薪ストーブデボン紀⑦ 薪棚マネジメントも楽じゃない
薪の移動が好きだ。
乾燥した薪を、玄関前のスタンバイ用薪棚に移動させたり、新しく入荷する予定のフレッシュな薪たちのために、薪棚を空けて、薪棚をマネジメントするのは薪ストーブユーザーの日常業務だ。
今年の薪はこの薪棚の薪を使おう。
来年用の薪のために、薪棚のスペースを空けておこう。
などなど、色々考えながら薪を積んでいく。
この場所なら何年で焚けるようになるか、という薪棚ごとの乾燥条件もだんだん分かってきた。
今日は、そんな薪棚マネジメントの話だ。
玄関の前にある、仮設の薪棚。
薪ストーブシーズンだけ持ってきて、焚く直前の薪をプールしておく場所だ。
年末年始に焚きまくったおかげで(笑)、そこが空になったので、薪の移動をすることにした。
一輪車でえっちらおっちらと運ぶ。
無心になって、うずだかく一輪車に満載した薪を落とさないように、それだけに集中しながら、何往復もひたすら行き来をくりかえす。
この前近代的な作業が、なんとも言えず好きだ。
無心と書いたけど、運んでいる時に、ふと、あれこんな薪あったよなー、とか樹種のついてはよく思いを巡らす。
このボケたクヌギは懐かしいな。
お、久しぶりに椎じゃないか。
この赤茶色の芯材の薪はいつまでも赤茶色のままだな。
そんなことを考える。
少し前までは、薪を見たら、どこから採ってきた薪かかなり判別がついたんだけど、ここ最近は分からない事が多くなってきた。
たしかこんな薪あったよなぁ。
ぐらいのもの。
まあ、薪作りの極意は忘却と言われるくらいだから、少し薪作りに慣れてきたのかな、という心境だ。
ここ最近全然集めていない椎の薪に出会ったときは、なんとなく懐かしかった。
このまっすぐな割れ筋。
本当に簡単に割れて、薪割りが下手な頃でも全くストレスのない薪割りが楽しめたものだ。
その点は栗と同じだ。
割れやすいということは、小割りにして焚き付け材として使うのも良いということだ。
椎は火着きが良くて、焚き始めにその特徴を活かせる薪なので、意外と重宝するんじゃないか。
やれ、コナラだ、やれアラカシだ、とAクラスの薪だけに目が向いた時期もあったが、コナラもアラカシも火持ちは最高だけど、灰がやたらたくさん出る。
そして、アラカシは乾くまでものすごく時間がかかる。
椎や杉のような、Cクラス(と勝手にランク付けしただけ)の薪も、その割りやすさは格別で、キンドリングクラッカーでコンコン焚き付けを作るとき、無節の杉なんかは特に最高に楽だ。
椎も、キンクラで割ってみたが、時々繊維がもつれて割りにくいものもあって、斧で割るときほどには割りやすさを実感できなかった。
いま運び出しているのは、便宜的に薪棚1号機と名付けた薪棚の薪だ。
この薪棚は前後2列置ける構造なのだか、その後列の薪だ。
後列の薪は、日光、風、乾燥に必要な多くの要素が前列の薪で遮られるので、乾燥が非常に遅いというのが定説だ。
我が家の後列薪も、紫外線を浴びていないからか、木口がやたら綺麗で、本当に乾燥しているのか心配になった。
初めて薪棚を作って、薪を置き始めてから、実はこの後列の薪は一度も焚かれたことがないのだ。
おそらく、4年以上、後列の薪として文字通り前列の目立つ薪たちの後塵に拝していた薪たちなのだ。
いかに乾燥条件の悪い薪たちでも、4年以上乾燥させたらさすがに焚けるでしょ。というのが、今回の調査だ。
とにかく、この後列薪で極寒の1月2月を乗り切るのだ。
薪が減っていて、久しぶりに薪棚の後ろのブロック塀が見えた。
シダ植物が光の乏しい所でもすくすく育っていた。
そして、勢い余って薪棚とブロック塀の間に落ちた薪は、元の色が分からないくらい、真っ黒になって腐敗もええ感じに進んでいた。
まあ、ともあれ、ここ↓の薪のほとんどが、
こっち↓に移動完了なわけだ。
ちょっと一安心。
そして続いて、待ち構えているのは、空にした薪棚1号機に積むべく控えている玉切りにしたコナラたちだ。
というか、こいつらが入荷してきたので、薪棚を空けるのが待ったなしだったのだ。
いやはや、薪棚マネジメントも楽じゃないね。