薪ストーブクロニクル

食とエネルギーの自給を目指して

薪ストーブ原生代24 ネスターマーティンに極太針葉樹のすすめ

寒い。

でも、さほど寒くない。

 

まだまだガツンと本格的な冬が来ていないのだ。

 

室温は15℃を切ることも多くなってきたが、まだ外気温は5~10℃をいったりきたり。

 

さほど、寒くない。

でも、薪ストーブをつけなければ、やっぱり寒い。

 

そんな、ほんのり寒い今の季節に、くぬぎやナラなどのAクラスの薪はオーバースペックだ。

火もちの良さが仇となって、室温が上がりすぎる。

 

かといって端材を焚くのも、薪をくべる間隔が狭くなりすぎて、ずっとだとややつらい。

 

そんなとき、我が愛機、ネスターマーティンではこんな焚き方をしている。

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端材で火を起こし、細めの針葉樹で火力を上げたら、極太の針葉樹の薪をボン、と放り込んで焚くのだ。

 

極太のサイズはこんな感じ。
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単純に炉内に入りさえすれば、どれだけ大きくてもいい。

放り込んでしばらくすると、火力は、巡航運転の温度帯のちょうど真ん中辺り、天板温度にして200℃から220℃の間で安定する。

温度が下がって燻ることも、上がりすぎて暴走することもない。

ただし、本気の暖かさではないので、真冬にはちょっと物足りないのかもしれない。

 

割りと長い時間、ぼちぼち燃えてくれる。
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注意するのはひとつだけ、ちゃんと乾燥しているものを使う、ということだけだ。

針葉樹は乾燥が早いので、乾燥させる場所がいいと大割りでも半年くらいでしっかり焚ける薪になる。

 

なにより、細かく割らないので薪割りが楽だ。とっても楽だ。

画像にも写っているような節だらけの杉などは、大きめの適当なサイズでよいのだ。

 

本格的なシーズンが始まるまでの1~2ヶ月。こんな感じの手抜き薪でゆるーく楽しんでいる。

 

もちろんこれはネスターマーティンでの話なので、他の機種の場合は、炉に入りさえすれOKなのかどうか、きちんと確認してほしい。

 

 

薪ストーブ原生代23 樫の木との格闘~Round-3~

日曜日の早朝。

 

朝日が昇る頃。

 

久しぶりに樫の倒木の現場に行ってみた。

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最初、こんな状態だったが、

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枝を払ってこうなって、
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 幹を落としてこうなって、

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太い所を片付けてこうなって、
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というところまでが、前回までの作業の振り返りだ。

 

ここから、今日は主に鹿よけの柵にかかってしまった太めの枝を無力化させておきたい。

↓こいつらだ。
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足元が鉄柵で不安定な上に、細かい枝も多くて、本当はトップハンドルとかの、小型のチェーンソーの方がいいのだが、あいにくまだ所有していないので、14インチのバーで挑む。

 

大したことなさそうな枝だけど、直径10㎝くらいはあるので、手強い。

しかも柵の向こう側は田んぼなので、湿地になっている。お足元が悪すぎる。

切り落とした枝を、道の方に放っていく。
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一時間半ほどの格闘の末、かなり無力化できた。
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 チェーンは三回外れたし、かなり危ない現場だったので心配したが、無事だった(汗)。


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柵に乗り上げている枝はほとんどない。

 

しかし、重いチェーンソーをこんな現場で振り回すのは怖い。やはり小型のチェーンソーもあった方がいいぞ。

奥さんにお願いしてみよう。

 

今日は一番根本の部分もさらに2玉ほどいただいていく。それらの獲物をトラックに積むとこうなった。
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さすが、一番玉だけあって不自然なくらいデカイ(笑)。

 

現場は作業前がこれで、
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作業後がこうなった。
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まだいくらか細い枝は残っているので、いつか取りに来よう。

 

次は樫の木の薪割りと薪棚づくりだ。

薪ストーブ原生代22 薪棚の整理をしよう

 干し柿がいい感じに仕上がってきた。

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そんな11月のある日。

 

仕事がお昼で終わったので、午後からふと思い立って薪棚の整理と薪の移動をすることにした。

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最近、樫の倒木の処理で土場が狭くなってきているのを感じていた。

そして、貰ってくる原木のグレードを見分ける目が少し肥えてきた。

樫、コナラ、くぬぎ、ケヤキなどAクラスの薪

栗、桜、その他様々な雑木はBクラス

そして杉、ヒノキなどCクラスの針葉樹

また、原木の状態によっても、ボケてたり虫に浸食されていたり、未乾燥だったり。

 

そして、家の回りにある薪棚を見回す。

あれ、Bクラス、Cクラスの薪ばっかりがメインの薪棚を占めてるじゃないか。

 

薪を集めはじめて、よく分からないまま手当たり次第割って、増設した薪棚に考えもせずに放り込んでいたのがその原因だ。

 

これが整理前の薪棚1号機と2号機。
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左側の2号機はまだいい。

先日、前面の棚を占めていた針葉樹薪を退かせて、新たにそこそこいい雑木の薪を積み上げたからだ。

その時のことは以下の記事にまとめてある。

薪ストーブ原生代⑬ 薪棚2号機の進化論 - 薪ストーブクロニクル

 

しかし、右側の1号機は結構ひどい。

拡大するとこんな感じ。
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前はボケたくぬぎの薪がメイン。くぬぎといってもボケているので、カスカスだ。かなりがっかりな状態。まずはこれを薪ストーブに近い場所に移動させておいた。

そしてその後ろに、くぬぎの腕薪。結構大量にある。割っていないくぬぎの腕薪なんか、あと四、五年は乾燥しないぞ。

そしてその下に杉の太割り。

これは逆にいつでも焚けるはずだ。

いちばんアクセスしにくい後列の一番下に、もっとも乾燥が早い針葉樹の薪を置いてしまうという、この情けなさ。経験不足を痛感している。

他にも、色んな樹種の太割りとか、カビた薪とか、懐かしい薪たちが色々出てきた(笑)。

別の場所に置こうと思ったが、ここの棚はもう目一杯だ。

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今シーズン焚く分だけは、家回りの空いた場所に置くことにして、残りは少し離れた茶畑山の第2薪場に持っていくことにした。

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ここはスペースはたっぷりある。
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どんどん積んで。
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崩れないように井桁積みをしっかりやり直した。これでどうだ。

 

で、お家に帰ると、薪棚1号機がきれいになりましたとさ。
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ちゃんちゃん。

 

まあ、薪棚が空になったということは、そこに入れる薪があるということだ。

薪割りがまた忙しくなるということだ。

仕事も忙しいので、本当に薪割りができるのだろうか。

 

薪ストーブ原生代21 江戸時代の桧

某小学校の前にある由緒ある神社に樹齢200年は超えているであろう桧(ひのき)の古木がある。

なんと、その桧が少しずつ傾いているらしい。すぐに倒れることはないけれど、傾いている方の枝を伐採して、重心を反対側に向けようという作業が行われていた。

 

そして、その伐採した枝を少し貰えることになったので、家に持って帰った。

 

貰ってきた枝が左の玉、樹齢25年ほどの普通の杉の幹が右の玉だ。
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さすが江戸時代から生き抜いてきた桧。枝だけでも、そこらへんの植樹された杉の幹よりも断然太い(笑)。

 

上から見てみよう。
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同じ針葉樹のはずだが、年輪のできかたが全く違う。

拡大しなくても数えられそうな右の杉と比べて、左の桧は、拡大しても細かすぎて年輪が把握できない。

 

みっちり混んだ年輪。さぞかし割りにくいだろうと思ったら、あっさり半割りにできた。
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なんか怪しいオーラを放っているようにも思える。


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こんな神木、焚いていいのだろうか?

神社の神事なんかでは焚くらしいが。

そのときが来たら、お祈りしてから焚くとしよう。

薪ストーブ原生代⑳ 樫の木との格闘~Round-2~

樫の木の処理。

作業2日目。

 

前回の作業では葉のついた細かい枝などを取り除いて、倒木の全貌が分かるようになったところで時間切れになった。

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今回はいよいよ核心部分に迫る。

つまり前回より断然太い幹を処理しなければいけない。

 

とりあえず始めに、張力の掛かっていない上部の枝を切る。幹に乗ったままチェーンソーで切り落とすと、切れた枝がどこに倒れるか分からなくて危ないので、一本ずつロープで縛って、ある程度切り込んでから地面でひっぱることにした。
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うまく切れたのだが、切れた枝がその奥の細い枝の上に乗りかかってしまった。

 

仕方がないので幹を全部落としてしまおう。

途中まで切り込みを入れたところで、写真を撮っておこう、と軽トラに戻ったときに、木の上部の重さでツルがもたなくなって、折れてしまった。
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あら、一番の懸案事項があっさり片付いたぞ。

 

ここからは手間はかかるけど、作業は簡単だ。ひたすら根っこ部分の玉切りだ。

 

40㎝だと重すぎて運べないので、30㎝程度に玉切りした。
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根っこの直径は40㎝。
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幹の処理は終わったけど、まだ美味しそうな太枝の処理が残ってしまった。
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鹿避けのフェンスの上に乗りかかってしまっているので、簡単に切れない(涙)。

 

今日はここまでとして、荷台に今日の収穫を積んでいく。
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こうやってみると、えらくデカいな。
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玉を三つ並べたら、荷台が横いっぱいになった。

 

今日の作業で、とりあえず道の木はなくなった。

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車は通れる。

次の作業は急がなくても大丈夫だ。

ああ、ひと安心。

 

持ち帰った玉や枝を薪置き場に並べておく。
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樫の木は薪割りしやすいんだろうか?

割り味はどんな感じだろう。

楽しみだ。

薪ストーブ原生代⑲ 樫の木との格闘~Round-1~

よく晴れた朝。

 

村の寄り合いで仕入れた情報を頼りに、樫の倒木現場にやってきた。
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お、ここか。

左手は緩やかな崖。

右手は鹿避けのフェンス。

そして農道を完全に埋め尽くしているとおぼしき樫の木。

 

もう少し近づいてみよう。

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なるほど、こいつか。

ミッションとしては、こいつを取り除いて、奥の田んぼまで農道を繋げることだ。

 

僕のチェーンソーは、バーサイズが14インチ(35cm)なので、あまり大木になると手に負えない時もあるのだが、こいつはなんとかなりそうなサイズだ。

 

かなり傾いてはいるが、根はついているので、葉は枯れず、まだ木は生きている。
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さて、どこから手をつけるか。いきなり根を切ると、上向きに伸びた枝が多すぎてどっちに転がるか分からない。

ここはとりあえず全貌が把握できるようになるまで、肉を落としていこう。

 

と、チェーンソーでおもむろに切り始めたら‥
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即行で喰われてるやんけ(笑)。

 

やはり、あちこちに枝が掛かっているので、どっち向きに力が働いてるのか複雑でよく分からない。

 

まあ、しかし持ってきた手ノコでギコギコしたらすぐに救出できた。去年は、くぬぎの倒木処理のときにチェーンソーが喰われまくって、散々こねてしまって、バーを曲げたりチェーンをダメにしたり‥

 

チェーンソーが喰われても無理に引き抜こうとしたらすぐにバーやソーチェーンがダメになるので、静かにそっと救出しなくてはいけないと学んだのだ。

 

さて手の届く場所の枝を一通り落としてしまう。
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最初がこれで、

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作業終了時がこれ。
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 ようやく倒木の全貌が見えてきた。

 

もう少し作業をしたいところだが、時間もないので今日はこの辺で撤収することに。

 

伐った枝などを集めて。
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トラックに載せる。
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家の木材置き場にとりあえず積んでおこう。
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まだまだ、たくさん原木が確保できそう。

 

帰って植物図鑑で調べてみた。

樫の木ということだが、樫の木にも数種類あるみたいだ。こいつは、何樫?

 

うーむ、白樫かあら樫なんだよなー。
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図鑑で調べてもよく分からなかった。白樫の可能性の方が高そうだけど。

 

まだ枝払いを始めたばかり。

つづく。

薪ストーブ原生代⑱ 村の寄り合いで原木情報を仕入れる

少し前の話になるが‥。

10月末のある夜の村の集まりでのこと。

一通り議題が終わり、帰るころになって隣の家のおじさんに話しかけられた。

「ところで、樫の木って焚き物にどうなの?」

焚き物とは、まあつまり薪のことだ。

 

か、か、樫!

いいに決まってるじゃないですか!

 

とは言え、まだ一度も焚いたことがなく、その驚異的な比重の高さから、さぞかし火持ちがいいのだろうなぁぐらいの認識でしかなかったが。

 

ついに樫がきたか!

 

で、そのおじさんに詳しく話を聞いてみると、なんでも直径40㎝クラスのかなり大きな樫の木が農道をふさいでしまって、道の奥の田んぼの草刈りをしたいのだけどできないらしい。

ただ、40㎝というだけでもかなり手強そうなのだが、根こけした風倒木なので処理にそれなりの危険を伴うようだ。

伐ってくれたら、全部薪にして持って帰ってもいいし、いらない枝とかはその辺に積んでおいてくれたらいい、とのこと。

 

させてください!

その樫一本、いただきます!

 

というわけで、今年は樫の倒木退治をすることになった。

去年はくぬぎで散々てこずったが、少しはレベルアップできてるだろうか?

 

 

おまけの畑ネタ

我が家の裏庭で適当に植えてみた生姜。

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一応生きている。11月は収穫時期にあたるので、掘ってみることにした。


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一個しか植えてないのに、芽がたくさん出たみたい。
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おや、なんかいい感じに見えるぞ。

 

さらに掘ると‥
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なんかちゃんと育ってるーー!
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見事に新生姜とひね生姜を収穫できた。

たんに日陰に植えておいただけなのに。

 

こんなに簡単なら来年はもっとたくさん植えてみよう。

四月後半に植えて、除草だけして、11月に収穫。

身体はポカポカ。

 

さて、こんなブログを書いている土曜日の夜。

昨日ほどの寒さはないが、今夜も薪ストーブに火をいれているよ。
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 天板では、やかんのお湯がぐらぐら。

 

そして、樫の木は無事に退治できるのであろうか。

 

このシリーズ、次回につづく。