薪ストーブ原生代26 コナラ病
コナラ病を発症している。
といっても、コナラが何かの病気になって腐ったり駄目になっているという訳ではない(笑)。
僕がコナラ病なのだ。
コナラ。
英語ではオーク。
そういえば、昔観たホビットという映画に出てくるドワーフの王に、トーリン・オーケンシールドというのがいたが、あのオーケンシールドの意味はオークのシールド、つまり「楢(なら)の盾」ということになる。
↑トーリン・オーケンシールド氏
そんな名前(あだ名)に使われるくらいだから、楢は西洋ではものすごーく堅い木の代表なのだろう。
さてそんなコナラだが、もちろん西洋のオークとは若干種類が違うとは思うが、しかしオークはオークだ。
まさに映画ホビットで、人々が黄金に目が眩んで正気を失ってしまったように、僕もコナラの原木を見ると正気を失ってしまう。
個性的で凛々しい木肌、美しい木目の色、じつに薪らしい重さ、薪棚に積み上げたときのしっくり来る感じ。
コナラが薪の王さまと呼ばれる理由は、火持ちのよさとか、燠の具合とかそういうものではなくて、その薪らしさにあるんじゃないだろうか。
ある種のロマン派の薪ストーブユーザーを魅了して止まない、コナラ薪。
我が家の周辺にはクヌギや樫は見かけるのだが、コナラはほとんど見ない。人間、手に入らないものには執着しちまうものだ。Aクラスの薪の中で個人的になんとなくレアなコナラへの渇望感は日に日に高まっていた。
なにせ、いま手持ちのコナラ薪は以下のような1立米弱だけなのだから。
ところが最近、潮目が変わったのか、コナラの原木を手にいれる機会が増えてきた。
どうも僕はコナラの原木を見ると目の色が変わるらしい。
他の原木のときとはまるで違うキレのある動きをみせ、抜群のチェーンソーワークでどんどんコナラを80㎝の原木に切り分けていく、そしてそれを急斜面だろうが、崖だろうが、ものともせずに一心不乱に自分の車まで運ぶらしいのだ。
一緒に薪集めをしている知り合いからは冷やかし半分でそんなことを言われている。
なんとも味わい深いコナラの木肌。
そして玉切りの断面。
右側がコナラの玉で、左は樫や椎だ。
まだまだ少しだけど、コナラが手元にあるというのはなんとなく満たされた気持ちになるものだ。
樫やクヌギなど能力的にはさらに上がいるようなのだが、薪棚を見ていてもっとも幸せに感じるのはコナラだ。もちろん個人の感想だが。
いやー完全にコナラ病だ(笑)。
そういえば最近薪ストーブブログ仲間のコメント欄での雑談で、薪を三国志の武将に例えるという、マニアックな話をしたのだが、
ウバメガシ・・・呂布(比重0.99)
アラカシ・・・張飛(比重0.96)
コナラ・・・趙雲(比重0.76)
ということになった(笑)。
これは三国志をご存じの方なら伝わると思うけど、思いのほかそれっぽい例えになった。
調子に乗ってさらに少し続けるなら、
アベマキ・・・許褚(比重0.98)
アカカシ・・・馬超(比重0.87)
ということになる。
・・・・・
えーとなんの話だったかというと、コナラ病だ。
コナラは趙雲。
おお、三国志で一番好きな武将じゃないか!
どうりでコナラ病になるはずだ。
さ、くだらないこと考えてないで、さっさとコナラの薪割りをしよう。