薪ストーブ原生代53 納涼、玉切り祭
お盆休みになったので、告知通り、納涼玉切り祭を開催した。
今回、玉切りするのは、こちらの原木たちだ。
満載すぎて原木置き場からはみ出ているが、この立て掛けてある原木の奥に、さらに2m~80cmくらいのサイズの原木が積み上げられていて、今日はそれをすべて玉切りする。
時刻は午後1時。
気温は35℃前後。
風があってキヨキヨしい。
まさに納涼祭に相応しい、最高のお盆休みだ。
さあ、早速、メンテナンスしたばかりのチェーンソーでガンガン玉切りしていこう。
と、玉切りの前にまず、集めておいた栗の原木で杭作りをする。
チェーンソーでチャチャッと削って完成。
さあ、気を取り直して玉切りだ。
ちなみに僕は玉切りするときは、長靴にこのようなカバーをつける。
玉切り祭は、チェーンソーの切り粉の量が半端ではないので、カバーなしで行うと、長靴の中も靴下も、そしてなかんずく部屋の中も切り粉だらけになって後で奥さんに厳しく怒られることになるので、カバーは不可欠だ。
さて、それでは玉切り祭、スタート。
しばらく、黙々と玉切りを行う。
玉切り馬に乗せては切る。乗せては切る。
この玉切り馬も、一度リニューアルしたのだが、それでもかなりダメージがでかい。
かなりぐらぐらになっているが、最後まで持つのか。
開始から30分。
最初の給水タイムだ。
はぁ。
はぁ。
汗でタオルが絞れるほどになっている。
そのまま、無心で玉切りを続ける。
だんだん陽が移動して、作業場所が陰ってきた。まさしくボーナスタイム到来だ。
2時半。
全ての原木を玉切りし終える。
まず手前側に薪割りを必要とする、大きめの径の玉を置いた。
こいつらは軽トラの荷台に載せる。
たくさんあるように見えて、なんとまあ軽トラに満載一杯分しかないのか。
まあ、玉切りしたのは、これで半分弱。
残りはこいつら。薪割り不要な大きさの枝薪サイズを奥にぶちまけた。
これは軒下に積んでいく。
せっせと積む、積む、積む。
これが一番しんどかった。
いやはや、暑かった、納涼玉切り祭、今年はこれで終了だ。
今回玉切りした玉は、我が家の薪場に持ち込んで積んでおいた。
雨よけに、波板も置ける。
うーん、やっぱり大した量じゃないねぇ。
まあ、いいや。
涼しくなってから少しずつパカパカ割っていく予定だ。
薪ストーブ原生代52 お盆休み玉切り大会のためのチェーンソーメンテナンス
お盆休みに玉切り大会。
そして夏が終われば、秋からは薪割り大会。
薪割りは、ストーブシーズンが本格化するまでに終わらせようという魂胆だ。
そこから逆算すると(というほど大袈裟なものでもないが)、8月の初旬に終わらせておかないといけないことがある。
そう、玉切りのためのチェーンソーのメンテナンスだ。
というわけで、8月頭のある休みの日。
チェーンソーのメンテナンスをした。
メンテするのは、現在主力のこの2機。
シングウの35ccクラスの中型チェーンソーと、キョーリツの25ccクラスのトップハンドル。
いまのところ、うまく使い分けができている。
中型チェーンソーは玉切りや中径木の伐採に、トップハンドルは庭木の伐採や枝打ち用だ。
さて、工具も揃えて、早速メンテナンス開始だ。
一番チェック頻度の高さが要求されるのが、エアフィルターの掃除だ。
ここが詰まるとよろしくないので、頻繁に使い古しの歯ブラシなどで屑を取り除く。
ちょっと汚れていた。
歯ブラシでささっとこするととれる。
刈り払い機でもそうだが、エアフィルターは重要だ。
まめに掃除するようにしたい。
さて次に、こちらはめったに開けないが、スターターロープの付いた方の蓋を開けて、汚れを取り除くことにする。
これだ↓。
うーむ、ここを開けるのは初めて。
相当汚れているな。
ここはワイヤーブラシでゴシゴシ。
蓋の方も汚れているのでゴシゴシ。
かなり綺麗になった。
トップハンドルチェーンソーの方は、まだ使用し始めて間がないので、今回はパスだ。
さて最後に最重要項目とも言える、チェーンの目立てをする。
目立て中の写真は撮れないので、文字だけになるが、目立ても昔のなんちゃって目立てから比べたら、そこそこやり方がわかってきた。
土や石を切ってしまい、ボロボロになった刃も、一応研ぎ直すことはできるようになった。
ただ、ボロボロになると、研ぎ直しに時間もかかり、また指もものすごーく疲れるので、なるべく土や石は切らない方がいいことも、経験的に分かってきた。
目立ては失敗を繰り返しながら、徐々に会得していくものだ、ということも。
ともあれ、今回のメンテナンスでは、チェーンがボロボロではないので、現状のまま、上刃と横刃の交わるワーキングコーナーと呼ばれる部分の修正を念入りにするだけでオッケーだった。
目立ては、自己分析として、まだ50点程度の出来だ。
何本も擦りまくって、切り曲がりのない完璧な目立てに近づけるように成長したいものだ。
メンテナンスはこれで完了。
あとはお盆休みの玉切り大会を待つばかり。
しかし、お盆休みに合わせて台風が来るみたいね。
無事、玉切り大会が開催できるのか?
うちの猫も心配そうに週間天気を気にしている、かと思いきや、暑さでバテて寝ている。
お盆休みまで、あと少し。
熱帯夜を駆け抜けろ。
薪ストーブ原生代51 薪ストーブと夏
夏は薪ストーブブログにとっての鬼門だ。
なんといってもネタがない。
暑くてやる気も出ない。
一般の人にとっては興味がない。
そりゃ、そうだ。このくそ暑いのに、薪ストーブのことなんて、考えるだけでも暑さがいや増すような気がする。
「薪ストーブ」なんてググる物好きはあんまりいないのだろう。
とはいえ、今年は7月後半の梅雨明けまで、気温の低い日が続いた。
夏野菜にとっては受難だった。
オクラやゴーヤなどの、暑さと日照を好む南国野菜たちは、まだまだ実ることさえほとんどなく、口に入ることも未だにない。
雨が多かったので、キュウリはそこそこ採れているが、トマトは完熟するまで置いておくと、割れてきてしまう。
いやはや、夏野菜の楽園は実りの時期まであと少しかかりそうだ。
しかし、普通の人にとっては考えることさえ憚られる薪ストーブだが、薪ストーブマニアは夏でも薪の事しか頭にない。
とりあえず、夏らしいことをしてみよう。
テーマは「薪ストーブと夏」だ。
薪ストーブと夏①野外薪ストーブの掃除
まずはじめはバーベキューにも大活躍する野外薪ストーブを綺麗にしてみる。
掃除のしかたは基本的には室内の薪ストーブと同じだ。
使い始めて五年目。
さすがに錆が出て来てみすぼらしくなってきた。
炉の中は、前回のバーベキューの時に使った灰がそのまま残っていて、それはそれでまずいので、まずは炉内を綺麗にする。
そして556で綺麗に錆止めをしておく。
外側は食用油をつけたウェスでピカピカに。
なかなか綺麗に復活した。
お盆休みにも肉を焼きまくって活躍するはずなので、頑張ってほしい。
雨のかからない屋根の下でそのときまで待機していてもらうことにした。
薪ストーブと夏②こんな時期に原木大量入手
夏は伐採の季節ではない。
大量に水分を吸い上げた木は、ただでさえ重く、しかも水分たっぷりで腐りやすい。
こんな季節に伐るもんじゃない。
でも貰えるものは拒まない(笑)。
貰ったのはミズナラとウリハダカエデ。
ミズナラはまとまった量の原木としては始めてだ。
コナラよりは比重が軽めだが、やはりいい薪になってくれそうなオーラは漂っているぞ。
そして、山の嫌われもの?ウリハダカエデ。
材にもならず、薪としてもすぐ燃え尽きるので重宝されず、しかも鹿さえも美味しくないので食べない。
結果として山には無傷のウリハダカエデがどんどん成長することになるらしい。
これらの原木を第2薪場である山に運んだ。
今回の原木を運ぶ直前の原木置き場。
ここに原木第一便を運び込んだ。
夏なのにどんどん原木をいただくことができて、第2便、第3便と運び込んだら、一気に薪場がいっぱいになって道にまではみ出してきた(笑)。
どれくらいあるだろうか?
とりあえず、今回いただいた原木。
ミズナラ、ウリハダカエデに加えて、コナラ、そしてシデ。
あと、薪用ではなく、杭用に栗の原木も調達してきた。
お盆休みに、夏の強化合宿として、玉切り、杭作り、といった作業にいそしむ予定だ。
しかし急激に暑くなった。
稲もすくすく成長してきた。
冷夏で不作、ということはなさそう。
我が家のオクラやゴーヤも、そろそろ食べられるだろうか?
薪ストーブ原生代50 梅雨と薪ストーブ~梅仕事2019~夏野菜も採れ出した
梅雨だ。
雨は地方によって降り方がまちまちだが、とにかく毎日じめじめしてる。
洗濯物だって乾かない。
こんなときは薪ストーブをガツンと焚いて室内で洗濯物を干せば、きれいに乾くのだろうけど、まあ、せっかくきれいに掃除した薪ストーブに火を入れるのもなんとなくためらわれる。
なぜなら、この夏の間、きれいな姿を毎日眺めて、来るべき冬を思い描きながらニヤニヤするためにわざわざ掃除したのだから。暑さを乗り切るためにも、是が非でも、薪ストーブちゃんにはきれいなままでいてほしい。
そういう助平な考え方をしているので、梅雨の湿度をやり過ごすために焚いたりはできない。
しかもまあ、暑いしね(笑)。
そんなわけで、薪ストーブも焚かず、さりとて薪をガンガン割りまくっているわけでもないので薪棚が大きく様変わりしているわけでもなく、細々と桜などを割っているだけだ。
全く特筆すべき事項なし。
というわけで、梅雨の季節の日日の活動を書いてお茶を濁すことにする。
梅仕事
なんといっても梅雨は梅仕事の季節だ。
6月から7月にかけて、梅雨の間にする梅仕事は色々ある。
まず、この冬に飲み干した梅酒を再び仕込む。
今年はブランデー梅酒だけ作ることにした。
氷砂糖と南高梅をいれた容器におしげもなくドバドバーっとブランデーを注ぐ。
梅酒はそれだけ。
成分が出切ったら、梅の実を取り出すだけだ。
さて次に、うちの奥さん用に梅シロップを作ろう。
凍らせた梅と氷砂糖を互い違いに重ねて、置いておく。
あとはエキスが出るまで待つのみだ。
梅干しも、在庫が減ってきたので少し仕込んでおこう。
南高梅を約1500g。
それと、去年仕込んで美味しかったベトナムのカンホアの塩。
これで今年も梅干しを作ろうと思う。
ずらっと並べた梅仕事の成果。
左は氷砂糖がうまくとけ始めた梅シロップ。
真ん中は、ザラメで仕込んだ梅シロップ。
右は塩漬け中の梅干しだ。
そして時は流れて・・。
6月に仕込んで、今は7月。だんだん仕上がってきたぞ。
まず梅干しはしっかり梅酢があがってきている。
あとは紫蘇漬けを待つばかり。
ザラメで仕込んだ梅シロップも、いい感じになってきた。
氷砂糖で仕込んだ梅シロップの方は、エキスの色も白い。いかにも美味しそう。
梅仕事は今年も順調だ。
畑のこと
そして畑では夏の便りが届き始めている。
まず、きゅうりが採れ出したので、ぬか床を作り始めた。
ちょっとぬか床で遊ぶ(笑)。
これは捨て漬けをしている途中でちょっとオブジェを作成してみた。
玉ねぎも順調に育ったので、農機具小屋に吊るした。
ニンニクもばっちり大きく育った。
そうこうしているうちに、他の夏野菜も少しずつ採れ出してきた
じゃがいもも、えいやーっと掘ってみたら、去年よりずっとうまく育っていて、ホッと一安心。
新ジャガはさっそく蒸してじゃがバターにして、食べた。
畑は、草ボーボー。
このブログをアップしたら、作業着を着て、おもむろに畑に繰り出す予定だ。
薪ストーブネタ、全然ないね。
またなんか絞り出せるように頑張ります(笑)
薪ストーブ原生代49 ネスターマーティンをリフレッシュ
道すがらの紫陽花がきれいだ。
去年剪定しまくった我が家の紫陽花も大輪の花を咲かせている。
なんつー生命力!ちょっと分けてほしいくらいだ(笑)。
さて、梅雨入り前に煙突掃除が終わって、ホッと一息の我が家の薪ストーブ。
その名もネスターマーティンs33。
今年の煙突掃除が終わった状態はこんな感じ。
煙突内はきれいになった。
しかーし、薪ストーブ本体は1シーズン分の汚れに覆われ、全体的に薄汚れたフィーリングを醸し出している。
天板もばっちい。なんせ、いっぱい調理したからねー。
アンダイアンを外した炉内もそれなりにばっちい。
まあ、ひと冬越した薪ストーブなんてこんなものだろう。
それより、そのままの状態で湿度の高い梅雨時期を越すのはあんまり良くないみたいなので、薪ストーブ本体も掃除することにした。
まず、炉内に溜まっている灰を全て取り除く。
灰受け皿が満タンになってしもうてるわ。
・・・・。
さて、そして灰を取り除いた炉内にCRCを噴射して、錆を抑える。
ガラスもきれいにする。
ガラスクリーナーなどという高価なものは、(欲しいけど)ないので、灰をつけて濡らした雑巾で耐熱ガラスを磨く。
外してきれいにしたアンダイアンもセットする。
あとは外側を安物の植物油で拭く。
今回は米油を使用。米油が薪ストーブの鋳物に良いのかどうかは不明だ(笑)。
とにかく、きれいになったぞ。
天板もこの通り。
新品同様にきれいになった。
これで、夏の間、使い道のない薪ストーブにチラッと目がいっても、にこやかに過ごせるだろう。なにせ、夏の間は鉄のオブジェ(インテリア?)でしかないわけだから。
さて、すこしおまけだ。
今現在の薪棚1,2,3号機。
割るべき玉はあと少し。右側(3号機)に空いた空間に詰め込んだらオフシーズンの薪割りは終了だ。
真夏の薪割りはつらいので、それまでになんとか終わらせたい。
上の写真にあるように野ざらしにされていた玉たち。雨に打たれて不憫に感じていたコナラとくぬぎに関しては全て割り終えた。
やはり特Aランクの樹種に関しては、ついつい先に手が出る。杉や桧はどうしても後回しだ(笑)。
とはいえコナラは結構玉切りしてから日が経っているので、弱冠割りにくくなっていた。
くぬぎは同じくらい放っておいても割りやすかった。
同系統のコナラとくぬぎでも、玉切りしてからの放置時間によって割りやすさが変わってくるのはおもしろい。
玉切りしたてなら、どちらもスパスパ割れるのに。
ではまた次回。
薪ストーブ原生代48 梅雨入りとともに煙突掃除
去年煙突掃除をしたのは9月の末のことだった。
お盆休みにしようと思っていたら、大怪我をしてお盆休みを棒に振った。
で、結局台風の襲来でで身体が空いた9月の末まで遅れたというわけだ。
そのときの模様は以下の通り。
もしネスターマーティンをご使用で、自分で煙突掃除をしようと思う方には少しは参考になるかもしれない。
薪ストーブ原生代⑧ ようやく終了、ネスターマーティンの煙突掃除 - 薪ストーブクロニクル
しかし、その後色んなことを見聞きするにつけ、煙突掃除はやはり梅雨入り前の方がいいという結論に至った。
灰や煤を溜め込んだまま、じめじめした梅雨の時期を過ごすのは、やはり薪ストーブにとって良くないことであるようだ。
実際、去年薪ストーブの掃除をしたときも、灰が湿度とあいまって、薪ストーブにダメージを与えていることを実感したので、今年は早めに煙突掃除をしようと考えていたのだ。
そして、日本列島が次々と梅雨入りしていた6月7日。ついに煙突掃除に着手できた。
これは、セーフなのかアウトなのか。
まあ、深く考えないようにしよう。
まずは薪ストーブの上下左右のホコリを除去。
そして薪ストーブの炉台周辺を新聞紙で養生。
これで準備は完璧。
詳しい掃除の仕方は冒頭にリンクを貼った去年の記事を見てもらうとして、来年の備忘録的に、極私的に気になったことや忘れてはいけないことを書いておく。
はっきり言って読んでもつまらないと思うけど、悪しからず。
まず、煙突のはずし方から。
順番としては、下の煙突のネジ2つをプラスドライバーではずして、次に真ん中にある可動式の煙突のネジ1つをはずす。そして可動式煙突を上にグイッと上げる。次に真ん中の煙突と下の煙突をひねって切り離して、下の煙突だけをはずす。
この順番をなんとなく忘れていたので、覚えておきたい。
これで、煙突掃除が可能に。
ロッドを突っ込みつつ連結していって、一番上に当たるまでぐりぐり右回しであげていく。
切り離した下の煙突もきれいにする。
出てきた煤がこれ。
サラサラだが、ちょっと塊の煤もあった。まだまだ修行が足りんのだろう。
さて、今年の煤の重さだ。
一体何グラムだろうか。
去年は91gだった。
今年は・・・。
77g!
昨年比15%の削減に成功した。
まあ、焚いた薪の量も違うので単純に比較できないが、とりあえず減っていてホッとした。
さて、あとは煙突をはめて元通りにしたら終わりだ。
最後にはめるネジの位置が分かりにくかったので、やっぱりちゃんとチョークでチェックするのは大事だった。
これは下の煙突。これと、真ん中の可動式煙突をネジ穴を合わせてドッキングさせるのだ。
これで、元通り。
来シーズンにむけて、大きな仕事が終わった。
あとは薪ストーブ本体を掃除するだけだ。
一年に一度の煙突掃除。
すっかり忘れていることだらけ。
やはり備忘録は重要だった。
オフグリッド入門⑥ 節電強化月間と再エネ賦課金
6月になった。
しかし今日の話題は5月の出来事についてだ。
5月といえばイチゴが旬。
我が家のジャングルイチゴ畑は、アナーキーな匂いを漂わせつつ、毎日ボウルに一杯の収穫がある。
そのまま食べたり、イチゴミルクにしたり。
残りは冷凍して、ストーブシーズンにジャムにする予定だ。
さて、四月半ばから五月半ばまで、電気代の請求のスパンからいくと5月分の電気代についての報告だ。
その前に、簡単にここまでの流れを振り返っておこう。簡単に振り返れるか、自信がないが(笑)。
まずオフグリッド的な暮らしを始めるにあたり、暖房を全て薪でおこなう「暖房のオフグリッド」がはじめに成し遂げられた。というか、これは今後も連綿と続く薪作りが前提なのだけど...。
で、次に太陽熱温水器と雨水タンクを設置した。
これは不完全ながら「給湯のオフグリッド」と「水道のオフグリッド」を達成し、日々楽しくお湯や水を活用している。
晴れたらプロパンガス不使用で熱々の風呂に入れるし、雨が降ったら洗濯に必要な水は確保できる。
また、雨水のタンク(1250㍑)や温水器(200㍑)は、たとえ断水しても一応水源が確保できるという、安心感にも繋がるので、その点もありがたい。
さて、調理用のガスは、普段はプロパンガスに頼っている。
冬なら薪ストーブの天板が調理用の熱源として大活躍なのだが、幸か不幸かいまは暖かい季節なので、焚けない。
もちろん、ガスが使えないような災害時は野外薪ストーブでいくらでも煮炊きができるので、不安はないが、普段からオフグリッド化できているわけではない。
これは「おくどさん」でも導入するしかないか。
まあ、それはさておき、身の回りのライフラインが着々とオフグリッド化への道を歩んでいる中、最も重要で、もっとも当たり前に使ってしまっている「電気のオフグリッド」の問題にぶち当たるわけだ。
「オフグリッド」という言葉からして、送電線(グリッド)から切り離す(オフ)というのがもともとの意味なわけで、電気こそがオフグリッド生活の本丸とも言える。
で、オフグリッドを完全に実現するために重要な課題は、もともとの生活で使用する電気量を減らすこと、つまり(当たり前すぎる話だが)節電だ。
一体かつての自分は、1ヶ月に何キロワットの電気を使っていて、一日あたりどれくらいなのか、意識したことがあっただろうか?
電気代すら、何の疑問も持たずに送られてきた請求額を支払っていただけだ。
しかし、電気をオフグリッドしようとなると、日々の電気量を管理する必要がある。
なにせ、発電量にも蓄電量にも限りがあり、湯水のように電気をしようしていては、オフグリッド化は難しくなるからだ。
もちろん、お金がいくらでもあれば、大量のソーラーパネルを並べて、いくつものバッテリーを配備して、電気も使い放題、となるわけだが、それでは面白くない。
というか、お金で解決できるのが、いちばん頼りにならない方法だと思う。
経済が破綻してお金が紙切れになったとき、もうその方法はあてにならないからだ。
お金以外の方法で(つまり自分の知力体力、知識や技能で)解決しようとする発想を日頃から持ち続けていたいと思うわけだ。
さて、そうなると生活をもう一度見直して節電してみようということになり、3月に電子レンジを知人に譲り、テレビを観ない生活を始めた。
しかし、まだまだ徹底できなかったので、四月の電気代は1345円だった。使用した電気量は55kw。
この家に暮らし始めてから一番少ない数字を叩き出したが、まだ不満だった。
冷蔵庫も洗濯機も普通に使用して、なんとか電気代1000円を切れないか。
よし、5月は節電強化月間にしよう。
と、ここまで前回までのあらすじを振り返った。
ほら、簡単に振り返れなかったでしょ。絶対に長々と書いちまうと思った(笑)。
さて、ようやく本題だ。
5月。
節電強化月間。
①節電条件としては、冷蔵庫と洗濯機、及びステレオは普通に使用する。
②掃除機は必要な時だけ。ふだんはモップやホウキなどで掃除する。
③電子レンジは完全になし。
④テレビは2回だけDVDで映画鑑賞した。
⑤部屋の灯りは、太陽光充電式のランプをフル活用し、可能な限り使わない。
条件の①に関しては、普通の家庭と同じ条件だ。冷蔵庫と洗濯機をなくすのは、それはそれで魅力的な暮らしだけど、フォロワーがいなくなりそうなので、冷蔵庫や洗濯機を普通に使っても節電できることを証明したい。
②はあまり難しく考えず、適当に掃除機も使ったと思う。
③これは一見困難な気がするが、工夫次第でなんとでもなった。
④テレビは贅沢な娯楽になった。日々、テレビから刺激を受けない分、もっとソフトな刺激にも敏感になったと思う。例えばラジオ。
⑤夜は暗いものだ。普段から夜に薄暗い部屋で過ごすようになると、寝付けないということがなくなって、9時ぐらいに眠くなる(笑)。
まさに「北の国から」第1話の黒板五郎の超名ゼリフだ。
電気がない富良野の暮らしに無理やり連れてこられたダメ息子の純とのやりとり。
純「電気がなかったら暮らせませんヨ」
五郎「そんなことぁないですヨ」
純「夜になったらどうするのぉ?」
五郎「暗くなったら寝るンです」
くぅーーーーー。
北の国から、第1話にして、全ての物語の中でのハイライトとでも言うべき、超名シーンだ。
さて、そんなこんなで、節電強化月間を過ごした。
結果がこれだ。
結論から言うと、46kwh。1129円。
目標としていた、1000円切りはできず。
しかし1ヶ月に46kwhというのは、かなり節電できたことは間違いない。
だいたいの目安だが、月に100kwh以下ならオフグリッド可能な数字だと僕は見ている。
しかし、電気料金のこの紙。よく見るとあれ?と思う事が多い。使用期間が4/17~5/20とある。よりによって今月は34日の電気料金じゃないか。これって節電チャレンジの月にはなんとなく残念だ。毎月きちんと決まった検診日ではないみたい。
しかし、さらにおかしな点は再エネ促進賦課金というやつだ。これが135円取られている。
今月の電気料金からこの再エネ賦課金とやらを引くと、994円やんけ!
純粋な電気料金で考えると、税込みで994円。目標としていた千円切りが達成できていたことになる。
なんだ、この再エネ賦課金って。
正式は
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」
という長ったらしい名前だ。
みなさんよろしくね。
簡単に言うと、太陽光発電の買い取りにかかるお金を我々の普段の電気代から徴収している、そういうお金だ。
135円なら安いじゃないの?って思わないように。
これはまあ言ったら累進課税だ。
電気を使えば使うほど、この再エネ賦課金もたくさんとられている。
最初の15kwhまでが44円で、それ以降1kwh増えるごとに2円95銭ずつとられるようだ。
100kwh使う家庭なら約300円。
330kwh使う家庭なら約1000円か。
そう考えると、安くはないな。
というか、そもそも、電力会社は、お金がかかればかかるほどその経費を電気料金に上乗せできる「総括原価法式」だ。電力会社で使う文房具やパソコンなどはもとより、電力会社の社員用のスポーツジムや優待施設などの不動産も、動かない原発の使用済み核燃料も、全ての経費の3%を電気料金に上乗せできる。絶対に儲かる仕組みが出来上がっている。それなのに、さらに太陽光発電でかかるお金を消費者から取るなんて、恐るべきバカげたシステムだ。
この一点だけとっても、やけくそでも電力会社と手を切って早晩オフグリッド化を実現したくなる。
ああ、なんか書いてて吐き気がしてきた。
まあ、ともかく、今回のチャレンジは、後味の悪い結果になってしまったが、月に46kwhで暮らせる、という事実が分かっただけでも収穫があった。
我が家の白ネコのミケリアも、拳を高く突き上げて、怒りを表明しながら寝ている。
オフグリッドへの挑戦はまだまだ続くのだ。