はオフだけど、ちゃんとお湯が出てくるじゃないか!ちょっとぬるいけど、食器洗いには過不足なし。

 

フグリッドアイテムはこうでなくちゃ。

停電したら使えない、というのではオフグリッドと言えない。

 

さて台所の給湯はこれで問題なし。

 

次は最大のポイント。つまり、風呂だ。

 

熱々の風呂入れてこそ、太陽熱温水器を設置した甲斐があるというものだ。

 

冬なので、もともとの水温は低めだが、太陽がしっかり出た日を見計らって、実験。

 

その日は少し給湯温度を下げて、お風呂にお湯をはった。

浴槽にお湯をためている間、ガスを使っているマークが出なかった。

お湯は全て太陽熱で作ったものだけで浴槽に貯められたことになる。

 

しかし、これではぬるいお湯。

熱々の気持ちいい風呂ではない。

 

そこで、あらかじめ、薪ストーブでガンガンに温めておいたお湯を浴槽に注ぎ込む。
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これで、熱々のお風呂完成。

すげー気持ちいい。

そして、ガスで沸かしたときより、心持ち身体が暖まり、お湯も冷めにくい気がする。

これで一応オフグリッドな入浴も可能なことが判明した。

 

もちろん、こんなややこしいことをしなくても、いつも通りにお風呂を沸かしても、いつもより圧倒的にガスの使用料は少ないはずだし、夏場は間違いなくガスを使わずにお風呂を利用できるはず。

ただ、プロパンガスを使わなくても、そして、場合によっては電気もなくても、風呂に入れる。

薪ストーブとの併用で、冬場はさらに安心だ。

 

去年までのガス代とどれぐらい差がつくのか、ということや、夏場の使用状況については、また追って報告したいと思う。

とにかく、太陽が顔を出せば、お湯が出来て、雨が降ればタンクに水が貯まる、全天候型オフグリッドハウスが一歩動き出したぞ。

 

テンションを上げつつ、まだまだつづく。

オフグリッド入門②~雨水をためて洗濯に使う

引き続き、水のオフグリッドのお話だ。

 

しかし、そもそも水道に関して、オフグリッドという言葉を使うのは正しいのだろうか。

 

正確には、オフグリッドの意味するところは「グリッド」がオフであるということ。ではグリッドとは何かというと、電気を供給する送電システムのことだ。

電力会社の送電システム(グリッド)から切り離された状態(オフ)のことなので、水道には使わないらしい。

 

しかし、「オフグリッド的な暮らし」という広い意味では、電気をはじめとしてガスや水道など、はたまたガソリンや灯油などのインフラや燃料などを、すべからく自分で賄おうと(努力)する暮らしのことなので、あまり気にしないように。

送電システムから電気をもらわないと我々の今の暮らしが全く成り立たない、という常識がまかり通っているので、やはり最後はその常識をくつがえすことを目指したいのだが・・・。

 

さて、それはさておき、雨水タンクの話の続きだ。

前回は、250㍑の畑用雨水タンクを設置した話だったが、母屋にもうひとつタンクをつけた。

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こいつは、縦、横、高さがそれぞれ1㍍×1㍍×1㍍の立方体だ。

1立米の水が貯められる。1立米の水は1トン。

1トンというと、大量の水という感じもするが、はっきり言って生活に必要な水の全てを賄えるような量ではない。

雨がコンスタントに降ればいつでも使えるが、しばらく雨が降らないととたんに枯れてしまう(笑)。

なので我が家では、ここにたまった雨水を洗濯専用に使うことにした。

洗濯なら、うまく使えばほぼ全量を雨水でまかなえるはずだ。もし足りなくなれば、いつでも水道の栓と切り替えられるようにしておいた。

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右の栓が水道からくる水で、左の栓が雨水のタンクからくる水だ。

 

屋根に降った雨がトユをつたってタンクに流れ込む、という構造自体は小屋につけたDIY雨水タンクと同じだ。
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この間もこのブログのコメントで、洗濯用とトイレ用に雨水タンクを自作で設置したという方がいたが、配管関係に詳しければ自分でもできるのだろう。

僕は、設備系に詳しくないうえに、性格も大雑把なので、近くの業者さんにお願いした。
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たまった水をポンプで組み上げて、
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洗濯機から雨水が出てくる。

 

おお。

 

このタンクには蛇口がついているので、非常時(断水時)にはその蛇口から水を供給することも可能だ。

まあそれも、雨次第なのだが。

 

わざわざ洗濯機に直結してまで雨水タンクを設置するメリットがよく分からない、という方もおられるかと思う。

 

我が家で雨水を洗濯に使おうと思った最大の理由は、粉石鹸を使っているからだ。

水道水で洗濯をすると、粉石鹸はどうしても石鹸カスが残る。特に黒いシャツなどには、白いカスが必ずついている。

見た目にも嫌だが、これは石鹸が完全に溶けていないということも意味している。

水道水は塩素消毒しているので、ミネラル分が含まれている。そのミネラルと石鹸が反応して完全に溶けきらないのだそうだ。

 

そして、雨水だが、なんだか汚そうなイメージを持ってしまいがちだが、実は雨水は蒸留水。つまり真水だ。

ミネラル分が含まれていないので、石鹸カスが残らない(らしい)。

粉石鹸ユーザーにとって、雨水が洗濯に利用できるというのは福音なのだ。

まあ、実証実験はこれからじっくりしてみる。

実際はどうだったか、また後日報告する。

 

ちなみに、野菜の水やりにも、塩素が含まれている水道水よりも、雨水の方がずっといいらしい。

そちらも(実証実験が可能かどうかはわからないが)、試してみたい。

オフグリッド入門①~雨水をためて畑で使う

さて、オフグリッドだ。

 

先日の記事で自分のオフグリッドに対する考え方を少し長めに書いたところ、北海道からも反響をいただいた。

去年、北海道胆振東部地震で2日間停電を経験したという方からのコメントだった。

そのコメントを昨夜うちの奥さんと読み返していた、まさにその時間に、北海道のほぼ同じ場所で震度6弱地震の速報が入ってきた。

死者は出ていないようだけど、まだ断水が続いている地域もあるようだ。

先日コメントをくださった方は無事だろうか。こんな寒い季節に断水になっていたら、さぞ大変な思いをされていることだろう、と心配になった。

 

断水して大変なのは、飲み水よりもむしろ生活用水だろう。

飲み水は2㍑のペットボトル1本あれば事足りるが、トイレ、風呂、洗濯などに使う水の量はその数百倍になる。

節約して使っても、そして、仮にどこかで水源がみつかっても必要な量を家まで運ぶだけでも、かなりの労力が必要になるだろう。

 

しかも、僕たち日本人は、「水と平和は無料で手に入る」という幻想を未だに持ち続けているきらいがあるけれど、どちらも早晩入手困難になる可能性がある。

まあ、平和に関しては、客観的に世界情勢を眺めてみれば、平和が脅かされる要因はそれこそ本当にたくさん転がっている。

 

しかし、水はどうなの?

断水さえしなければ、あんなに安い水道代で毎日いくらでも使えるんじゃないの?

と、まあ普通はそう思いますよね。

でも、去年(2018年)の5月に、企業に公共水道の運営権を持たせるよう推し進める法律が可決しているのだ。それも、国民の関心がそこに向かないように、同じ時期にオウム真理教の死刑囚の刑の執行している、という周到なメディア戦略までして。

水道事業の民営化、しかも外国企業の日本法人がすでに単独で水道事業を運営するケースが出てきており、去年可決した法律の後押しもあって、今後民営化の流れは止まらないと思われる。

そしてその結果、間違いなく水道料金は上昇していく。

外国での水道事業の民営化に際して、企業が手始めにすることは、ほぼ例外なく水道料金の見直しだったからだ。

 

人間が生きるために絶対に不可欠な水という資源は、大手企業からすれば莫大な富を生むビジネスチャンス以外の何物でもない。

上記のように、国民の関心が向かないタイミングであっさりと民営化への道筋が作られていることから考えられるのは、巨大な世界的企業による圧力しかない。

なにせ、一地域に対してひとつの企業がその地域の水道事業を独占するという条件がついているのだ。つまり、運営権さえ取ってしまえば、競争がなくなるのだ。

脳が溶けてしまったかのように制御不能になっている例の電力会社と同じ構造ですがな。

脳が溶けるのは自由だけど、炉心まで溶けたのにのほほんとしていられる、例の電力会社と同じ構造なのだ。これは、ヤバすぎる。

 

またしても金だ。

 

やれやれ。

 

いい加減、うんざりだけど、そんな巨大企業の思惑は変えられないにせよ、水は何はともあれ暮らしに欠かせないものだ。

天変地異による断水も、水道事業の独占という人災による水道価格の高騰も、ともに将来起こりうるリスクだ。

 

思考停止して、蛇口から出てくる水を待っているだけではいかん時代がやってくるのだ。

 

さあ、水も自分でなんとかしよう。

 

というわけで、まず第一弾は畑で使う水の確保から。畑に250㍑の雨水タンクを設置した。

ここまで、かなり悲壮感もりもりの壮大な話をしてきたわりには、設置したものがショボいが(笑)、この雨水タンクはDIYでできる優れもの。

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自治体の補助金も使えるので、かなり安く付けられる。うちに関しては実質一万円くらいで設置できたはずだ。

屋根に降った雨がトユに集められて、流れていくのだが、その水をキャッチして溜めておくという、極めてシンプルな構造。f:id:akagestoves:20190222182501j:image

こいつは、誰でも一時間もあれば設置できる。
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設置した数日後、雨降りの日があったのだが、その一日の雨天でタンクは満水になった。それほどどしゃ降りの雨でもなかったのだが、どうやらシトシト降る雨の方が、水を集めやすいようだ。
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こんな感じで、リミットまで溜まったら、それ以上は溜まらずに、普通に下に流れていく。

また、水位が下がったら、溜めてくれる。

 

 

夏場の散水はもちろん、農機具や根野菜を洗ったり、ほのぼのとした使い方がメインになる予定。
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もちろん緊急時には大切な水源として活躍してくれるはずだ。

 

しかし、これはささやかな、どちらかといえばオマケの雨水タンクだ。

屋根の小さい小屋のような建物に降った雨を集めるならこれくらいのサイズで充分。

もし、オフグリッドに関して、大がりなことは無理だけどなにか少しだけやってみたい、という方には、この小さめの雨水タンクか、自分で組み立てる太陽光パネルがおすすめだろう。

 

雨水タンクはもうひとつ母屋に大きなものを設置した。実はこっちが本命なのだ。

そちらの話しはまた次回。

 

とりあえず、こいつに関しては夏野菜の水やりが楽しみで仕方がないぞ。

オフグリッドについて考えるときに僕が考えること

ブログも3年目。

ようやく薪ストーブと畑以外の大ネタが登場だ。

 

フグリッド。

 

このブログの永遠のテーマだ。

 

お金だって大事かもしないから、貯金がゼロなんてことはない。

だけど、2000年代の前半にアルゼンチンに滞在しているときに実際に体験したペソの大暴落を思い出すと、お金だけを持っていたってそれで安心なわけではない。

むしろ、お金に全面的に頼らないで自分の暮らしを守る方法を構築する方が良いと感じている。

倫理的も、感情的にもそう思うし、それを抜きにして、もっと単純に考えても、お金だけに頼っていたら、後で困るのはどうせ自分だろうと思っている。

 

分かりやすい実例は、停電したときにQOL(クオリティーオブライフ)がどれくらい下がるか、を考えてみれば理解しやすい。

普段より、ちょっと暗い部屋になるくらいで、快適さは変わらない、というレベルなのか、トイレを催す度に恐怖を感じるのか(笑)。

 

停電なんて一時的な状況ですぐに復旧するんだから、長くても数日耐えればいいじゃない、とあなたは言うかもしれない。

しかし、去年のように地震と台風が重なったら、途端に過疎地に回す電柱が足りなくなったりするのだ。

災害が複合的に起きた場合、公共のライフラインの復旧は大都市優先で、それ以外の地域はかなり後回しになることが確実だ。

しかも、大規模な災害が複合的に起きる可能性は東南海トラフ地震や気候変動による異常気象なども考慮すれば、もはや何も起きない方が奇跡と言えそうなくらい、私たちの身近なものになってしまったと考えるべきだろう。

停電、断水などはもはや、起きて当たり前なのだ。人智の及ばない、もっと悲惨なことにならないことを祈るしかない。

 

と、少なくとも僕はこう考えている。

 

で、今まさに起きつつある地球規模の気候変動が収まってくれればいいが、そして、物凄いスピードで進化を続けるAIのテクノロジーが、人類の未来をいびつなものに変えてしまわなければいいが、それを嘆くのはひとまず置いておいて、目を背けるのもやめておいて、現実をしっかり見た上で、この、糞みたいな現代社会をしっかり俯瞰した上で、楽しく幸せに暮らすためには、どうすればいいだろうか、と考えると、意外と答えはシンプルなのだ。

まず、①必要以上に現代社会(システム)に依存しないこと。

そして、②自分でできることは自分ですること。

と、まあさしあたりこの2つで充分なはずだ。

なーんだ、簡単ですね(笑)。

 

で、まず大切なのは現金収入を得るために働きすぎないこと。

金のために働きすぎると、日常を変える気力がなくなってしまう。

本当は多くても週に四日ほどが理想だ。

もしくは毎日働いてもいいけど、仕事が終わってから田畑に出たり薪を割ったりする時間がある明るさで帰宅できること。

働きすぎない、というのは、あくまでも現金収入のために、という条件つきであって、身体を動かしてするべきことは山ほどあるのだ。

食べるものを作ったり、燃料を作ったり、衣類や日用品だって、時間さえあれば昔は誰だって作っていた。

ようは、時間とその暮らしを楽しむ感性さえあればいい。

そして、そのフィールドとしては、絶対に断然田舎がいい。みんなが宝を捨ててごみ溜めに向かっている今なら、理想の暮らしを実現できるフィールドがいくらでもある。

 

さて、したいことをする時間を作って、したい暮らしができる場所も手に入った。さてそこからどうしよう。

現代の社会やシステムに依存しすぎないためには、ライフラインをある程度自分で確保しておけばいいのだ。

 

そこでようやく冒頭の話が出てくるわけだ。

 

つまりオフグリッド。

フグリッド自体は、目的ではなく、システムに依存しすぎないための手段のひとつだと思うんだけど、オフグリッドのいいところは、手段なんだけど、妙に楽しいという点だ。

 

道をふさいで邪魔なだけの、うち捨てられる樫の木。しかし薪ストーブユーザーにとっては極上のお宝だ。

 

と、いままでは、オフグリッドアイテムが薪ストーブだけだったんで、ここまでだったんだけど、これからは少しステップアップするのだ。

 

これからは毎日の天気が楽しみになるのだ。

 

名付けて全天候型オフグリッドアイテム。それを設置する。

 

太陽がガンガン照りつける晴れの日も、空を雨雲が覆い尽くすどしゃ降りの雨の日も、どちらも待ち遠しくなるだろう。

 

それって凄い事だと思いませんか?

 

正確には、2つのオフグリッドアイテムを組み合わせることで、晴れた日も雨の日も、その自然エネルギーを自分の暮らしと直結できるのだ。

 

それは何かというと、(拍子抜けするかもしれないが)太陽熱温水器と雨水タンクのセットだ。

晴れた日の太陽熱で家の給湯全般をまかない、雨の日の水で畑への散水や洗濯の水をまかなう。

なにより、断水したときの非常用の水道としても使えて、しかも雨が降る限りは常に補充されるというのが安心だ。

 

え?水道代なんてたいして高くないんだから設置したってぺいしないんじゃないかって?

 

その通り。

 

太陽熱温水器は間違いなく元がとれるが、雨水タンクはその設置費を賄えるほどの経済的効果はない。

 

しかし、しかしですよ。

自分が素敵だと思える家にするのに、経済的効果を考える人がいるだろうか?

例えば家にウッドデッキが欲しい人がいるとして、ウッドデッキがどれくらい経済効果があるかを考えるだろうか?

ウッドデッキで快適に過ごすことが、設置にかかった費用に対する何よりの報酬だろう。

 

だとすれば、雨水タンクも太陽熱温水器も、それでいくら得するかを考えること自体がナンセンスだ。

太陽の熱や空から降る雨が自分の毎日のエネルギーに利用できるという暮らしこそが、何よりの報酬だ。そんな暮らしは言うなれば、極上の、それこそ楽園的暮らしに思えてならない。

結果として、普段のガス代がいままでより安く抑えられれば、それはさらに現金収入が少なくて良い暮らしへと繋がるので、大歓迎なのだ。

 

結論。

「生きていくために必要なことはそんなに多くない。」

 

お金?

そりゃあれば便利でありがたい。お金が嫌いだからトイレに流す、なんてことはない(笑)。でも紙切れになる可能性があることは頭の片隅に置いておこう。いつか一万円札でお尻を拭く日が来ないとは限らない。そしてお金を増やすことは人生の目的ではない。

 

情報?

知らないことを知っていると得なようだけど、実はあればあるほど不幸かも。

 

インターネットやスマートフォン

この世から消え去っても嬉しいだけ。ブログの読者とはもう繋がれないけど、そして無理とは知れど、消滅して欲しい。まあ、控えめに言って諸悪の根源だ。

 

食べ物?

そう、食べ物は絶対に必要だ。自分の食べ物を自分だけですべて作るのは相当根性がいるけど、身近な地域の人たちと繋がることで地域的自給は可能だ。

 

エネルギー?

寒い冬に暖をとったり、料理のための熱は必要不可欠だ。快適に暮らすなら温かいお風呂もぜひ欲しい。薪ストーブと太陽熱温水器でその多くが賄えるはず。

そしてまだまだ構想段階だが、オフグリッドといえば、その中心には電気というエネルギーがある。電気は避けて通れないので、いつか登場することだろう。どんな形になるか楽しみだ。

 

水?

なかったら即、死にますね。

風呂、トイレ、洗濯etc.etc.

ちょっと想像力をたくましくして、水がなくなる恐怖を考えたら、いつでも真水が手に入る環境に身を起きたくなる。断水なんて、いとも簡単に起きるから。

 

Somethingelse?

あるインドの思想家が説いて言うには、人生に必要なのは食べ物と水と、なにがしかの芸術だそうだ。ここでの芸術とは広義の芸術だろう。趣味に近いものと考えて良さそうだ。

それが何かは人によって違うだろうが、お金を増やすことではないと個人的には思っている。

 

さて、3年目に突入したこのブログは、今後しばらくは、新たに導入したオフグリッドアイテムについての具体的な話を書いていきたいと思っている。

 

薪ストーブについては、相変わらず最高に暖かい冬を過ごしている、とだけ書いておこう。

 

ブログは3年目に突入

2年前、このブログを始めた頃はまだ家に薪ストーブがなくて、それどころか今暮らしている家にさえ住んでいなくて、公団住宅で薪ストーブについての妄想を膨らませていた。しかし近いうちに導入の予定があったので、薪ストーブについてリサーチをしたり、薪集めに奔走していた。

初めて投稿した記事がこれだ。

はじめまして - 薪ストーブクロニクル

 

薪ストーブの設置されたモデルハウスやログハウスを見て回っては、家そのものより薪ストーブを観察し続けた。

 

狂気の薪集めは、乾燥しすぎた原木ばかり拾ったり貰ったりして、斧でなかなか割れず、楔を叩きすぎて肩を壊したり、まあ、樹種と状態を問わずとにかく燃やせるものであればなんだってよかったので必死こいて薪をかき集めていたものだ。とにかく、薪棚をいっぱいにしようという一心で・・・。

 

それから2年。

 

薪集めのルートもきっちり確保し、すっかり慣れてきたつもりだ。

何といっても、最近の一番の変化は、良い樹種でなければ持って帰ろうとしない、薪の選り好みを始めた点だ。

 

ああ、なんてこった。完全に堕落してしまった(笑)。

 

2年前、清き心で貪欲に薪を集めていた頃は考えられない堕落っぷりだ。

 

家の土場には、まだ割られていない樫とコナラばかりが積み上げられている。f:id:akagestoves:20190209071512j:image

しかも、実際にはまだどちらの薪(樫もコナラ)もまともに焚いたことさえないぺーぺーなのだ。

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なんとも情けない話だ。

 

しかし今日も猫たちは火がつくなり、薪ストーブの前で思い思い寛いでいる。
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とにかく家族の協力もあって毎日暖かく過ごしている。

昨日はうちの奥さんが薪ストーブの周辺環境を整えてくれた。f:id:akagestoves:20190209071808j:image

大割り、中割り、長めの小割り、短めの小割り、樹皮、割り箸、木っ端、といった具合だ。

 

3年目に突入したこのブログ。

更新頻度も堕落しっぱなしだが、

 

「まあ、まだまだ続くやろ」
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と、うちの子も言っておられます。

 

ぼちぼちよろしく。

薪ストーブ原生代36 味噌作り

もうブログを廃業したかと思われた方もおられただろうか(笑)。

久しぶりの更新だ。


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夜の薪棚を撮影したり、コナラをガツガツ拾ってきたり、色々薪ストーブネタを集めていたのだが、どうも一つの記事にまとめるほどのものでもない気がして、だらだらしているうちに更新できず、時間だけが過ぎてしもた。

 

さて、気を取り直して・・・。

 

 

2月は味噌作りの季節だ。

 

薪ストーブがあれば、味噌作りもずいぶん助かる。

きちんと予定をしておけば、前日からしっかり吸水させた大豆を、天板でコトコト煮て柔らかくして、重石や道具の煮沸もストーブでお湯を沸かしておけるので経済的。

何かと役に立つ。

 

しかし・・・

 

何ということか、季節外れの暖かい1日だった昨日は、朝からなんとなくポカポカしていて、2月だというのに薪ストーブがいらないような陽気だった。

そのうえ、急に決まった休みだったので、大豆を水に浸けることもしていない。

 

まあ、とりあえず味噌でも作るかー、と急に決まった味噌作りだったので仕方ない。

結果的に、薪ストーブが着いていないことで、逆説的に味噌作りにおける薪ストーブの重要性を思い知った1日となったのでした(笑)。

 

今年は2単位(大豆2キロ)の味噌を作る。

でも、一気に作ると疲れるので、今回はとりあえず1単位だけ作ることにした。

豆を煮るのは圧力鍋を2挺使いで一気に。だから薪ストーブの天板がなくてもすぐに煮ることができた。

しかし、大量の重石用の石などの煮沸に使うお湯をどんどん沸かさないといけないのに、そのためにガス火を使うのがかなり癪だった(笑)。ああ、薪ストーブさえあれば・・・。

 

結局、さほど寒くないのに薪ストーブを焚くことになった。これは本当に経済的なのか(笑)。

 

重石用の石を煮沸。
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煮沸。
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で、煮た豆と麹と塩を合わせてカメに仕込んでいく。

塩分は基本的に10%だ。それより多いと塩辛い。

それより少ない減塩味噌にすると、酢酸発酵して、味噌がすっぱくなりやすい。

塩分は10%が理想なのだ。

 

さて、カメに仕込む作業は几帳面なうちの奥さんに任せた。僕は専ら撮影係り。
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味噌を仕込む。

そこにうわぶたとして庭に生えているバランを敷いていく。
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どんどん。
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どんどん。

柿の葉寿司みたいやな。
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そこに重石を乗せていく。

ストーンヘンジか?

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さらに重石を乗せる。
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どんどん。
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多ければ多いほどよいのだ。
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ほとんど、石しか見えなくなったところで、虫(ゴキブリも)などが入らないように布と紙で蓋をする。
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今年は樹木希林が蓋になった。

紐でしっかり口をとじる。

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これで完成。

 

ついでに、去年仕込んだ味噌を開けた。

ちょっと甘みが強いが、若くていい味の味噌になった。
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味噌汁にして味わった。

また来年の味噌かめのご開帳が楽しみだ。

 

おいしくなーれ!